帰り道
部屋の外へ出ると、先生が立っていた。寝ながら……
どうやってやっているんだ?器用だな。
「先生ー。終わりましたよー」
「……zzz」
起きないか……
叩き起こすか。
拳を握りしめ、拳全体に魔力を込めて、先生に向けて撃ち出す。
僕の撃ち出した拳は、先生にぶつかる前に寸止めした。
「……ふわぁ~……」
「起きてたなら直ぐに起きてくださいよ」
「……終わったのか?」
「終わったので帰りますよ」
そう言い来た道を帰って行く。その道中、
「学園長と何話してたんだ?」
「……秘密です」
「何だよ〜……そんなにヤバい事話してたのか?」
「そういう先生こそ、僕と学園長が話してた事、事前に聞かされていなかったんですか?」
「……極秘って事で聞かされなかったんだよ」
「そうなんですか」
「……まぁ、大体予想着くがな~」
そうでしょうね。昨日の事を見ていれば誰だって大方の予想は着く。
「……所でこの道、近道とかないんですか?」
「無い。大人しく歩け、俺だってダルい」
……
この後、僕と先生は一言も話す事無く数十分、歩いて帰った。
帰った頃には、授業は始まっており、後から来た僕はその授業途中からだったので何が何の事だか分からなかった。
後で誰かに聞かないと……教えてくれる人いるかな……
藍沢さんなら教えてくれるかな?
キーンコーンカーンコーン
鐘の音が鳴り響き授業が終わる。
「藍ざ……」
「ヨルさん、さっきのところ教えましょうか?」
「え?」
……誰?




