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短編の歴史

小さな勇気

作者: 猫乃つづり
掲載日:2018/04/12

彼は思う、新しい世界に行くことに不安を思うことに……

「嫌だ……現実」

そうして彼はまた、布団の中に潜り込み、現実との世界との拒絶を試みるのであった。

そして目が覚める。

そこには現実とは違う異世界が広がってる訳でもなく、現実が彼の目に焼き付けるのであった。

「また、現実か……」

ここのところ彼は現実が嫌で嫌で仕方がなかったのだ。

別にそれは誰それからかわれた訳でもなく、いじめられた訳でもない。

ただ単に新しい世界に不馴れなだけたからである。

世界とは異世界のことでもなくましてやsfでもない。

現実世界、それが嫌で嫌で仕方がなかったのである。

何故なのだろうか?

彼は考えてみるが、それすらも考えるのが嫌になって塞ぎこんだ気持ちに毛布をかける。

外界との拒絶、他人との拒絶、自分との拒絶、

その他の拒絶を敵と見なして壁を作る。

それは一種の防衛本能がそうさせた。

とにかく、生きてるのが嫌になっていたからである。

やさぐれた気持ちを理解できるのは誰でもなく自分が知っている。

他からは理解できないこの気持ち。

そんな彼を心配するものがいた。

でも、彼には届かなかった。

彼は空想の世界を作り、それにとじ込もって、生きていたからだ、

現実では死んでるに等しかった。

それはまるで彼が一種の無機物と等しいくらいに。

彼には夢があった……

小説家になるという夢、プログラマーになるという夢が……色々あった。

でも、その夢は叶いそうにないと諦め嘆きの谷へと身を投げる気持ちになってくる。

もう……諦めよう、嫌だ、もう閉じ籠ろう。

彼の身近な人の声でも届かないくらいの殻に覆われようとした彼は矛盾の中に出てくる幾多数多の武器さえも跳ね返すだろうというぐらいに禍々しく、黒々しく、彼の眉間には苦悶とした表情が見てとれるのであった。

メガネをかけていないというのもあったのだろう。

それは自意識と何ら変わらないもので、それは外から見ても自意識だと彼は思っていた。

新しい世界の住人、集団はというとどこか華々しくて光に満ち溢れているものを感じさせた。

しかし、彼の目には違うものとして見えたのだった。

音で例えるならば、ノイズとか騒音とか色々な言語で表されるマイナスな言葉で彼のメンタルを傷つけ、侵食していった。


「周りがみんな敵にしか見えない」


そう呟き、彼はその日から人の目を気にし、外を闇として、禍々しい何かと決めつけることにしたのだった。

彼に近しいものはそれを見て心配した。

しかし、彼は心配される声を聞くがそれを治す所か快感であるという悪魔的衝動にかられるのであった。


〈〉わぁーみんなに心配されてる、自分ってなんか心地よいなぁー〈〉


悪魔的彼はそう呟いて、また布団の中に潜り込むのであった。

しかしそんな時間は長くは続かず、全員が全員、心配してる訳ではなく中には行動にして起こすものもいた。


「ハイ、彼、行クヨ!行カナイト絶体後悔スルヨ」

「嫌だ!行きたくない!僕は行きたくないんだ!」


彼を無理矢理にでも連れだそうとする人が彼は好きではなかった。

その人は新しい世界で彼を応援したかったのだ。

しかし、彼には届かず、彼は暴れ苦しみ、拒絶する。


イキタクナイ



それは同時に


生命としてもイキタクナイということをいっている風に思えるのであった。


しかし、彼は同時の意味で行った。

その人は嘆き悲しむ、しかし、彼には届くことはなかった。


部屋は環境は元いたというより逃げた環境は荒れた平野と化していた。


壁は敗れ、窓ガラスは割れたりと、さながら、強盗が入ったような感じだ。


「嫌だ……嫌だ……嫌だ……どうしたらいいかわからない」


彼は終わった後の惨状で一人泣いていた。

腹は空き、服は破け、ボロボロな惨めな彼は彼自身を嫌い呪った。

自殺を図ろうかとも思ったがその思いは、勇気は紙塵へと消えたというより、そんな勇気はどこにもなかった。

無用だし、そんな気力もなかった。


一人になった時、彼の心の壁はさらに厚くなったような気がした。

同時に寂しくも感じた。


「なんで、寂しいんだろう、僕はこんなにも拒絶してるというのに」


訳がわからなくなっていた。

自分の目指してるもの、それに必要なものその他もろもろから逃げてるいることに後悔してる彼もいるのだろうか。

それと拮抗してる故の涙か、弱者故の涙、はたまた、悪魔的彼の偽物の涙かすらわからない。

ただ……しかし、それでいて言えることは、

彼の口からは言えることはなかったのだった。


そんなとき、その人とは違う人が彼の元へとやって来て、果物を両手に持ってきて、トントンと扉を鳴らしてきた。

しかし、彼は開ける気力はなく、沈んだ目でそのドアを見るのであった。

現代社会を彷彿させる現代の扉は彼の目からは悪魔が来るのかというような絶望の思いしたか、生み出されなかった。

幸い、鍵がかけられてないことを違う人がわかると違う人は扉を開けるのであった。


「りんご食べる?」


違う人は行った。その人とはまた違う対応だった。


「……食べない」


しかし、彼はムッとしながらさながら悪霊のような顔で拒絶した。


「美味しいのになぁ」


(知ったことかそんなもの)


彼は心のなかで呟き否定し、そして顔と体を違う人と違う方向に向かうのであった。

違う人も違うに人なりの対応をとった、その人とは違う対応で、それは柔らかい対応と言葉で言えるものであったからだ。

しかし、彼はまた心を以前閉ざしたまま、半ば強制的に結果として行くことにしたのであった。


新しい世界に行った結果……

彼は絶望した。

彼の意に反したことだったのであろうか。

他人は意識せずとも彼の心の壁と自意識は解消されることなく、彼は一人、新しい世界で閉じ籠る結果になった。

さながら、鳥籠のなかの鳥と言ったところだろうと彼は思うと彼は酷く激昂した。


「なぜ……自分がここにいなければならないのだ」


彼の腹は満たされない思考と心が闇となって覆い尽くすのであった。

そして……


彼は逃げ出した、鳥籠の鍵を丁寧に置いてきぼりにして……逃げ出した


そして、もとの世界、落ち着く世界に来たときだった。


その人と合う、不味いと思った、彼は逃げ出そうとしたが気付かれて、彼はもとの世界へと行くことにしたのであった。


彼は落ち着く、腹が減ってても、もとの世界なのだろうか、落ち着く感慨を覚えていた。

自意識と壁はいまだにあるというのに……


しかし、そんな彼に止めをさすような一言が来るのであった。


「ここに居場所はないのだから」


彼は困惑した……


違う人へと目線を送る、違う人も同感というアクションを起こしていた。


そして、また再びの絶望の谷へと落ちる。

それは深淵の中へと突き進んでいくなかだと思われたからだ。

でも、彼はそうなのだろうと思うのである。

それは納得というよりも、ラインを引いたという言葉で表された。

それは仲間だと思っていた人たちを他人というカテゴライズするということに。

彼はまたそれで割りきって、一時的な空間に住まうことになった。


「自分はここには居場所がないのか……」


そう呟いて彼は眠りにつく、腹はすいているのに、なぜか心地がよかったのだった。

しかし、それは完全に心地がよいという訳ではなかった。

でも、彼の心のなかのもやもやはちょっと解消され、柔らかくなったのであった。

そして、新しい世界で、彼の力を試すテストが行われ、彼は行ってよかったのだったと安堵する。

しかし、他人は別だった。

必ずしも裏があると、だから、以前、彼の心の壁は柔らかくなる所か険しくなったような気がするのであった。


「でも、また行こうかな」


そう思い、彼はまた次の日もいくことを決意するのであった。


その日も行くことを決意したので、彼の行動は意欲的とはほど遠いがマイナス発言連発を醸しながらマイナス思考も連れていって新しい世界へと向かうことにした。


彼にとってはできることから始めようという思いが、彼の中に芽生えたのだった。


緊張もしたし、失敗もした、新しい世界がまさに異世界そのものなのかと思えるほどに、

慣れないことだらけで彼はそう思うのであった。

しかし、それでも行っててよかったのだったと、新しい世界に踏み出せた軌跡を残せてただけでもよかったと彼は珍しくプラス思考でそう思うのであった。

しかし、そんな心のなかの平穏は突如として打ち砕かれるのであった。


「かっ彼?」


訪ねるような声で聞いてくる様に彼は嫌な予感がするのであった。

見知った人だった、と同時に彼は顔をそらすのであった。


「嫌だ」


そんな風に口にだしたくなる程だった。

彼は怪訝そうな顔で受け答えすることにするのであった。

実際のところはどう反応すればいいのかという問題文が作成されて、困っていたのかもしれない。

しかし、彼はこの瞬間から嫌だと思うのであった。

これが集団の悪いところであり、集団の嫌なところである。

知ってる人、その他は違う空間へと移動した。

でも、心なしか同じ世界にいた人間と話をして落ち着いた彼がどことなくいるのであった。


その日の夜、帰ってきた世界で思う彼は、これからの計画をたてるのであった。


「いつかは新しい世界にも、なれそうな気がするな……」


そんな時だった。

彼がマイナス発言とネガティブさがそうさせたのか。

その人は


「もういいよ!もう新しい世界なんていかなくていいよ!」


と言った

彼は(は?)と心のなかで思い、傷ついた。

信頼していたその人が、彼にたいしてそういったからだ。


彼は再びもう行くことを拒絶し、眠ろうとしてもその言葉が頭の中から離れることなく重荷となって、朝を迎えるのであった。


「嫌だ……この世界」


ついでに新しい世界も相互的に嫌になって仕方がない気分になった。

昨日の言葉が昨日のその人の誰にたいしてかの独り言の言葉が彼に突き刺さったままだったからだ。


「行きなさいザザザ」


ノイズ音を伴って聞こえてくるその人の声は彼の耳には届くものではなかった。

彼はもう既に人を信用するということさえもしなくなった。

自分が嫌い、

人が嫌い、

全部が嫌い、

もう考えていた思考リズムが停止した気分になった。

しゃべりたくない、見たくもない、聞きたくもない

そんなことばかりが彼の気持ちを一層押し寄せてくるのであった。

あるいはきめたのかもしれなかった。

彼は布団の中に潜り込み、空想の世界で生きることを決めた。

もう嫌だ……目指していたものさえもうどうでもいい、これが楽な道があるならそれでいいのだから。

彼はそう思い、夢のなかの道へとひた走ろうとしていた。

朝飯がきて、昼飯がきた、沈黙のなかの音が日常を灰色のようなものへと染まっていく気がした。

彼はそんな空間になることが嫌いだった。

それでいて、そんな空間に甘んじてる自分も嫌いだった。

今、ある場所と言えば、空想の世界だけ……

それだけが彼のいれる唯一無二のユートピアだったからだ。

しかし、その幸せは長く続くものではなかった。

彼は自分の思いに整理するために書き出すことをした。

それは新たなる世界に区切りをつけるために

そんなときだった。


「何書いてるの?」


その人は言った


「自分の今の気持ちを書いてるの」


彼は頭のなかではわからなかったからである。

自己と世界、他人と自分、整理する、区別するためにもそれは妥当であると考えたからだ。

書き出すことと喋ることとは違いがある。

彼は書き出すことを選んだのは自分の気持ちが書き出すことの方があってる風思えたからだった。


その人は納得したしかし、勘違いをしていたのだった。

時がすこしばかり傾いた時だった。


「で?新しい世界に行くのいかないの?」


「は?」


彼は困惑した、なぜその人がこうゆうことを聞いてくるのかと……

全くもって意味不明だと彼は書く手を止めて停止させる。


「いや、そういうのじゃなくて」


「どういうこと?」


その人は理由を求めた、しかし彼は無視をするという行動をするのであった。

彼は話すというのに壁を作っていたからだ。

だから、どうしていいかわからず彼は苦悶の表情を浮かべる。


「どうして、どうしてなの?」


訊ねるその人は逃げるそぶりを見せなかった、というよりも、見せるよりも立ち向かう一種の阿吽像なのだと思い、彼は怖じ気づき逃げたい気持ちにかられた。

そして、


「もういいや!」


そう強く言ってはねのけるのであった。


その人もその人で抗議するのであった。

対照的に彼はその人に結果として逃げ続けた、完全に拒絶したのだった。

その人は彼の前から立ち去り、涙を流した。

彼も彼で耳を塞いだ。

新しい世界はもういい、この世界で生きると


《》面倒ごとからは逃げてしまえばいいんだ!《》


彼は彼自身を正当化して決着をつけようとしていたのだった。

彼自身が嫌になって、全世界が嫌になった、そんな気がするのであった。

しかし、思いきって、決断したのにいくつかどうにも腑に落ちなかった、


何かこびりつくような間隔


汚いものが流れ出るはずなのにしこりとなって残るそんな感覚が彼の腹のなかで残っていた。


「わからない……」


その人はそう言っていた。

彼自身もそう思った。

もう自分自身でさえもよくわからなくなっていたのであった。

目の前のことでさえどうしていいかわからないそんな気持ちが彼の精神を支配し蝕み、まだ暗くないのに、心の天気は真っ暗なもののように思われるのであった。


「もう、あの人に電話をかける」


その人は誰かを頼るのであった。

彼はもうよくわからない自分と他人とかに絶望していたので、聞こえてはいたものの心の中には届いてはいなかった。


「はい、電話」


彼は電話を手にして耳に近づける。


「もしもし……」


耳に近づけると彼はか細い声でそう言った。

心の環境は最悪そのものだった。


「どうしたぁ、彼」


暖かみのある言葉だった、彼は攻められるのかと身構えていたが、そんなことはなかったのだった。

平静を保とうとしたが彼の目にはその瞬間、涙が大粒となって出てくるのであった。

ダムが決壊したように自分の腹の中にしまっていたモヤモヤが


「もう自分とか他人とか全部が嫌いになった!」


うまく言えないモヤモヤを苦手な言葉で表現した彼はそう思いの丈を不器用ながらもそう言った。

その他には昨夜に言われた言葉とかで傷ついたとか新しい世界に不安を残して、辞めたいと、この世界にいたいとかを、とにかく彼の思っていたことを言うのであった。

彼は攻められるだろうと思った、しかし……

あの人は責めなかったのである。


「わかるよ、彼、でも一時的な感情でそう判断しちゃいかん、彼は恵まれてる、俺はこの世界だったから、死ぬ気で頑張った。そして、今がある。だから、夢をそう簡単に捨てちゃ後悔する」


要約するとそんなことをあの人は言った。

彼はハッとした、涙と共に流れてくるそして気づいたもの、それは自意識よりも他を意識するよりも大事なことに……それは


「少しの勇気なの?」


そう彼は言って、あの人は


「そうだ」


と言った。

それからは彼もその人とのわだかまりは収まり、後日また、話をすることになった。


うまく言えないのだけれど、 新しい世界は確かに怖い、だけど一歩踏み出して、他を意識せずに勇気を出して、進むことも大事だということを彼自身気づくのであった。


明日、また新しい世界に向かう日が来る、それまでに彼は気持ちを整え、決意新たに向かうのであった。







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