第126話 きっかけのためのフルーツデニッシュ
お待たせ致しましたー
マリーナへの告白作戦は、三日後に決まった。
それまでにあたしとアウルくんはお母様と一緒にパンを作ることになったの。
マリーナがきっと喜ぶんじゃないかって、お母様が提案してくださったデニッシュパンよ!
「ご教授よろしくお願いします」
「気負わずに頑張りましょう? アウルくんにはクリームを作ってもらうわ」
「お母様、あたしは?」
「リーシャには、私と一緒に生地作りね」
アウルくんのクリームは普通の生クリームのホイップじゃなくて、カスタード。レイがサポートして作っていくことになった。
あたしは、お母様と一緒にデニッシュの生地作り。バターと生地を織り込んで、ロティのシーターで綺麗にひとつのシートにしていく。
魔法で冷やしたりしながら、あたしの『ままごと銀製器具』から金型を出して、型抜きしていくの。しっかり抜けて、これをドウコンに入れて発酵させたら……アウルくんお手製のカスタードを少し入れて、ミアのオーブンで焼く。
これも冷ましたら、さらに仕上げをするのに……お母様は透明なシロップのようなものを作ったの。
「お母様。それなあに?」
「果物を腐らせないようにする、魔法の液体よ?」
「魔法!?」
「本当の魔法じゃないわ。砂糖と寒天粉とかを使ったお菓子の材料」
「「へ〜」」
アウルくんと驚いていたけど、仕上げに取りかからなくちゃ!
カスタード、果物の次にそのシロップをペタペタ塗ったら……すごく輝いているように見えたの! 本当に魔法みたい!!
【『キラキラ、フルーツデニッシュ』
・製造各三十個=10000pt
レベル7になりました!
技能『複合』が使用可能。
次のレベルまで50000pt
】
そしてステータスも出てきたんだけど……ふくごうって何かしら??
お母様に聞くと、実演してくれることになったわ。
「例えば、時間短縮を二つ重ね合わせて、最大短縮にすれば……契約精霊に負担をかけずに瞬時に技能が使えたりするの。一瞬で、パンが焼き上がったり発酵も出来たりとか」
「一瞬!?」
「技能ひとつでそこまで……」
「やり過ぎはいけないけど、すごいでしょう? ミアへの負担を少しずつ軽減出来たら、リーシャももっとたくさんパンが作れるわ」
「わーい!」
それだったら、孤児院への差し入れを作る時にもすごく役立つわ!!
今は作り終わったばかりだから試せないけど、次に頑張ろう。
とりあえず、デニッシュは出来たから試食をしたんだけど……甘酸っぱくてサクサク生地とこってりしたクリームの相性が抜群で美味しい!!
きっと、マリーナも好きなパンだと思うわ。
アウルくんに、頑張ってとあたしは応援のために背中を軽く叩いた。
「……砕けてもいい。頑張る」
きっと大丈夫だとは思うけど、あたしもマリーナの気持ちは聞いてないから、そこは勝手なこと言えないもの。マリーナはどんな気持ちなのかしら??
次回は月曜日〜




