第190話 ちっちゃな僕の(ディオス視点)
僕、ディオス。
こーしゃくっておとーたまのむすこ。
きれーなおかーたまと、かわいい姉上が家族にいます。
おかーたまのおなかには、僕のいもーとかおとーとがいるんだって!
まだかなだけど、もう少しぷくっと大きくなってからみたい?
今日は、姉上はセシルの兄上とお出かけ行っちゃった……。サンドイッチはもらえたけど……僕、ひとりは寂しいなあ。おうちは大きいけど、僕はまだ小さいからあんまり遊べない。
農園の方に行って、アウルくんに色々おやさいおしえてもらおうかな? 僕、りょうりはまだダメって言われているけど……食べるのはいいもんね? もう三歳になるから、あれダメこれダメはおかーたまから大丈夫もらったもん!
「おや、ディオス?」
農園に行ったら、やっぱりアウルくんがいたから良かった。
「アウルくん、おいしいおやさいとかくだもの……手伝えることある?」
「あるとも! ちょうど良かった。いつもは魔法で済ませてしまうが、せっかくだからふたりで作業しよう」
「?」
「スコップみたいなこれで、ブルーベリーを収穫するのだ!」
「! するする!!」
ジャムも好きだけど、僕酸っぱい果物大好きだから……ブルーベリーはお皿いっぱい食べちゃう!!
やり方を教わって、ガーっとスコップに溜まったら麻袋に。ふたりなので、麻袋いっぱいになったら休憩。アウルくんは大きいけど、半分神様だからあんまり疲れてないのがすごい。
「やー。ディオスが手伝ってくれて、有意義な時間を過ごせた。父上はトマトの収穫で忙しいし、エピアは青菜の収穫に行っているから」
「……手伝えて、よかった」
「ここは君の家だからな? 欲しい果物や野菜があれば、ご当主や母君にも言えば作れるぞ?」
「……今ブルーベリー食べたい」
「なるほど。じゃ、水魔法でちょいちょいと」
僕はまだ魔法が習えないから、アウルくんが用意してくてるブルーベリーを待つ。
美味しそうで、キラキラだ!
「みゃー……」
ふわっとあったかいのに、かわいい声。自分の手を見ると、ブルーベリーみたいにキラキラした目のかわいい黒猫がいた!?
「……かわいい」
「んー? ……懐いているな」
「迷子かな? のら、かなあ?」
抱っこしても、鳴く以外特にあばれないので……そっと抱えたら、また鳴いてくれた。とってもかわいい猫ちゃんだ!!
「……飼いたいと顔に出ているな?」
「……ダメかなあ?」
「…………主人と認められるには、だが」
何故かブルーベリーをひとつ渡されたので、猫ちゃんの前に近づけたら……かむんじゃなくて、吸うようにして食べた!!?
「魔物ではなく、精獣の類だろう。……レイバルス公のところへ行くといい」
「う、うん」
レイならきっとわかってくれると思って、猫ちゃんを抱えてダッシュしてみた!!




