グーレラーシャの獅子新伝1
律が私の腕の中で目覚める。
嬉しい事だ。
...問題は私がやり過ぎてる事らしい。
房中術の授業の時はきちんと適度に出来たのにな。
やはり、愛しい女が相手だと抑えが効かないのか?
30才40才のやりたい盛りの若者ではあるまいし...。
おかしいだろう。
「ウェティウス、律さんはいないのか?」
父上様が母上様を抱えて執務室に入ってきた。
「...新婚ですもの、きっと動けないわよね。」
母上様が言った。
やはり父上様と母上様もそうだったのだろうか?
「ええ、律は動けないので部屋で休んでます。」
律が腕の中にいないと寂しいな。
「仕事の効率がわるいんですよ。」
サリュウス秘書官が侍女に御茶の仕度をさせながら言った。
まあな、心配ですぐ見に行くしな。
私室と執務室が中庭経由で近いのが救いだな。
「律ちゃん、体力ないもの...。」
母上様が言った。
「いっそ、簡易ベッドでも設置してウェティウスの隣で休んでもらったらどうだ?」
父上様が言った。
いい案だな。
「あら、駄目よ、絶対に手を出さずにはいられないでしょう?」
母上様が言った。
...そうかもしれない。
だが、律がいないと仕事の効率は去ることながら、武術鍛練まで身が入らない。
律が居ないときどうしていたんだ?
判らないな?忘れたか?
「律ちゃん、大丈夫?」
母上様が律に会いたいと言うので私室にきた。
父上様は相変わらず母上様を抱えている。
「アンママン様...。」
律はベッドの中で弱々しく言った。
「律ちゃん、調子はどう?」
母上様が言った。
「...私、体力無さすぎですよね...もっとつけなきゃ...。」
律は言った。
「ウェティウス相手じゃ無理よ。」
母上様が言った。
...自重は初夜の時よりしているのだが。
「ウェティウス様、午後は執務室行けます。」
律は言った。
「無理するな。」
律に口づけをして言った。
「....仕事が滞るのが嫌なだけです。」
律は働き者だな。
「そんなに頑張らなくともよい。」
父上様が言った。
「....ウェティウス様が自重してくれてるので大丈夫です。」
ただ、私に体力がないだけでと律が呟いた。
もっと自重せねばならないな。
「ラシティウスより、ウェティウスの方が理性的なのね♪」
母上様が嬉しそうに言った。
父上様は野獣らしいな。
「愛しい女に自制などできない。」
そう言って父上様は母上様に口づけた。
「もう、ラシティウスったら息子夫婦の前でしないでちょうだい。」
母上様が抗議した。
なにを今さら、子供時代からお二人の口づけなど見馴れてる。
「アンネの唇はブドウの味がする。」
ニヤリとして父上様が言った。
「結婚式も終わったから、私はソロソロ傭兵稼業に戻る。」
父上様が言った。
「また、いい人材をお願い致します。」
人材スカウトも王位を退位した先代王の重要な仕事だ。
「ああ、神無月は掘り出し物だっただろう?」
父上様が言った。
そうだな、神無月・三田は素晴らしい武人だな。
「別れを惜しんでやりまくらないでちょうだい、動けないわよ!」
母上様が言った。
やはりそう言うわけで抱えられてたのか。
「仕方あるまい、また、半年の別れだ。」
父上様はそう言って母上様に口づけた。
「もう、ラシティウスったら。」
何だかんだ言ってなかがよろしいからな。
「ウェティウス様、本当に午後は執務室行けます、明日はなんとか朝から行けるようにします。」
律が言った。
「無理しないでね、体力温存よ、孫作らなきゃなんだから。」
母上様が言った。
「孫...ああ、そうですね。」
律はそこまで頭が回ってなかったようだ。
この頭のいい可愛い妻にしては珍しいな。
可愛い妻をベッドから抱き上げて胸元に口づけを落とした。
「やっぱり、新婚には当てられるわ。」
母上様が言った。
「仕方あるまい、執務室と王の私室が近いのはこう言う事態を想定してだからな。」
そうなのか...だから近いのか。
「ウェティウス様、お義父様とお義母様の前で恥ずかしいです。」
くびに口づけてたら律に言われた。
本当に回復してきたみたいだな。
律、無理するでない。
確かに仕事は大事だか。
律の方が数倍大事だ。
私も自制出来るように頑張ろう。
...本当に出来るのだろうか?
30才15才くらいで成人と見なされます。
40才18才くらいです。
陛下57才22才くらいです。
律、53才21才?くらいかな?
幽霊側室は今日も不在のあとがきに年齢について詳しく?書いた覚えがあります。
よろしければご覧ください。




