放課後
午後の授業、実技訓練も終わり寮や家へと帰る生徒が多いのが普通の高校なのだろうが、トレーニングや研究に没頭する生徒が多いのが普通との違いだろう。
能力の強化、成長を目的として能力者達は日々特訓に没頭している。
能力は日々僅かに変化する。それは身長が0.1センチ伸びる程度の変化だが確実に変化は個人差があるもののする。
それは僕も例外では無い。
僕の能力は微量ながらも成長している……筈だ……多分……
総力戦が終わってから、いや、学園に入る前から日課のトレーニングをする。
目を瞑り、瞑想
自信の魔力の巡りを感じ、循環させる。
そして、能力を発動させる。
体の内にある魔力が減っていく感覚がある。だから能力は確実に発動出来ている。
だが、自分の周りや自分自身の体に何かあるわけでもない。
本当に謎な能力だ。
何分、何時間とそれを続ける。
それでも魔力が底を尽きたことは無い。僕の魔力は人より多いのか幾ら使おうが魔力切れを起こしたことは今の一度も無い。
前にどれだけ保つのか試した事があるが夜初めた訓練が朝日が昇ろうと途切れることはなかった。
おかげで寝不足で学校に行く羽目になったが……
兎に角、僕の魔力はそれだけある。
なのになぜだか、能力が分からない。
「……ふぅ~、」
今日のトレーニングは一旦止めにしよう。
そう思い、帰りの準備を進める。魔力自体はそこまで消費もしていないし、汗もそこまで掻いていない。
軽くタオルで拭い、教室に鞄を置いてきたので取りに行くか。
訓練所から教室へと向かうと他のクラスメイト達も帰る所なのか大半が教室にいた。
「……あ!ヨル君!ヨル君も今帰るとこ?」
「ああ、うん。そうだよ」
「私も今帰るとこなんだ!一緒に帰ろ」
「……別にいいけど、藍沢さんって寮住まいだったけ」
「そだよ!この学園入ってから始めて一人暮らしって感じだけど、いや〜楽しいね〜!」
そう、この学園の寮は今時にしては珍しいか分からないが男女混合で配置されている。
どうやら男女という括りではなく、これもランクという括りまとめているようだ。
「楽しんでいる様で何よりだよ……」
「うん!この学園に来て良かったって思うよ!」
そんな他愛もない会話をしながら教室の外へ向かうところに、
ガラガラッ!!
扉が思いっきり開かれた。
「……おう、今から言う奴、顔かせよ」




