練大祭4
AクラスとBクラスには、C〜Fクラスに真似する事なんて出来ない。
それこそ圧倒的な差がある。才能。
こればかりは努力しても埋められない程の才能の差。恵まれて生まれた者には才能が、恵まれなかった者には凡才が与えられている。
まさに、この世の理不尽。
能力は使い次第と環境、相性によっては有利不利にもなるが、才能はその次第では無い。
才能次第で普通では難しい事が、その人にとって簡単になる。
才能次第で厳しい場面が緩い場面になる。
才能次第で貧しい事が豊かになる。
……
「……よし、これで課題達成だな。暑いしさっさと帰るか」
マグマ付近
課題「活火山のマグマの採取」達成
「やっと見つけられましたね。自生している場所さえ見つければ簡単でしたね。これで達成」
和歌山県
課題「山荷葉の採取」達成
「……見つけた」
海中
課題「珊瑚の採取」達成
「お、見つけて来たか」
「グァ〜……」
「なら帰るか」
宮崎県
課題「双晶の採取」達成
……
現に、Fクラスの皆にはかなり厳しい場面、状況にも簡単にこなしていっている。
海や火山という、困難な場所からの採取&帰還を果たしている。
採取してきたのは様々ある。採取してきたのは、活火山のマグマ、翡翠、双晶、珊瑚に山荷葉、ウケユリ等々。
日本でも珍しく、研究に使われる素材達が課題に選ばれている。
特に山荷葉、近年、魔力との親和性がある事が分かり、どこでどんな風に使われるかサンプルとして研究されている。
話は変わるが、これらを採取するに当たって能力がどんなものなのか何となく分かった。
氷城さんは分かっているから除外して、他が重要だ。
先ず一人目、海に向かった生徒の能力。空間系だろう。
海を四角に寄せ付けないという風に見えたところから結界を張っている様にも見えた。そこから【空間系魔術】の結界を使っていたのだろう。
それから簡単に纏めると、空間系、斬撃系、変身系、光系、死霊系、錬金術系、自然系、重力系、風系の計九つ。それに氷城さんの空気。
(流石Aクラス、魔術の基本属性五つの内二つしか能力として扱っている者はいない。それ以外は世界の理に干渉している)
それに加えて、底知れない体力に魔力量。たった数時間程度で行って戻って来た。
僕が見て分かった範囲でこれなら他の生徒はどんな能力を持っているのか……
興味を惹かせるな……!
そして考察している間に、最後の生徒が帰還しAクラスの課題は終わった。
皆余裕綽々という顔で帰って来た。
お偉いさんも満足する様な結果だったのか、拍手する者もいた。ホール中に響き渡る。
次はBクラス……




