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決闘3

 能力の攻略は出来ない……というかそこは意識しなくても良いと思う。

 和田の能力は術に対するものだ。攻略=勝ちを意味する。

 つまり、和田に勝つ為には術を破らないと……


(勝つ為には……か)


 バレない為に、あれやこれやしていた筈なのに今は勝とうとする。

 別に負けてたら直ぐに終わる筈だ。だけど、僕は和田に勝とうとしている。

 何故だ?

 あの時だってそうだ。実力を隠す理由の時も分からずにいる。今も同じだ。どうして負けても良い筈の戦いに勝とうとしている?


 ……


 今は戦いに集中しよう。

 そう思い和田の一挙手一投足に目を凝らし、集中する。


「考え事は終わったか?」


 バレてるか。分かった上で待っていてくれていたのか。


「すまんな。今終わったところだ。これからはこっち(戦い)に集中するよ」


「そうか。……ふっ!!」


 まただ。しかし、今度は一文字斬り。

 瞬きの間に近づいてくるこれは、……縮地!?そんな事もしてくるのか!!


 さっきと同様短剣で横からくる攻撃を防ぐ。

 先程は二本で防いで反撃をする事が出来なかったが今回防いだのは一本!追撃が出来る!


 受け止めると同時に短剣を横に薙ぐ。


 だが、


「……」


 和田は難なくそれを躱してみせた。

 やはり普通に出したくらいの攻撃は躱されるか……だったら、普通じゃない攻撃を繰り出せば良い。


 腰に刺していたナイフを取り出し、和田に向けて投げる。

 それと同時に僕が出せるトップスピードで和田に接近する。


「……」と


 和田は同様する事無く、刀でいなす。

 そして僕の事も見えて直ぐにコチラに向かって来た。


「くっ……!?」


 流石に策略が簡単過ぎたか。これくらいの目眩ましなんて何とも無いか……


「……こんなのが作戦とは言わないよな」


「当然だろ、これは小手試しだよ」


「それにしては簡単だがな」


「……」


 それはそうだろう。今簡単に思いついたものだし、一子相伝の技を前に立ち向かえる訳ないか。


「前振りはこれくらいにして、そろそろ本気で行くぞ」


 和田がそう言った瞬間、空気が変わった。さっきまでの緊張感はまだある。だが、背筋が凍りつく様な異様な空気……

 刀を透明な鞘に収める。


「ふーっ、……」


 息を吐く音が聞こえた瞬間、









「【黄昏流抜刀術 八咫烏】」



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