第85話 焼きたてカヌレ
お待たせ致しましたー
そこから、じっくりじっくり……ミアのオーブンで焼いて。
甘い匂いがすっごい強くなったら、ミアの歌も終わって、『パーン』ってフタが開いたの!!
『ぷっぷぷ! 出来まちた!!』
「「わぁ!?」」
「おー!?」
「……甘い」
シェトラスとレイバルスが、厚めの手袋で型から中身を出してくれたら……ほとんど黒に近い茶色のパン? お菓子? が出てきた。ぽふっとしてたから……失敗じゃないと思うわ。
「……これで完成?」
「そうですよ、お嬢様。大変熱いので、少し冷めてから食べましょう」
「僕はこのままでもいいぞ!」
「……相当熱いですが」
「いざ!」
って、アウル君が一個持ったら、すっごく熱いから『あちちち!?』と手の上で転がしてた。すぐに戻して、軽いやけどを魔法で治したわ。
「アウルくーん? やめとけ言われたでしょう?」
「そうだったが。まさかここまで熱いとは」
「……出来立て。熱い……です」
「うむ。気をつけよう」
サリー姉やミラクルにも注意されたから、冷めるまで待つことにしたんだけど。甘くていい匂いに、食堂に色んな人たちが集まってきたの。
「なんていい匂いなの!?」
「こりゃ、ラム酒の匂いかい!?」
「……出来上がりはすごいわー」
「俺も食いたい!!」
『ほほほ。出来上がりかの?』
マックス様に、エスメラルダ。
シャミーやピデットはさっきからいたけど。
ウルクル様は、ナイラを抱っこしてるエピアを連れてきた。エピアは結構綺麗で可愛いから、ナイラはきっとそっくりになるわ。
その後ろからお母様やお父様も来たの!
「あら、この香りはカヌレ?」
「あの酒精が強いものをか?」
「お父様、お母様! 今出来たの!!」
ウルクル様にも皆と食べていいか聞いたら、もちろんだと言ってくださった。
【『ラム酒たっぷりカヌレ』
・製造=500pt
ナビシステムへのレシピを更新いたしました
次のレベルまで、あと100pt
】
それと、作っただけでたくさんptがもらえて嬉しいわ!!
冷却で少し冷ましたら、生クリームのホイップも作ってお皿に盛り付けていったんだけど。
冷めたら、なんだかツヤツヤしていく気がしたの。
「ツヤツヤ?」
「だよね?」
「……ツヤツヤ」
「うむ。僕にもそう見えるのである!」
だから、なんだか。
『おお! 黒い宝石のように見えるのお?』
「そうそれ!!」
あたしもそう見えたの!!
強くそう言うと、お母様がくすくす笑ってくださったわ。
「そうね? 焼きたてだと分かりにくいけど、カヌレは時間を置くとそう言う仕上がりになるの」
『ふむ。面白い仕組みじゃの?』
「母上! 僕、食べたいのだ!!」
『ふむ。では、我らが神に祈りを捧げようぞ』
ここで言う神様はウルクル様じゃなくて。
創世神様って言う、もっともっとすごい神様。
いつか……お会い出来るかなあ?
次回は日曜日〜




