決闘7
脳震盪も治まった。ダメージも見た目以上に大したモノじゃない。
戦いもまだ終わっていない。まだまだこれからだ!
「さぁ、仕切り直そうか……」
ツー……
頭から血が垂れてくる。さっきので切れたか。
姿勢を低くして、脚に魔力を集中……筋肉を限界まで凝縮……
「【疑似身体強化 脚】!」
本来の身体強化は、全身を魔力で覆い身体能力を上げる。魔力量で上がる身体能力は左右されるが、俺に魔術を使う機会も無く、理解もそこまである訳では無いので疑似身体強化なのである。
それに今、全身を覆いう程の魔力を使うのは得策では無い。
魔力切れを起こせば全身が鉛の様に重くなる。
そんな状況になれば負けが濃厚になる。スピードという武器を失えば、攻撃をする機会が無くなってしまう。
だから、
部分的に強化して、魔力消費を最低限にする。
「!」
脚を強化して、一瞬の内に近づいた事に驚いたのか一瞬硬直する。
そんな隙があれば俺でも叩き込める!
持っている短剣で連撃に連撃を叩き込む。それに加えて、
カンッ!!
蹴りで和田が持っていた槍を蹴り上げる。痛って!?堅ったいなこの槍!
でも、これで隙が出来た!この隙を逃さない。
だが、その前に……
シュッ、
手放したモノがあるなら、俺のモノにしたって良いよな!!
短剣を仕舞いジャンプし、空中に放り投げられた槍を掴み取る。
短剣も良かったと思ってたけど、槍もしっくりくる。
回したり手に馴染めせたりしているけど、良いなコレ。自然と手に馴染むというか、今度長物も練習するか。
「武器奪いとはな。手癖が悪いな……以外だな」
「そうか?使えるモノは全部使う。それが俺だぞ」
「それなら武器全て使う気で持って来ればいいだろ?」
「人誰しも得手不得手があるだろ?それに武器全ては単純に邪魔だ」
「そこは技術や能力でカバーしたらいいだろ。まさか、能力が使えない、なんて言わないよな」
「……」
「……まさか、図星か?」
「……」
「能力無しでここまで俺の能力(技術)に着いてくるとは……お前、何者なんだ?」




