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連絡

『すみませんが明日の十一時、時間が御座いましたら付き合って頂きませんか』


 この一文がスマホに表示されていた。

 送り主は、


『内田 凛』


 そう表示されていた。

 唐突だな。

 何か明日じゃないといけない理由でもあるのか?まぁいいか、明日は特に用事もないし。

 そういう旨の返事しとくか。


『いいですよ。何処に集合しましょうか?』


 送信。

 簡素だけど、こんなものかな?帰った頃には返事来てい……。


 ピロンッ!


 帰った頃じゃなくて今来たわ。

 早いな返事。返信来るまでずっとスマホ見てたのかな?

 ……それは置いといて、


『学園近くの駅ではどうでしょうか。内容はその日に言います』


 ……まぁ、了解です的な事を返しておくか。

 明日の九時か、いつも通りに起きれば全然間に合うな。

 今日は帰ったら勉強をするくらいにして、寝ておこう。


 返事をして、その日は帰路に着いた。


 こんなに早くに帰るのは久しぶりだ。学園に入ってからというもの、訓練の毎日だった。

 気付けばそんな毎日が日常的になっていた。

 中学時代なら考えられない毎日ばかりだ。

 イジメられていた頃には、校舎の裏に連れて行かれイジメている奴らが満足するまで帰させてもらえなかった。

 今ではそんな事は無い。

 寧ろ周りは引いているくらいだ。僕が望んだ事では無いが……


 でもそんな事は今では無い。

 頼れる友達もいる。勉強を教えてくれる人もいる。

 充実していると言えばしている。この生活が続けば良いとさえ思える程だ。

 そんな生活が続いてほしい……そう思ってしまうのは傲慢だからだろうか。


「……」


 帰り道、寮を通り過ぎてコンビニへと入る。

 弁当と飲み物、後は菓子や夜食を買って寮の部屋に帰る。

 夕日が傾きもうすぐ夜がやってくる時間。いつもならまだ、訓練所で訓練している時間だろう。

 体が疼く気持ちがあるが、我慢して部屋で勉強する。


 その後は、何事も無く過ごしベットに横になり就寝する。





 同時刻


「……はい……はい……了解」


 誰かに連絡を行う。

 闇夜に静かに、しかし正確に情報を連絡する。

 いつも通りに……

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