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【本編書籍化】ゲーム世界転生〈ダン活〉EX番外編~ハンナちゃんストーリー~  作者: ニシキギ・カエデ
第四章 ハンナの大変化する日常編!

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204/207

#203 生産隊長選挙!? いいえ、生産隊長占拠です。

日曜日なので本日3話投稿!

まだ読んでいない方は2回バック!




〈ギルバドヨッシャー〉と〈エデン〉がギルドバトルで遊んだ日の翌日。

 私は教室でたくさんの質問攻めに遭いました。


「ハンナ様! あの〈ギルバドヨッシャー〉にギルドバトルで挑んで勝ったと聞いたのですが、本当なんですか!?」


「ちょっと、あなたはアリーナに直接見に行かなかったの? ハンナ様凄かったんだから!」


「なんとね、〈ギルバドヨッシャー〉のメンバーと戦って、相手を倒しちゃったんだよ!」


「こう錬金砲と爆弾でね!」


「マジっすか!?」


 どうやら見に来てくれた方も多かったみたいです。

 あれって練習試合だったらしいのですが、どうやって知ったのでしょう?

 昨日は気が付けば観客席が満席になっていてびっくりしたんですよね。


「セルマさん? セルマさん? あの、アルストリアさん。セルマさんが」


「完全に固まっていますわね。目の前で手を振っても反応がありませんわ」


 向こうではシレイアさんとアルストリアさんがセルマさんに話しかけていましたが、セルマさんはなぜかまったく反応しなくなってしまいました。どうしてでしょう?


 そんな感じで教室内は昨日のギルドバトル一色だったのです。


 放課後、今日は〈生徒会〉に立ち寄ります。

 冬休みが明けて初の〈生徒会〉ですね。


「今日から生徒会選挙が始まるわ」


 そして入ると妙にシリアスになったミーア先輩が窓の外を見つめながら言ってきました。

 生徒会選挙。2月の始めに行なわれる重要行事です。

 冬休みが明けた1月から投票を開始し、2月の始めに〈生徒会〉の入れ替わりをするんです。

 その投票が、今日から始まるようです。いよいよですね。


「ついにこの時が来ましたのね」


「この日まで頑張ってきましたし、きっと大丈夫ですよ!」


「コクコク」


「ありがとう3人とも、嬉しいわ」


 ミーア先輩がとてもおだやかな表情で振り向きました。

 とても自信に溢れています。

 それもそのはずです。ミーア先輩はベルウィン先輩に隊長の座を渡したくなくて生徒会選挙活動に参加しましたが、現在ミーア先輩がとても優勢なんです。


 生徒会選挙の参加者はミーア先輩とベルウィン先輩の2人、ですが前評判ではミーア先輩が生産隊長だろうと言われているそうです。

 だからこそこうして余裕の表情をしているというわけですね。


「さ、席にお座りになって。お茶を入れるわね。良いお茶菓子が作れましたの」


「あ、ありがとうございます?」


「な、なんだかミーア先輩がいつもと違いましゅね」


「よ、余裕が溢れすぎて気品すら持ち始めていますの!」


 よく見ればミーア先輩がいつもと別人化していました。

 アルストリアさん(いわ)く、あれは余裕が溢れすぎた者の姿だそうです。

 何もかもを許してしまいそうなおだやかな表情でお茶を入れてくれたミーア先輩です。


「まあまあ、そんなところで立っていないで、こっちにいらっしゃい」


「えっと。はい」


「い、いただきましゅ」


「だ、大丈夫ですのミーア先輩?」


「なにが? うふふ、おかしなアーちゃん」


「…………」


 どうやらミーア先輩はもう勝った気でいるようです。

 とりあえず今はそっとしておこうと3人でアイコンタクトをして頷くと、ミーア先輩が入れてくれたお茶と、栗羊羹をいただきました。

 とっても美味しかったです。いつもよりも断然美味しかったように感じました。

 その理由とは。


「うふふ、今日はちょっと良い食材を使ってみたの。特別に、ね」


 これも余裕が為せるわざ、でしょうか?

 ミーア先輩が慈しみの表情で羊羹を食べて甘い吐息を出していました。


 私たちは生徒会の隅に集まって緊急会議しました。


「ね、ねぇアルストリアさん。ミーア先輩大丈夫かな?」


「見ての通りですわシレイアさん。全然大丈夫ではありません」


「とてもだけど大丈夫には見えないですよね」


 3人の意見は一致しましたが、どうするかについては保留となりました。


「もう結果は見えたものですが、油断はしないよう発破を掛けるつもりでしたのに、あれではムリですわね」


「もうすぐ結果が分かるんだし、今まで頑張ってきましたし、そのままで良いのではないでしょうか?」


「えっと、害は無さそうですよね?」


 もう勝った気のミーア先輩に冷や水を浴びせるほど無粋ではありません。

 勝利の夢を見ているのなら邪魔をしない方向で話が纏まりました。


 その日はミーア先輩を連れて選挙活動を開始。

 選挙に使う投票箱を各校舎に持っていって設置します。

 その時やたら私が話しかけられたのが、ちょっと不思議だったのですが、その理由は後日判明しました。


 投票箱に集まった投票用紙を溢れないうちに回収してカウントしていくと、最初はミーア先輩の名前ばかりが書かれていたんです。その時は順調でした。

 ですが――ですがです。途中からよく意味が分からない名前が混入するようになりました。


 そして1月も終わりに近づいたある日。

〈生徒会室〉、生産隊長席に座るローダ先輩が深刻な顔をしてこう告げたのでした。


「投票の結果。今年の生産隊長だが――ハンナ君になりそうだ」


 なんで!?

 ミーア先輩は!?





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
[一言] やべえな。 ここに筋肉筋肉書いてたら、出てくる広告がマッチョ薔薇ばかりになってきた;;
[一言] 格闘僧(魔薬錬金・生産大隊長か・・・)
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