決闘2
構えて、対面してからこそ分かる。
コイツ、絶対Aクラスでも上から数えた方が早いくらいだ。
氷城さんと戦った時と同じだ。同じ圧。それを和田から感じられる。
あの時と同等くらいの威圧感。
(強いな)
それと気になる事がある。アイツが持っている刀。
僕の目からは、突然腰の辺りから透明な鞘から抜いた用に見えた。
何かしらの能力なのだろうが、……分からない。
対峙して早々だが、獲物があるが勝てるかどうか怪しいな……
氷城さんの時は運良く地震が起きて運良く関節技をきめる事が出来た。
だが、和田はそう簡単にはいかないだろう。この前みたいには運良く何か起きて隙をつけるなんて事はない。
というか、そんなにそんな事が起きたらなんか気味悪い。
そもそも、和田はそうなったとしても技術でどうにかしてそうな感じがする。
僕の額に汗が湧き出す。
「……ふぅ~」
一息つき、短剣二本を構える。
「ふっ」
「!?」
瞬きの一瞬、一呼吸おいたら和田は僕の目の前まで迫って来ていた。
縦一閃。
それをなんとか短剣二本で受け止める事が出来た。
「くっ……!!」
数秒の鍔迫り合いし、跳ね返す。バックステップで距離を取る。
今の一撃だけでも体力をかなり消耗した。
そう何度も耐えられるものではない。どうにかして避けなければ……
(そこは、僕の技術次第か)
再び短剣を構える。隙は見せてはならない。見せれば即座にでも一撃貰って気を失うだろう。
「よく防いだな、今の一撃。普通なら今の一撃で気を失うんだが……」
「偶々ですよ……」
「……どうだか。お前は氷城を倒した奴だ。今くらいなら見えていると思うんだが」
今くらいって、これで全力じゃねーのかよ!?……化け物だな。
これでAクラスのトップじゃないのならトップってどんな実力しているんだよ。
「そっちこそ、今のはとても一生徒の攻撃には思えないんだが?」
「そうだな、普通の生徒なら俺の様な力は余程恵まれていない限り得られるものではないだろう」
「だったら……」
「和田家は代々受け継がれてきた術を修める一家だ。この際言うが、それが俺の能力だ」
術と言っても様々ある。
剣術、槍術、短剣術、弓術、鞭術、等々、今ならそれに加え魔術がそれに当てはまるだろう。
それをどれだけの数操れるのか、未知数だ。
それに、さっき言っていた能力。
推察するに、あらゆる術を操れるという事だろう。例えば剣術。
一括りに剣術と言っても様々ある。抜刀術、短剣術、長剣術等々色んな術と戦略が生まれる。
それだけの応用力と汎用性がある。というか多すぎる。
極めれば極める程に新たに戦術を得られるのだろう。それにより、近距離、中距離、遠距離どこからでも相手に攻撃を与えられる。
加えて、さっき言っていた『受け継がれてきた』という言葉。
おそらく和田家は由緒正しいお家柄なのだろう。さぞかし良い経験や術を教わってきたのだろう。
更に和田誠一郎自身の能力がそれを底上げするはず。
さて、どうするか……




