第183話 『くるんとサンドイッチ』
ちょっと、セシル兄とデートすることになったの!
いい雰囲気になるかはわかんないけど……お弁当くらい作ってもいいと思って! ptとかを頑張って貯めて、ミアをレベルアップさせた『幸運の錬金術』は今すごいの!!
カスタムって言葉で合ってるかしら? お母様に自分でやってごらんって言われた……レベルアップのptの仕分けをやってみれば。ミアが喜ぶくらいの道具に変身出来るようになって!
毎日のように、自分でパン作りをするから……お母様から貸していただいたレシピの本のはほとんど作れるようになった。
自分だけのアレンジにすることも。
「お肉は冷ましているから、あとで。ロールサンドイッチだから、葉野菜も入れて!」
デザートサンドイッチも、お母様に食べさせてもらった時はびっくりしたけど……セシル兄も喜んでもらえたから、今回も作っちゃう!!
(デート……久しぶりだなあ)
お互いの英才教育とか、マナーやダンスレッスン。あとは、そろそろ即位決定の伯父様から依頼されている『孤児院の改築』に向けての活動とか。
ソーウェンとの戦災孤児たちもだいぶ減ったことで、孤児院ではなく『保育機関』と言う施設にするのをお母様とずっと計画してた王家は。
支援会というのを設けて、王家はサポート。実際の運営はうちの公爵家で仕切ることになってる。
今……『三人目』を孕っているのに、ディオスがヤンチャ盛りだから自分たちで試験的に使っているんだけど。めちゃくちゃ遊ぶから、お姉ちゃんしんどい!!
「あーねーうーえー」
そして、あとちょっとでサンドイッチ巻こうとした時に……現れたつまみ食い泥棒!!
ディオスにさっと、作ったロールサンドイッチを口に突っ込んだ。顔は私よりお父様似なのに、髪は王家特有の緑なのよね?
「お姉ちゃん、ちょっと忙しいから……それ食べてて」
「うー」
「今日は保育園行けないの! お姉ちゃん休みだから」
「……えー」
「えー、じゃないの」
二歳でお父様の顔でしょげくれても、今日はダメ。絶対ダメ!!
だって、もう到着したって伝令が来たんだから……サンドイッチをパパって仕上げちゃったんだもん!!
「……けど、おいちぃ」
「でしょう? セシル兄にも食べてもらうんだから……それで我慢しなさい」
「……はぁい」
歳の差大きいけど、ディオスはセシル兄が大好きみたいなの。義兄弟仲が良好なら言うことなしだわ! バスケットに詰めたら、控えの部屋へ突撃よ!!
と思ったら、ホールで既に待ってた彼に遭遇して転けそうになっちゃった!? すぐに受け止めてくれたけど……ニヤって顔が小父様以上にカッコいいから惚れ直しちゃうよ!!?




