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前日

 あれから暫くした頃、和田の言う通り練大祭の事を先生から聞かされた。

 先生曰く、


「練大祭は、日本政府、軍事、企業のお偉いさん等々が見に来る。今年の生徒の能力、知力、適応力、実践力、精神力、そして単純な実力。それを様々な課題を通して魅せる。」


 とのことだ。

 この練大祭、学園側がメインで観たいのはA〜Cクラスだろう。

 D〜Fクラスはあくまでもおまけ、もしくは、何かいるくらいの認識なんだと思う。

 所詮この世は弱肉強食。強きは待遇され弱きは冷遇される。

 能力至上主義の世界は、それが普通。


「……嫌な世界だなー……」


 小言を呟く。こんな世界には嫌気がさす。

 ホントに……


「ぉ〜い、お~い、聞いているか」


「ん……?」


 先生が何か言っている気がして向くと、僕にクラス中の視線が集まっていた。


「あ、僕ですか?」


「そ〜だぞ〜。ちゃんと聞いてたか〜?」


「あ、はい。練大祭の事ですよね」


「……そうだ。聞いているならいいか。練大祭の課題は当日に発表される。それまでは準備でもしていてくれ」


 これでホームルームは終わった。


 それからは、いつも通りの日常が進んでいった。

 何時も通りの授業、何時も通りの訓練、そんな毎日が過ぎていく。

 気付けば時は過ぎ六月の下旬へとなっていた。


 その間も訓練は欠かす事なく、僕の槍術は和田の剣術と普通に渡り合えるようになっていた。

 最初は感覚と勘で振り回していただけだが、和田の能力指南の元、ちゃんとした型へと昇華した。


 型へと昇華した事によって、動きの格段に良くなった。

 槍の持ち方なんかも矯正され、なんちゃって槍術が、


「【黄昏流槍術】」


 +


「【黄昏流魔槍術】」


 二つの技の型へと昇華した。

 槍術のついでにエンチャントのやり方なんかの魔術も数種類も教えてもらった。

 それに加え、俺自身の動きや考えを当てはめ、オリジナルを加える事によって和田にも知られていない独特な動き・技・癖になった。


 俺の槍術


「【■■流槍術】」


 攻撃の手段が短剣に次いで、多彩になった。

 それにより、俺の実力も格段に上がった。今なら氷城さんにもまともに挑める……かな?


 Aクラスの実力はまだ未知数だ。今天狗になるのは命取りか……


 その実力が見れる機会がもうすぐ来る。

 練大祭……楽しみだな。

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