エピローグ、人魚の国の女王様と王配
ラスト‼︎
まぁ、そんなこんなでヒロインwith攻略対象達は国外追放され……無事にレジーナは女王になりましたとさ☆
で。
あの日から二年ほど経っていて、俺はこの国でレジーナの補佐的な仕事をしている。
「はぁ〜…暇ぁ〜……」
レジーナは髪をクルクルしながら、文句を言う。
俺は溜息を吐いて、ジト目で見た。
「なら手伝えよ。次の会議の資料に目を通すの、本当は二人の仕事なんだぞ?」
「いやん‼︎」
「……………」
俺は再び溜息を吐いて、スタスタとレジーナに近づく。
そして、彼女の晒された素足にそっと手を這わせる。
「んっ‼︎」
「なら、俺と違うお仕事でもするか?愛しいハニー?」
「っっっ‼︎」
耳元で、甘い声で囁けば彼女は顔を真っ赤にして睨んでくる。
いつもならここでギブアップするだが、今日の彼女はちょっと強気だったらしい。
「いいよ?可愛ーくおねだりしてくれたら、私をあげる」
「………………」
顔を真っ赤にして、目を潤ませながら両手を広げたレジーナ。
…………俺は額を手で押さえた。
「……………お前、とうとう聞いたな?」
ピクリッと彼女の身体が震える。
返事はしないがその反応が答えだった。
「………どうして話してくれなかったの。カイトばっかり文句言われるのはおかしいでしょ」
「仕方ないだろ。お前は女王陛下でこの国で一番偉いヤツだ。文句なんて言えないだろ」
「だからってカイトばっかりプレッシャーかけられるのはおかしいよ‼︎私とカイトは夫婦だもん‼︎なら、私にも問題あるもん‼︎」
さて。
先程、俺はレジーナの補佐的な仕事をしていると言ったが……正確には、王配である。
つまり、レジーナの夫だ。
まぁ、結婚したんだから当たり前だな。
公務を手伝うのは勿論だが、俺達にとって最も重要な仕事とされているのは……〝子作り〟だった。
だが、まだ二年経ってもレジーナは妊娠していない。
一応、三年経っても妊娠しなかったらレジーナに他の男をあてがうことも覚悟しておけ……的なことを貴族達に言われたけど、まぁ余り気にしていない。
だって、ワザと妊娠しないようにさせてたし。
「………カイト……」
「安心しろよ。ちゃんと妊娠するから」
不安げなレジーナの頭を撫でて、俺は微笑む。
いや、こんな顔させるつもりはなかったけど、マジごめん。
暫くレジーナを独占したくて、避妊してたんだわ。
でも、他の男を差し向けられたら困るから……真面目に子作りしますかね。
「大丈夫だって。愛は世界を救うって、よく言うだろ?」
「いや、知らないよ?」
「俺のいた世界ではよく言うの」
多分。
レジーナは俺の言葉に苦笑しつつも、キスをしてくる。
そして、耳元で優しく囁いた。
「じゃあ、君の愛で私を救ってね?信じてるよ、ダーリン」
「おう、任せろ」
自分で言っといてなんですが、ちょっと恥ずかしかったです。
こうして、一年後には無事に王子が生まれたり。
他の大陸の魔王と会ったり、隣の大陸の聖女……かと思ったら、聖母とその伴侶とか言うよく分からない人と友人になったりするんだが……。
それはまた、機会があったら話そうと思う。




