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高校時代にタイムリープした僕は、絶縁した幼馴染にただ幸せになって欲しいだけだった。  作者: ミソネタ・ドザえもん
告白をやり直す。

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決起

「打ったー」


 二年一組との準決勝は熾烈な試合展開と相成った。

 互いに点を取り合うシーソーゲームの展開の中、最終的に試合を決めたのは板野君のヒットだった。外野の頭を優に超えるその打球を見ながら、板野君は猛然とダッシュし、サヨナラランニングホームラン。

 僕達はホームベースの周りで勝利を祝いあった。


「すげえよ。一年で決勝に進んじまったぜ」


「な。板野と徳井打ちすぎ」


 殊勲打を放った板野君と一緒になって、僕も今日の活躍ぶりを称えてもらえた。

 ここまでの五試合。僕は十二打数の八安打。岡田君とのたった一度のバッティング練習で教えてもらったとにかく転がせ。これが功を奏した形だった。


「決勝の相手、決まったみたいだ」


 こちらとほぼ同時に、向こうでしていた試合の歓声が聞こえてきた。

 向こうでは、三年六組と岡田君のクラスが試合をしていた。そして、場面は岡田君のチームの守備の時間。

 マウンドで岡田君達が抱き合っているのを見て、どうやら岡田君のチームが勝ったことを僕は悟った。


「げー、岡田が相手かよ」


「え、岡田君って嫌われているの?」


 吉村君の辟易とした声に、僕は尋ねた。


「え。別に嫌われてはないと思うぞ。……ただ、アイツ本当有名人だから」


「有名人?」


「シニアでショートで四番で、テレビにも出たことあるくらいの有望株だったんだよ。なんだよ、知らなかったの?」


「知らなかった」


 そんな凄い人だったのか、彼。

 と言うか、なのに野球辞めたのか、彼。


 ……そんなに坊主、嫌だったのか。


「ぶっちゃけ、ウチの学校では三年含めて一番の実力者だろうなあ」


「そう言えば、カーブとスライダーとチェンジアップを四隅に投げ分けてた」


 考えれば、それって結構凄いことだよな。本職でもない癖にそこまで出来るだなんて、本当に彼は野球の才能がすさまじかったみたいだ。


「修也ー」


 親友の凄さに脱帽していると、こちらに駆け寄ってくる少女がいた。紗枝だ。


「紗枝、そっちはどうだったの?」


「勝った」


 紗枝達も、バスケで準決勝までコマを進めていた。

 そしてブイサインを見せていることと発言から察するに、どうやら試合に勝ったみたいだ。


「おめでとう。凄いね」


「お互い様でしょ。そっちこそおめでとう」


 僕達は健闘をたたえ合うように微笑み合った。


「……相手は、恵美達になった」


「え……」


 それじゃあ、野球もバスケも、同じクラスが決勝にコマを進めたことになるのか。しかもどちらも、一年生。


「……修也達も、決勝は岡田君達だね」


「うん」


「駄目だよ」


「何が?」


「手加減とか。練習付けてもらったからって」


「しないよ、そんなこと」


 疑ってかかる紗枝の目が、まもなく優しいものに変わった。どうやら信じてもらえたらしかった。


「試合開始は同時刻だから応援にはこれないけど……頑張ってね」


「うん。そっちもね」


「……ん」


 決勝までは少しインターバルが入ると、体育祭の実行委員から、まもなくアナウンスが入った。

 僕達はこれまでの疲れを癒すように、一旦教室へと戻ることにしたのだった。

評価、ブクマ、感想よろしくお願いします!!!

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― 新着の感想 ―
[一言] 執筆の才能が爆発しすぎてほんとに天才です。悪者として出てきたキャラを悪者で終わらせたりせず、その後も登場させたり話のテンポがすごく良くてほんとに面白いです。これからも楽しみにしてます
[一言]  センスあるショートなんて我がチームに最も必要なのでは。  岡田君!是非ハ○の☆にならないか!?
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