第150話 パーティーまでのそれぞれ④(アクシア視点)
お待たせ致しましたー
*・*・*(アクシア視点)
一度死して、娘たちのお陰で復活をすることが出来たけれど。
生涯ただ一人の、夫として愛するアインズバック様と……その、まさか。
(三番目の子どもを身ごもるだなんて……)
復活しても、チャロナたちの親に相応しい年齢に神が操作なさったから……もう二度と身ごもることなどないと思ったのに。
シュライゼンやチャロナたちも、それぞれ結婚して子どもを授かることが出来た。私もアインズ様も、『祖父』と『祖母』の立ち位置にもなったのに。
関係がないと、アインズ様はいまだに私と閨の時間を過ごしてくださっていたが……ここ十年一度も兆しがなかったけれど、つい先日兆しがあった。
チャロナを身ごもった時と同じような、体調の変化。シュライゼンの時は、比較的軽くて安産ではあったが。今回はチャロナの時と同じく、重い感じだった。
最初は体調不良だからと思い、医師に診てもらったら……信じられない顔をして、これは懐妊だと診断された。
せっかく宿った命をおろすだなんて出来ない私たちだから、このまま産もうとは決意したけれど。
最近出来た孫と同じ年の子どもを産むだなんて前代未聞の事態ね?
アインズ様たちはとても喜んでくれたが。
「お母さん」
「おばあ様!」
国内発表まで体調を整えるのに、部屋のベッドで休んでいたらチャロナたちがお見舞いに来てくれたわ。チャロナはディオスを抱えて……ああ、この孫より幼い我が子を自分の身体に宿しているのね? 複雑だけど、そういう事態にチャロナたちも反対する顔つきではなかったわ。
「いらっしゃい。こんな状態だけど」
「それは大丈夫。むしろ、そのままでいて? でも……本当なの? 赤ちゃんって」
「ええ。あなたの弟か妹が出来たのは本当よ」
「……お父さんたち、すごい」
「あなたもカイルにすごく愛されているじゃない?」
「う……うん」
リーシャたちがその証なのだから、この子と今は義息子のカイルもなかなかに熱い関係よね?
デュファン様そっくりのカイルと私そっくりのチャロナ……結婚の発表があった時は色々と世間が騒いだこともあったけど、二人はとても愛し合って結ばれたんだもの。文句は言わせない。
ただ、今回、私に宿った新しい命への発表もなかなかに異例事項よね?
「……おばあ様。赤ちゃん……生まれるんですか?」
孫のリーシャも、最近婚約者が出来た。幼いけれど、恋する女の子に変わりない。
愛する人と、愛の結晶を宿すのは最低十年近く先でも……セシルだったら、絶対任せられるわ。あの子は、父親以上にしっかり者で頼りになる男の子だもの。
「ええ、そうよ。ディオスより少し年下の……あなたにとっては、叔父上か叔母上が出来るの」
「すごーい! おじい様たちすごーい!」
「嬉しい?」
「はい! 色々言われても、やっぱり家族が出来るのは嬉しいです!」
素直ないい子ね? チャロナそっくり……本当に、素晴らしい孫だわ。
この子の反応を見れたお陰で、チャロナも納得したのかすぐに『おめでとう』と言ってくれたもの。
だから、私は。
本当に命をかけてでも、お腹の子を産もうと改めて決意したわ。
次回は土曜日〜




