第42話 差し入れ当日②
お待たせ致しましたー
「「「おいひー!!」」」
「「おいしいです、マザー!!」」
「「このパン、誰が作ったの!?」」
「「「「美味しいよ!!」」」」
あたしとおんなじくらいとか。
もっとちっちゃい子どもとか。
サリー姉くらいの子どももいたけど。
皆……あたし達が作ったパンを、本当に美味しそうに食べていたわ!!
クリームとかをほっぺたにつけているのが、可愛いって思えるくらいに……嬉しかった!!
「やったな、リーシャ!」
「君の実力は認められたのだぞ」
「あたしだけじゃないわ!」
ミア、サリー姉、ミラクルにシェトラス達。
皆のお陰よ!!
それが嬉しくなって、エディト達とぎゅっとしていると……先に出ていた伯父様に呼ばれたの。
「我が姪であり、我が妹の娘。リーシャが頑張って、今回のパンを作ったんだぞ!!」
紹介されると……子ども達は、キラキラの笑顔であたしを見てくれたの。
「「「可愛い!!」」」
「「チャロナ様の御子様!?」」
「「ちっちゃい!! 可愛い!!」」
「「「すごぉい!!」」」
可愛いが多いけど……お父様と顔が似てるせいかな?
とにかく、子どもが作ったことには驚かれているようね?
「リーシャ=コルク=ローザリオン。ローザリオン公爵が第一子。此度は、私の作ったパンを褒めてくれてありがとう」
行儀見習いをしてるから、マナーはちゃんと出来るわよ?
披露するところが少ないだけで。
あたしがきちんと挨拶をしたら、子ども達はぽかーんとしちゃったけど。
でも、すぐ後に。
「「「「「ありがとうございました!! 美味しかったです!!」」」」」
って、笑顔で言ってくれたから……私も釣られて笑顔になったわ。
「時々だけれど、また作るから」
「「「「「わーい!!」」」」
お母様が伯父様に言いつけたから……最低でも半月に一回。
あたし達のパン作りの練習もあるから、それくらい欲しいのだ。
お祖父様にも……お母様は怒られたらしい。お母様、ある意味お父様より怒ると怖いから……逆らっちゃいけないもの。
あたしも気をつけようって思うもの!
とりあえず、挨拶などを終わらせてからケイミーお姉さん達のとこに戻ったんだけど。
「……あの、大変申し上げにくいんですが」
お姉さんがちょっともじもじしてた。どうかしたのかな?
「どうしたの?」
「あの……私達も、パン作りの修行をする件は」
「「あ」」」
こっちの練習ばっかりやってて、すっかり忘れてたわ!?
すぐに伯父様とごめんなさいと謝ったの……。
「すまないんだぞ!」
「ごめんなさい!」
「「「い、いえ……」」」
いつもはお姉さん達が作るんだから、孤児院の子ども達にももっと美味しいパンとかを食べて欲しいのは大事。
それを、あたしの練習時間ばっかり使ってたから……すっかり忘れちゃうだなんて! 子どもだからって、忘れん坊過ぎるわ!!
次回は木曜日〜




