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第152話 協力は惜しまない(マックス《悠花》視点)

お待たせ致しましたー






 *・*・*(マックス《悠花(ゆうか)》視点)










 あり得ない……マジであり得ないわん!?


 あんの、バカエロ親父!?(王妃様限定で)


 なんで、女に負担が大きい年齢で妊娠なんかさせるわけぇ!?


 医学技術が半分魔法頼りのこの世界で……五十近い年齢の女性を妊娠!?


 めちゃくちゃ高齢出産じゃないのさ!!


 けど、ちーちゃんたちとしてはお祝いしたいらしいから……娘のリーシャがあたしのとこに訪ねてきたときの笑顔を見ると、声を荒げられないわぁ。



「マックス様! おばあ様に喜んでいただきたいパンを作りたいんです!!」



 そんな無邪気な笑顔と、カイルそっくりの顔できらっきらに目を輝かせているんだから……追い返すわけにはいかない。もとより、マブダチのちーちゃんの娘だから無理よん!!



「……そうね。喜ばしいこと、だけど」



 前代未聞とは言い切れないけど。このファンタジー世界で、高齢出産の事例に向き合うとは思わなかったわ……。その本人の孫も驚いたでしょうけど、あたしの目の前できらっきらの笑顔で質問の返事を待つ姿勢は可愛いお嬢ちゃんでしかない。


 カイルたちも反対はしてないでしょうから、これはあたしも腹くくるしかないわねん?



「食べていいパンとか、そうじゃない食べ物とかあるのですか?」


「あら。ディオスをお腹で育ててたちーちゃんのこともあったから、覚えてるの?」


「んと。オスシはあんまりで、すっぱいものとかをお母様は欲しがってました」


「いい着眼点ね? 妊婦さんはレモン欲しがる傾向が強いの」



 個人差はあるけど、うちのエイマーもそうだったし。最近は、まだつわりも軽いからあんまりらしいけど。


 それなら、と。エイマーを呼ぶことにしたわ。



「ふむ。妊娠中の女性でも食べてよい食事……」



 ああ、今日のあたしの奥さんも、とっても凛々しくて美しいわん!!


 カイルたちのこと言えないけど、あたしも嫁さんLOVEだもの!!



「エイマー小母様、何かあります?」


「ああ。君のお母上から昔聞いたが、白パンのオープンサンドイッチがいいかもしれないね? 王妃様のお好みの具材で、妊婦でも食べやすいものを見繕うのはどうだろうか?」


「白パン? バターロール?」


「それもいいが、かなり真っ白いパンのことも白パンというのだよ。普通のバターロールよりも白くてやわらかい」


「! 作ってみたい!!」


「私は身重で参加できないが……君の屋敷に戻れば、料理長がレシピを知っているはずだ」


「お母様にも聞いてみる!」


「その方がいいだろう。マックスは他に意見あるかい?」


「そうねん? お菓子だったら、コーヒーや紅茶のはあんまり入れない方がいいわ」



 カフェイン摂りすぎで、お腹の子どもに影響が行き過ぎちゃいけないとかは……前世の知識でもうろ覚えだけど。


 この世界にルイボスとか麦茶の需要があれば……抹茶の導入が出来たから、不可能じゃないわね?


 あたしとエイマーからのお祝いはそれにしようかしらん?


 リーシャはミアを連れて、ミラクルたちにも参加を募ろうと元気いっぱいに部屋を出て行った。



(子どもって、ほんと行動的ねぇ?)



 けど、婚約者が出来ているから少しずつ、大人への階段も昇っている。


 だから、あたし知る現代社会のガキどもより、よっぽどしっかりしているわ。さすが、あたしのマブダチの子どもねん?


次回は金曜日〜

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