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勝者

 総力戦の勝者を発表されると知り、僕は焦りに焦っていた。

 あの場で、あの現状を見つけた奴の口止めもといお願いをする事が出来ず、それも今この場で発表すると言われたもんだ。

 心臓が何時もよりドキドキ鳴っているのが分かるほど焦っている。


「じゃ、発表するぞ~」


 そして、誰もが緊張の一瞬が訪れる。


「Aクラスに勝った奴は……












 ()() ()()()……」




 え?

 藍沢さんが?

 先生の言っている事が分からずにいると、周りが一斉に声を上げた。


「「「「「「えぇ~!?」」」」」」


 耳がキーンっとする程大きい声が上がり一斉に視線が藍沢さんの方へと向いた。

 それは僕も例外では無い。視線が藍沢さんに向かう。

 あの場に現れ、氷城さんのバッチを破壊し、僕たちFクラスを勝利へと導いた張本人。それが藍沢さん


「マジで!?凄いじゃん!!」


「澄玲ちゃん凄い!!」


 など様々な声が上がる。

 だが、その事に本人は


「……いや〜偶然だよ、偶然!偶々森の中に隠れていたら氷城さんが倒れて勝つ事が出来たんだよ!」


 どこまでが本当の事なのか……あの時、僕も一緒に倒れていた筈だ。なのになぜそれを言わないのか

 周りも、


「それでも凄いよ!Aクラス相手に勝つなんて!」と藍沢さんを褒め称える。疑問に思う生徒も数人視認出来たが言葉には出さないらしい。


 正直、驚きの方が大きいが疑問に思う事がある。

 なぜ……

 なぜ、あの場にいた、一緒に倒れていた僕を誰にも言わないのか……

 それが、それだけが今分からない。……後で聞いてみるか。


 それから数時間が経ち順調に授業が執り行われた。

 色々な事をこの学園では学ぶ。能力学に魔法学、基礎体力、魔力の向上に実戦的戦闘訓練、etc……

 兎に角強くなる為の訓練、それに加え普通の高校で習う勉学も身につける。

 そのため、この学園に在籍する生徒は強さだけでなく頭の回転も出来ることでも有名だ。

 学ぶ生徒が居れば勿論、教える教師もいる。

 教師達も優秀な教師が集められている。魔法に秀でた者、能力に秀でた者、学力に秀でた者、様々な教師が集められ勉学に勤しんでいる。


「飯食いに行こうぜ〜!」


 やがて昼休みになり、各々が昼食を食べ始める。


(よし……)


「藍沢さんちょっといい?」


 女友達同士で弁当を食べ始めた所を悪いが、僕はあの事について聞き出そうとする。


「えっと……今かな?」


「うん、なるべく早く終わらせるから」


「…分かった!じゃあ先食べてて!」


 藍沢さんが友達にそう言い僕の後について来る。後ろでは何やらキャーとか聞こえたが今はそんな事はどうでもよかった。


 それから人気の無い場所へとやって来た僕と藍沢さんは互いに目を見つめる。


「なになに?今から愛の告白でもされちゃうの!?私!でもまだ入学してから一週間も経って無いよ!早すぎるよ~!」


 など色んな事を言っているが、今の僕にはどうでもいい事だ。


「単刀直入に聞くよ、なんで()()()を言わなかったの?」

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