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第58話 神の見守り(フィルド視点)

お待たせ致しましたー






 *・*・*(フィルド視点)








 ほほほ、ほほほ。



 若いのお、青いのお?


 この子らは、儂が世界の創世神だと知らぬがゆえに……ただの『フィルド』として接してはくれておるのじゃが。



(まさか、チャロナの娘が儂に懐いたことで……フィーガスの息子が一丁前に嫉妬心を抱くとは)



 幼いながらも、自我のある存在に変わり無い。


 であれば、将来が楽しみじゃのお? まだ数年先じゃが世界の成人年齢が十六じゃから……セシルがリーシャに婚姻の言葉を贈ってもおかしくはない。何故なら、リーシャもまだ無自覚じゃがセシルに必要以上の好意を抱いておるのじゃ。セシルが飛び出した後に、泣きながら追いかけたからのお? あれはほぼ確定じゃわい。


 そして今は、儂が食べたいと提案したフィッシュバーガーの調理途中なのじゃが……タルタルソースでフィッシュフライの試食をしようとシェトラスが二人に言ったため一時中断しておる。


 二人は熱々のひと口サイズのフライに、たっぷりとタルタルソースをつけて食べおったが。



「「おいひい〜!!」」



 幸せそうな笑顔をしおって。


 可愛らしいのお。


 成長してしまった、孫のシアらを写したかのような姿じゃ。


 あれへの土産の品を作っているのじゃが……きっと喜んでくれるはずじゃ。このように愛らしい子どもらが、一生懸命に作ってくれるからのお?



「美味いか?」


「すーっごく美味しい!! これパンと? 美味しいと思うの!!」


「揚げ物は正義だからな!」



 っと、孫のひとり、レイもそう言っておったからのお? 厄災のひとつとして、この世界ではかつてはびこっておった『枯渇の悪食』じゃが……あれはあれで、必要なことじゃった。


 この虹の世界を、ある意味『浄化』していく上では。


 最終決定は、子孫であるチャロナにさせたがなあ。あれから八年近く……人間の(とき)としてはそこそこ長い。チャロナもより一層、復活した母親と瓜二つになってきおった。その娘であるリーシャは、少しカイルキア寄りに似ておるが。美人確定じゃな、うむ。


 さてさて。



「えーっと……これをパンに挟むときー? スライスしたチーズも挟むのがおすすめ?」


「やろう、リーシャ!」


「美味しいのかなあ?」


「美味いと思う!」



 儂は蒼の世界で、実は一度は食べておるのじゃ……フィッシュバーガーは。種類は色々あったが、シンプルにチーズとソースと一緒に挟んだのが美味かった!!


 出来立てのも、是非とも食べてみたい!!



『……創世神様、欲望丸出しでやんすよ』


『……いいじゃないか』



 レイバルスがさりげなくツッコミを入れてきたが、ちゃんと手伝っておるからええじゃろうに。


 ユリアも楽しみにしておるじゃろうし、ここは即決に限るのじゃ!



「チーズって、焼かなくていいのかな? リーシャ」


「んー。多分大丈夫だと思う」


「どのチーズがいいんだろ」



 子どもは子どもで、きちんと考えておったわい。


 まあ、レシピの大元は蒼の世界のコピーじゃからなあ? この世界でのかつてのレシピとは、実は違うのじゃ。


 喪わせたのじゃ。


 元のいにしえの口伝とやらは本来。


 ヒトの傲慢から……儂らが奪ったのじゃから。


 その子孫であるリーシャには……いつか、母のチャロナがどう伝えるかはわからん。


 儂らが決めることではないのじゃ。

次回は水曜日〜

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