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後天的貞操逆転世界の異端者  作者: 水島紗鳥@今どきギャルニコニコ漫画月間お気に入りランキング1位
第2章

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第46話 体じゃなくて中身の話しだぞ

 しばらく恋バナを続けながら制限時間になるまでスイーツバイキングを続けた俺達は店の外のベンチに座って休憩していた。誰もベンチから動けないほど満腹になっている。

 その理由は言うまでもなく玲奈が店に入って早々後先考えずに取ってきたスイーツが大量に残りそうになったせいだ。

 残しが多過ぎると追加料金が発生するため俺と叶瀬、雨宮先生は玲奈が取ってきた分を手分けして全力で食べるはめになった。その結果がベンチから一歩も動けなくなっている今の惨状というわけだ。


「もうお腹いっぱいです、これ以上は何も食べらません」


「摂取カロリーがえぐい事になっていそうで怖いんだが」


「玲奈って昔から本当成長してないよな」


「えっ、めちゃくちゃ成長してるじゃん。胸も大きくなったし身長だって潤と変わらないくらいまで伸びたんだから」


「体じゃなくて中身の話しだぞ」


 俺は玲奈に対してそう毒を吐いた。玲奈の取ってきたスイーツを食べ残しを防ぐためにかなり無理をして食べたのだ、文句の一つくらい言いたくなる。貞操逆転してから前よりも能天気さが増した気がするし普通に将来が心配だ。

 でも全員制限時間内に完食するのに必死になって恋バナどころではなくなった事だけは感謝している。根掘り葉掘り聞こうとしてきて怠かったし。

 そんな事を考えながらベンチで大人しくしていた俺達だったが時間が経ってようやく体がマシになってきた。ただしまだお腹にだいぶ残っているため晩御飯は軽めで良いレベルだ。


「ところでこの後はどうします? まだ解散には少し早い時間かなと思いますけど」


「それなら皆んなでカラオケに行かない? 確かこのショッピングモールのすぐそばにあったよね」


「ありますね、じゃあそこに行きましょう」


「カラオケか、そう言えば大学を卒業してから一回も行ってないぞ」


「盛り上がってるところ悪いんだが女子とカラオケって男子的にはかなり身の危険を感じるイベントなんだけど」


 完全に乗り気な様子の三人に対して俺はそう答えた。今の世の中では密室のカラオケルームは女子と行くのは危険な場所と言っても過言ではない。実際に貞操逆転前と同じような感覚でカラオケに行って被害を受けた男性は数知れないのだ。


「ちょっと、まさか潤は私達がそんなはしたない女だと思ってるわけ?」


「そうですよ、玲奈先輩と雨宮先生ならともかく私は大丈夫です」


「おい、さらっと私の事はを危険人物認定するな」


「やっぱり華菜ちゃんは性悪で邪悪な後輩だったんだね」


 玲奈と叶瀬、雨宮先生は口々にそう述べた。まあ、いくらこの三人でも流石に俺に手を出してきたりはしないだろう。

 玲奈はお馬鹿キャラだがその辺りの常識はあるし、叶瀬は何だかんだでしっかりしてるし、雨宮先生は教師という立場を捨ててまで手を出してくるとは思えない。


「冗談だ、カラオケくらいは付き合ってやるよ」


「やったー、じゃあ早速行こうか」


「玲奈先輩って本当に人生が楽しそうですね」


「ああ、悩みなんて何もなさそうだし羨ましい限りだ」


 無邪気にはしゃぐ玲奈の姿を見て叶瀬と雨宮先生はそうつぶやいた。それには俺も同意だ。果たして玲奈に悩みなんてあるのだろうか。


「ところでカラオケの時間はどうします?」


「とりあえず二時間くらいでいいんじゃないか? 学生時代友達とカラオケに行った時は大体そのくらいだったし」


「足りなかったら時間の延長も出来ますし、玲奈と叶瀬が問題ないならそうしましょう」


「私は大丈夫」


「私も問題ありません」


 そんな話をしながら移動する訳だがすれ違う一部の男性からやっかみの視線を向けられている事に気付く。その原因は間違いなく俺の隣にいる三人だ。

 一緒に過ごしていると忘れかけるが玲奈も叶瀬も雨宮先生も凄まじく美人だ。それに対して俺はザ平凡といった見た目をしているため釣り合いが取れていない。

 つまり今の俺は貞操逆転前で言う地味な女子がイケメンを引き連れているように見られているはずだ。それを見て面白くないと感じる奴がいても何もおかしくはないだろう。

 ちなみにもし貞操逆転していない世界で美女を三人も連れて歩いていたら妬みの視線はこんなものでは済まないに違いない。

 多分視線だけで軽く百回くらいは殺されているはずだ。まあ、貞操逆転していなかったらそもそもこの三人をはべらせてはいなかっただろうが。


「運が良いのか悪いのかさっぱり分からないな」


「先輩、今何か言いました?」


「いや、ただの独り言だから気にするな」


 俺のつぶやきが中途半端に聞こえたらしい叶瀬に対してそう答えた。多分ちゃんと聞こえていたとしても意味は理解出来なかったと思う。何の脈絡もなくそうつぶやいたわけだし。

【読者の皆様へ】


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