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ワンコイン・メサイア~シューティングゲーマー、異世界の救世主となる~  作者: あけちともあき
ドラゴンソウル

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第42話 最終ステージ 竜都

 竜都はこの世界、ドラコニアの首都である。

 世界の基盤となった、偉大なるグレートドラゴンの亡骸の上に建てられたと言われている。


 この地にて人々は日々、グレートドラゴンに祈りを捧げる。

 祈りが世界を巡り、ドラコニアを構成する因子となる。

 因子がドラゴンを生かし、ドラゴンは人を守る。


 その循環がドラコニアであった。


 閉じた円環に降り立ち、世界を食らい尽くさんととする者がいた。

 星を渡る魔龍、ネビュラゴールドである。


 黄金に輝く恐るべき竜は、たちまちのうちに竜都を征服した。


 世界へと撒かれるはずの因子は、全てネビュラゴールドの糧となる。

 世界は荒み、竜は力を失い、そこへ魔龍の眷属たちが広がっていく。


 全ての目的は、世界を食らいつくし、次なる旅立ちの糧とするため……。


『だと言うのにだ!』


 竜都の空に、ネビュラゴールドは舞い上がった。

 黄金のシルエットであったその姿が、光を放ちながらついに明らかになる。


 それは三つの首を持つ黄金の竜であった。

 圧倒的な大きさ。


 この世界にいる、どんなドラゴンよりも大きい。

 ネビュラゴールドは憎々しげに、彼方を睨みつけた。


『ダークドラゴンがやられたか!? 私の因子をくすねるのを無視してやったというのに! 役立たずめ!!』


 星渡りの魔龍は高らかに吠えた。


『残る眷属よ、現われよ!! 私の旅立ちを邪魔する憎きやつめを滅ぼすのだ!!』


 竜都の空が割れる。

 かつてネビュラゴールドがこの世界に来たときも、世界の壁を割って出現したのだ。

 ドラコニアとは閉じた世界。


 この世界の気配を感じ取り、食い尽くさんとして現れたのがネビュラゴールドだったのである。

 外の世界から侵入してきたのは、魔龍が纏っていた星々を渡る力の残滓。

 これに意志を与え、眷属とする。


 黄金の小さな飛竜が無数に溢れ出した。

 飛竜の幾つかは合わさり、大きな竜となる。


 どれもが口から稲妻のブレスを吐き、飛翔する。

 標的は、不毛の大地を制覇し、竜都を目掛けて襲い来る憎き敵……守りの竜。


 どういう原理か、生き残った氷竜を眷属とし、ぐるぐる回しながら快進撃を続ける。


『仕留めろ! 仕留めろーっ!! このままでは私が旅立つための力すら足りなくなる!! これ以上の攻撃を許してはならん! 私が楽しみながらやっていた侵略を邪魔しやがって!! 何の権利があってこんなことをするのだ!!』


 自身が理不尽の塊であるネビュラゴールドは、己に降り掛かった理不尽にただただ怒り狂うのだった。



 ※



『来た来た』


『へえ、あれがネビュラゴールドの眷属? キラキラ光ってるなあ』


『雷のブレスはちょっと軌道が不規則だから、肉薄すると危ない。だけど距離を取って弾幕で圧倒するととてもイージーなんだ』


『詳しい~! まるで何度も戦ってきたかのようだ』


『何度も戦ってるんだけどね』


 空を埋め尽くさんばかりの黄金の竜たち。

 その光景だけで、相手を圧倒しそうなものだが……。


『氷竜行くぞ! ブレス発射!』


『おー! おりゃー!』


 氷のブレスが撒き散らされる。

 守りの竜からは、長く長く伸びた炎のブレス。


 氷のブレスとは被らないように、的確に黄金の龍を穿つ。


『原作よりも多いなー。これってつまり、原作はこっちを舐めてて、今回は全力で叩き潰しに来たってことか。いやー、やりがいがあって嬉しい』


『なんで喜んでるんだ!? すごい数だけど……嘘だろ、どんどん消えてく』


 金の竜たちは、『ウグワーッ!!』と叫びながら破壊されていく。

 結晶の入れ食いである。


『あればあるだけ有利になるぞ。倒せ倒せ、一匹も逃がすな!』


『守りの竜こえー』


 叢雲の如く襲いかかる眷属たちを、ぐるぐる回転しながら撃ち落とす。

 ここで守りの竜が選択したブレスは、棒状に長く長く伸びる炎のブレスだ。

 つまり、眷属の群れを貫通してどこまでも届く。


 相手が密集しているほど有利なのだ。

 ほんの数分で、眷属の群れがあらかた掃討された。


 遠くからネビュラゴールドの、凄まじい咆哮が轟いている。


『怒ってる怒ってる!!』


 流石に怖い氷竜なのだが……。

 守りの竜は堂々とUターンした。


『うわーっ!! 背中見せるのか!? 大丈夫!? 大丈夫!?』


『今からね、最後のパワーアップをするから。これがもう選択肢が多くて楽しくてね……』


『あんたすげえ度胸だな!?』


『焦っても始まらないからね。きちんと準備をして決戦に挑む。まあ原作だとここで残っている時間は三十秒くらいだから割と急がないといけないんだけど……』


『近づいてくる! でかいのが近づいてくる! 金色で首が三つあって翼があって……守りの竜のデカくてキラキラしたやつみたいな!』


『連射マックス、スピードマックス。以上! 終了! 思ったよりも余裕があったな』


「遊、落ち着いてますね……! 私もさすがに、あれを見ると怖くなってきました」


『大丈夫大丈夫』


 守りの竜は、竜の巫女に鼻先を近づけた。


『大きいということは、どこにでも弾が当たるってことなんだから』


 そう告げて、飛び立つ。

 いよいよ、ドラゴンソウル最後の戦いである。

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
>『大きいということは、どこにでも弾が当たるってことなんだから』 極めた者のみが到れるシンプルな見解ですねぇ……
>大きいということは、どこにでも弾が当たるってことなんだから 当たり判定全身か!油断がすぎるぞ魔竜!
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