第151話 びっくり過ぎて
お待たせ致しましたー
おばあ様に、赤ちゃんが出来た。
普通はあり得ないらしいけど、おばあ様もおじい様もまだ完全に老年の域ではないから大丈夫だと、お医者様は言っていたことから可能の事態みたいよ。
お見舞いは、お母様の方がたくさんお話されたいようだったから。あたしはエディトたちのお部屋に遊びに行くことにしたの。
「……びっくりだね」
「うむ。私たちに婚約者が出来たこと以上の一大事だぞ」
「……年下の、叔父様か叔母様?」
思わず、孫三人でぽかーんとしちゃうのも仕方ないわ。ディオスはまだ赤ちゃんだから、お母様たちといっしょにいるもの。
幼馴染みであり、婚約者になったセシル兄たちは今日はいないみたい。
「え~? 僕たちと同じ彩緑の髪色かな?」
「その可能性は大いにある。デュファン大叔父様方は違うが、王家直系の子どもは等しく所持しているからな。私たちがいい例だ」
セルディアス王家の血筋を引く証拠とも言える髪色。
あたしのお父様も、デュファンおじい様の息子だけど……髪色などはアイリーン叔母様もお父様もおばあ様の色を継いだ。
だけど、あたしとディオスはお母様がその色を持っているから、うまく引き継げた。
なので、多分だけど。おばあ様のお腹に出来た叔父様か叔母様は、きっとその髪色を継いでいるはずだわ。
王位継承権問題は、女か男で色々面倒になるとかエディトたちは騒いでいるけど……そこは、アインズのおじい様がきっと決めて下さるわ。
シュラ伯父様はいたずら好きで食いしん坊ではあっても、お仕事はちゃんと出来る王子様(?)だもの。エディトだって、ユイノ姉と婚約出来たからお勉強頑張っているみたいだし。
「けど! 家族が増えるのはいいことだ!」
あたしがとりあえず、今から何をしようかと提案する前に。
エディトが座っていた椅子から、急に立ち上がって笑顔全開になったわ。
「そうだな!」
顔はそっくりじゃないけど、双子だから考え方は似てるみたい?
同じ提案をしようとしていたのか、言いたいことがいっしょのようだ。
「何かしたいの?」
「うむ。菓子を手づくりしようにも、私やエディでは無理だからな。我々は彫金などをお師匠に伝授していただこうと思う」
「その方が、おばあ様も安心するしね」
「じゃあ、あたしが他の皆と……パンとかお菓子作ればいい?」
「「是非そうしてほしい」」
「うん。わかった」
得意分野をちゃんと理解しているなら、それぞれ分担するまで。
パーティーには、おばあ様多分参加できないみたいだから……いくらを使った何かにしようかしら?
けど、『幸運の錬金術』を持つあたしだから、ミアといっしょに美味しいパンとかを作りたい。いくらはサンドイッチとかも難しいって、お母様がおっしゃっていたから……他に詳しい人にも相談して、いくらを使ったパンを考えようかな?
思いつく限りだと、お母様の大親友でもあるマックス様かしら?
そうと決まれば、魔法鳥でお手紙出さなくっちゃ!!
パーティーはもうすぐだけど、おばあ様へのお祝いは別だもの!!
次回は火曜日〜




