第125話 実はこちらでも
お待たせ致しましたー
またまた婚約が一個決まった。喜ばしいことだわ、あたしが計画に加わって言うのもなんだけど。
エディトの方は国を挙げてのものになるだろうから、うちうちでお祝いは別の日にすることになるって。美味しいパンとかをたくさん作ってあげなくちゃ。
それとは別に今日の今日には。
「リーシャ! 頼みがある!」
農耕の女神のご子息、アウルくんがあたしのところに来たのよね? 真剣な表情になっているのは珍しいから、どうかしたのかな??
「なあに? どうかしたの?」
「その……その。君の従姉妹殿のことだが」
「え? ユイノ姉?」
「違うんだ! …………もう少し、小さい姫君だ」
「え? マリーナ?」
「そう!」
強く言い切ったアウルくんの表情は、とても輝いていたわ。これって……つまり?
「……マリーナが好きなの?」
「…………そうなんだ」
「わぉ」
こんな立て続けに、周りの子どもたちの婚約が起こるのはすっごい。あたしもだけど、ミラクルとかエディトとか……みんな、みんな決まったんだもの。その最後とも言えるマリーナとアウルくんよ?
(お似合いだわ!)
もちろん、マリーナの気持ちを知らなくちゃだけど……アウルくんがあたしに言い出すってことは、従姉妹として確認して欲しいのかもね?
「小さな頃から、マリーナのことは存じている。だからこそ、愛らしく成長していく姿が……とても愛おしく思えてきた。その気持ちが、日に日に強くなっていく! 僕はマリーナのことを慕っているんだって!」
「……あたしはどうすればいいの?」
アウルくんの本心を確かめることは出来た。けど、マリーナの方はわかっていない。
マリーナは少し男勝りな部分は多いが、この国の王女様だ。半人半神のアウルくんは、存在としては上かもだけど実際は農夫の息子。
これに反対意見を出してくる大人も出なくはないわ。
「機会をいただきたい。僕がマリーナに想いを告げる機会を」
「それでいいの?」
「想いが砕けても、それは僕の問題だ。君に必要以上に迷惑はかけたくない」
「……わかったわ」
こんなにも真剣に考えているんだもの。承諾しないわけにはいかない。だけど、あたし一人で動くわけにはいかないから……お母様にまず相談に乗ってもらおうってお部屋に伺ったわ。
お母様はとてもとても喜んでくださったの。大賛成とばかりに拍手もしてくださったわ。
「公爵夫人、ご協力願えるでしょうか?」
「ええ。好きな相手のために、きちんと筋を通そうと言う姿勢は素晴らしいわ。おばさん、協力するわよ」
「ありがとうございます!」
これで準備は整えられる!
次はマリーナへ魔法鳥を飛ばすわよ!!
次回は金曜日〜




