その7 律、レイちゃんに会う。
ヌーツ帝国は大変な目にあったよ。
観光?下町だけ?
ギルデアス皇帝陛下が皇妃様を立てるんだってさ。
「ジェスレイアです。」
何かすごい不本意そうにギルデアス皇帝陛下の隣に立った、皇妃様になる予定の姫君は言った。
「昨日やっと説得に応じたのですよ。」
すごく嬉しそうにギルデアス皇帝陛下が言った。
「説得かい、あれは...。」
なんかブツブツ姫君が言ってる。
「ジェイアは可愛いな。」
なんかとろけるような目でギルデアス皇帝陛下がみてるよ。
なんか仕返しされてるのかな?
「...姫君にはサルティーアスの件でお世話になったとか、ありがとう。」
ウェティウス様が珍しく私を下ろしてグーレラーシャの礼をした。
我夫ながらかっこいいな。
「いえ、そんな、大したことしてません。」
姫君が爽やかに微笑んだ。
...ウェティウス様、なんかこっちの方がかっこいいんですけど。
しばらく、談笑してて気がついたんだけど
この姫君ってあのとき後宮に飛び込んで行った『レイちゃん』じゃん。
協力者って皇妃予定の姫君自ら動いてたんかい。
恐ろしい国だよ。
「ハナミズキにいかれたんですか?」
レイちゃんは言った。
「美味しいお菓子もらいました。」
ウェティウス様もうまいって言ってたな。
そんなに甘くないのに。
「そうですか、下町大騒ぎだったでしょうね。」
レイちゃんが言った。
....わー、ヤバイわ、ウェティウス様を慰める事しか考えてなくて珍しく回りみてない。
ああ、異世界人失格。
いつでも冷静に状況確認が家訓なのに。
まあ、ウェティウス様と結婚した時点で異世界人失格だけどね。
「皇妃即位式には出席していただけるでしょうか?」
ギルデアス皇帝陛下が皇妃予定の姫君の手を握りながら言った。
「いつの予定です。」
ウェティウス様が私を膝の上にのせたまま聞いた。
「午後からですね。」
....午後からかい!
「え!聞いてないよ!どういう事?」
姫君が言った。
「ビーヌシスが時間を置くとジェイアが逃げる算段をするといっていたからな。」
ギルデアス皇帝陛下が妖しく微笑んだ。
「今さらだよ、夕べ散々....もう良いよ。」
レイちゃんは言った。
「可愛かったぞ。」
甘い声でギルデアス皇帝陛下がレイちゃんに囁いた。
「どうせ、逃がす気ないくせに、ああ、ディー兄ちゃんに任せてしらばっくれれば良かったよ。」
レイちゃんが言った。
「ジェイアでは無理だな、人まかせに出来ない。」
ギルデアス皇帝陛下はそういってレイちゃんを膝の上にのせようと引き寄せた。
わー、レイちゃん見事に皇帝陛下から逃げたのよ。
ある意味羨ましい。
「ジェス!皇帝陛下を傷つけるな!」
今まで後ろで黙って立ってた護衛官が言った。
「だってビー兄ちゃん!恥ずかしいよ!」
レイちゃんが言った。
そうか、いつでもウェティウス様の膝の上の私は恥ずかしいのか。
羞恥心無さすぎだな、私。
「律王妃様を見習え!」
護衛官が言った。
いえ、見習わなくて良いです。
「ええ?嫌だよ。」
レイちゃんが言った。
「拘束されたいか?」
護衛官がなんか鎖出した。
レイちゃん逃げてー。
「わかったよ。」
物凄く不本意そうにレイちゃんはギルデアス皇帝陛下の膝の上に乗った。
「....相変わらず、変わらんなジェイアは。」
ギルデアス皇帝陛下はそういってレイちゃんにキスした。
「人前でやめてよ、恥ずかしい。」
レイちゃんは言った。
....私ヤバイかも羞恥心無さすぎ。
ウェティウス様にならされすぎ。
「律。」
ウェティウス様にキスされた。
恥ずかしいって思う初々しい気持ちカムバック!
「ジェイア、あれが理想だ。」
ギルデアス皇帝陛下が言った。
「ええ?嫌だよ、恥ずかしい。」
レイちゃんは言った。
午後に統一皇帝正妃ジェスレイア様の即位式が盛大に行われた。
レイちゃんはすごく綺麗だったけど。
すごく不本意そうだった。
レイちゃんとは、仲良くなれそうな気がするよ。
でも、もうグーレラーシャに帰るんだ。
本当に色々あったよ。
今度ヌーツ帝国に来るときは何事もないといいな。
レイちゃんともっと話したいし。
観光もしたいな。
幽霊側室は今日も不在の本日分投稿分(平成25年2月8日)のその次の日?って感じです。
宜しくお願いします。




