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知らせ

 今日は夏休み前日。

 六月も終わり、七月に入ってセミがうるさい程鳴き出す。

 この島にもセミがいるというのを実感した。

 そんなものではこの学園は止まらない。外での訓練だって日常的にある。室内での勉強も普通の高校と同じだ。


 この日常が過ぎていき、夏休みに入ろうとする。


(暑ぃ〜……)


 三十度を軽く超え四十度になろうとしている程の暑さである。

 それでも誰も止まろうとはしない。誰も訓練を止めようとはしない。

 勉強の方は、アレだね、休憩も兼ねてしている人が多いだろう。

 僕も和田との訓練の合間や昼休みに勉強をする事が多い。

 夏休みに入れば学園の時間に追われるという事は一時的に無くなる。采配は自分で決める事が出来る。


「え〜…明日から学園も夏休みに入る。夏休みに入るに当たって、色々と規則が出来る。」


 先生曰く、


 夜十時以降の寮の外出を禁ずる。

 海に出る事を禁ずる。


 主に増える規則はこの二つだ。

 それ以外は特に変わりなく、訓練所は夜深くまでは滞在するのは禁止だし、学園の図書室は夕方五時には出ていかなければならない。


「 ……以上が主な禁止事項だ。守らないと、まぁ、恐ろしい事が起きるとだけ言っておく」


 何か夏休み前に小学生に言うセリフみたいだな。

 そんな注意事項を聞いて、その日は解散となった。後は各々訓練や勉強に励みに行った。


 教室を後にした僕は、訓練所へと向かった。

 訓練所の個室に入ると、先に来ていた和田が準備体操をしていた。

 連絡貰って訓練所に来たが、何をするのだろう?


「お、来たか」


「お〜、今日は何するんだ?」


「今日は別に何かしようという訳じゃないんだ」


「じゃあどうしたんだ?」


「ここに呼んだのはヨルに知らせておこうと思ってな」


 何か深刻な事なのか。

 僕にだけ聞こえるように近づき小声で話す。


「学園の上位クラスの生徒が何人か行方不明になっている」


「!?」


「コレはAクラスでも知る者はいなく、極一部しか知る者はいない。生徒会も動いている。気をつけろ」


「……分かった。情報有難う」


 情報を言うと側を離れる。訓練所は監視カメラは付いていない。能力や実力が外部に漏れるのを防ぐ為に。


「要件はそれだけだ。じゃあ気をつけろよ」


 そう言うと和田は個室から出て行く。

 和田から聞いた事を考え込む。ウ~ン、難しいな。

 見たところFクラスには行方不明者はいない。もしかしたら弱過ぎて対象外なのかもしれない。

 それなら、僕は気を付けないといけない。


 そんな事を考えていると、スマホががバイブする。


(誰からだ?)


 スマホに表示されていたのは……

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