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練大祭5

 Bクラスの課題、それは、


 闘技


 生徒が一対一で戦い、一人の勝者が決まるまで戦う。

 勝者はAクラスに昇格するというおまけ付きで。それの所為か、Bクラスの生徒はやる気に満ちている様に見える。

 お、和田いた。


 見て分かる。和田は目の前の事に集中している為、落ち着いている。


 だが、他の生徒は違うみたいだ。焦り、緊張が見られる。

 それが普通なのだろう。他には無い、破格の待遇。練大祭は一年に一回。

 これを逃せばAクラスに上がる機会はまた来年まで来る事は無い。それに学園は四年で卒業する。


 つまり、機会は今年を入れて三回。最後の年は練大祭はあるだろうが、昇格の機会は無いだろう。

 卒業前に昇格しても意味無いからね。


 これが最初の一回目。


「『それでは、Bクラスの闘技を始めます』」


 一回戦目

 和田誠一郎 対 大井律


「ふっ、Aクラスから落ちたお前に勝って俺h……」


 会場内にドンッ!!という音が響いた。

 勝負は一瞬の内に決着した。そもそも元々Aクラスにいた和田に勝てる訳が無い。


 勝者は和田。


 それからも和田は勝ち続けた。

 二回戦目


 三回戦目


 四回戦目


 と勝ち抜いて決勝、


「ここまで勝ち抜いたんだ。貴方を倒して私は、……!」


 言い切る前に、瞬殺されている。


「悪いな。俺はお前じゃ止められない」


 例え相手が自分よりも実力が低くても侮らない。最初から全力で相手をする。そして……


 毎回、和田は数秒の間に相手を倒している。僕との戦いで得られるものがあったのか。

 相手に敬意を払い、対峙する。そして倒す。


 それがものの数秒。

 相手が手も足も出す間もなく和田によって倒される。


 優勝しAクラスへと昇格したのは、和田だった。



 58話

 そして、遂に僕達C〜Fクラスの番になった。

 何故かC〜Fは纏められている。下位のクラスは全て同じだと思っているのか、課題も全て同じものになっている。


 観覧席の方を見ると、既に殆どお偉いさんは帰っている。

 政治関係者はAクラスが帰還してから暫くして、席を立っているのが見えた。

 もはやAクラス以下には興味も何も無いのだろう。


(僕達下の者には見る価値無しか……)


 今残っているのは、ヒ〜、フ〜、ミ〜、……三人……か。

 少ないな〜。

 そんなに見る価値無いか〜?

 Cクラスとかもしかしたら状況と環境次第で化けるかもしれないぞ?


 可能性はゼロでは無い。


 EとFは期待も興味も無いのは分かる。分かっている。

 強者以外は要らないということに。中学時代によく学びましたとも、痛い程に。

 弱者は虐げられる定め、……そんな事知るか!


 人間誰しも生きているのなら、得手不得手はある。

 誰しも生まれてきても良かったと思える程の実感と感想を憶えていないのはおかしいじゃないか。


 ……まぁ、最後のは個人が思う事だから全員が全員同じという事は無いが。

 この世の理不尽、不条理、そんなものが五万とある。それが知っている。

 だがそれは、乗り越えられるモノの事だ。

 乗り越えられないモノは、それこそ理不尽じゃないか。


 そんな運命、ぶっ壊れてしまえ。



 ドクンッ



 鼓動が大きく高鳴った感覚。まるで、僕の、いや、俺の心がそうシロと命じた様にも感じる。

 ……そんな訳が無い。僕は物語の主人公でも、裏で暗躍している魔王でも無い。

 僕はただ一生懸命前だけ見つめて生きているだけだ。


 だから今、目の前の事を見つめるだけ。


 C〜Fクラスの課題それは、組手。


 Cクラスの人数は約三十人。

 Dクラスは一〜三まであり、それぞれ約四十人ずつ

 Eクラスは一〜二まであり、それぞれ約二十人ずつ

 Fクラスの人数は約二十人。


 それぞれバラつきはあるが、Dクラスが一番人数もクラスが多く、Fクラスはクラス、人数共に一番少ない。

 Fクラスは実力も勉学も学園に入るのにギリギリ及第点という者の集まりらしい。

 詳しく聞いた訳じゃ無いが、能力が広く扱える者がいなく、勉学は一般くらいだという言う話らしい。コレも和田情報。


 課題はそれぞれ二人一組での組手。

 必然的にDクラスの生徒ととの組む生徒が多くなるだろう。というかそうなる。生徒数の問題で。


 さて、僕の相手はっと……


「……なるほど」

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