#192 どんどん上級職が増えていきユーリ殿下も攻略?
日曜日なので本日3話投稿!
まだ読んでいない方は2回バック!
旅行に行くからみんな上級職へ転職しよう。
そんなことを言うのはこの広い世界でもゼフィルス君だけだと思います。
対策が過剰を通り越してオーバーキルです!
もう徹底的ですね!?
結局このオーバー対策でセレスタンさんを含む5人のメンバーが〈上級転職〉しました。
元々Aランク戦のためにほとんどのメンバーが上級職でしたが、これでまだレベルカンストに届いていない2人以外は全員が上級職になったことになります。
〈エデン〉の躍進が止まりません!
「さて、余った〈上級転職チケット〉は誰に使おうか」
ゼフィルス君がまたとんでもないセリフを口にしています。
他のギルドさんが聞いたらぶったまげてしまいますよ。
こうしてメンバーの〈上級転職〉を済ませたゼフィルス君でしたが、結局それでは終わりませんでした。
続いて昔から懇意にしている〈採集無双〉のリーダーのモナ君とメンバーのソドガガさんを〈上級転職〉させてしまったのです。
採集課の人たちが必要だからと言っても行動が早いです。さすがはゼフィルス君。
ですが、これは私にも大いに関係ある話でした。
「上級採集職は凄いぞ。上級ダンジョンでレアな採集物を掘り当てることができるからな!」
すぐに〈採集無双〉は上級ダンジョンに行き、レシピには書いてあれど見たことは無かった素材を大量に持って来たのです。これには私もアルルちゃんも跳び上がって喜んでしまいました。これで新たな錬金に挑めます!
ゼフィルス君の〈上級転職〉の手はまだまだ止まりません。
続いてゼフィルス君が〈上級転職チケット〉を持っていったのは【錬金術師】。
なんと私の親友であるアルストリアさんとシレイアさんだったのです。
実はこれは前々から声を掛けていたことでした。
「ではアルストリアさん、シレイアさんも上級職に就いて〈エデン〉の専属になってくれる、ということでいいかな?」
「はい。この度は良きお話をいただき、ありがとうございます。とても光栄ですわ。これからも誠心誠意〈エデン店〉を盛り上げて行くことを誓いますわ」
「わ、私もです! ハンナ様への恩やゼフィルスさんの恩に報いるためにも頑張ります!」
〈上級転職チケット〉に余裕が出来たのでとうとうお二人も〈上級転職〉です!
しかも〈エデン〉の正式な専属になったので、これからもずっと一緒にお仕事が出来ます!
「わ~! アルストリアさん、シレイアさん! 大歓迎ですよ! 一緒に頑張りましょう!」
嬉しさのあまり抱きついてしまいました。
本当は専属よりも〈エデン〉へ加入の方が良いのですが、これはお二人が辞退。
どうも〈生徒会〉の仕事も有り、まだまだ貢献度では私に敵わないので正式なメンバーよりしばらく専属でいたいとのことでした。
少し残念ですがゼフィルス君も了承しています。
それに、実力が身につけば正式加入もしても大丈夫という意味でもあります。
アルストリアさんとシレイアさんには頑張ってもらいたいです。私も色々と教えますよ。
〈上級転職チケット〉は残り1枚、これは〈私と一緒に爆師しよう〉のレンカ先輩に使うとのことでゼフィルス君はすっ飛んでいきました。
何やらとても気合いが入っていたので、また色々計画を練っているのだと思います。
私はその間に上級職になったアルストリアさんとシレイアさんに上級錬金の基礎を教えながらどんどん生産してもらいました。
何をするにもまずレベルアップですよね!
冬休みで時間はたっぷりありますから、頑張りましょう!
私も早速〈霧払い玉〉や〈転移水晶〉などの作製に移ります。
「これも将来アルストリアさんとシレイアさんにもやってもらわないといけませんからね」
「が、頑張りますわ」
「か、覚悟しておきましゅ」
多分、ゼフィルス君はこれらを私だけに任せるのは危険だと思ってアルストリアさんとシレイアさんに声を掛けたんだと思うんですよね。
これらのアイテムは今や学園のダンジョン攻略を支える重要アイテム。
それを私しか作製できないという状態は危ないですから。
ですが、そんな話を振られたアルストリアさんとシレイアさんは珍しく固まっていました。
えっと、そんな緊張することないよ?
「ハンナ~、〈霧払い玉〉出来てるか?」
「あ、ゼフィルス君。いっぱい作っておいたよ~」
「助かる! これで〈キングアブソリュート〉のところまで直行できるぜ!」
ゼフィルス君が〈霧ダン〉を攻略したいと言ってきたのでたくさん作っておいた〈霧払い玉〉が入った〈空間収納鞄〉ごと渡します。
これを使って今攻略が停滞している〈キングアブソリュート〉の攻略を助けに行くんだそうです。
〈キングアブソリュート〉って言ったらあれですよね。
ユーリ王太子殿下のギルドで学園のトップ攻略ギルドですよね?
それの攻略を手助けに行くなんて普通なら恐れ多いと思うところですが、ゼフィルス君が言うとなんだかあっという間に攻略を終わられて帰ってくる気がしてなりません。
そして、それは現実となりました。
ゼフィルス君が出発した日の翌日。
〈キングアブソリュート〉は〈霧ダン〉を攻略して帰還したのです。




