表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編書籍化】ゲーム世界転生〈ダン活〉EX番外編~ハンナちゃんストーリー~  作者: ニシキギ・カエデ
第四章 ハンナの大変化する日常編!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

161/207

#160 〈学園祭〉後夜祭打ち上げ会! 




〈迷宮防衛大戦〉が終われば学園祭も残り僅かです。

 最後に行なわれたのは最後の夜に盛り上がる後夜祭。


 ゼフィルス君はどんちゃん騒ぎの場なんて言っていました。


 あれだけあったお店やブースがどんどん片付けられていく様子は、寂しくもありますが圧巻でした。

 ですがその空いたスペースに置かれる物があります。

 それは無料のドリンクバーです。さらに至る所でキャンプファイヤーも焚かれ、ライトアップもされて、さらには夜空にいくつもの光の絵や「後夜祭!!」「学園祭大成功!!」の光の文字が浮かんでとても綺麗な夜の姿へと変わりました。


 これは学園からのご褒美だそうです。


「学園もこのお祭りで色々と得られるものも多かったようですから、学生にも少し還元したいのでしょう。しないと色々言ってくる人もいますからね。貴族の子が多く通う学園ですから」


 アルストリアさんが身も蓋もないことを言っていました。

 貴族の子を働かせて肥えたのだから還元しないと色々とある、ということのようです。

 私、そっちには近づきませんよ。


 私たちはこの後解散の予定です。私もギルドにお呼ばれしていますから。

 でもその前に私たちだけで乾杯です。


「ではミーア先輩、選挙活動パレードお疲れ様でした!」


「「「お疲れ様でした~」」」


 4人でジョッキを持って乾杯です。

 なぜか音頭は私が取ることになりました。

 あれ? こういう時はミーア先輩では?


「ぷは~! うん! 3日間みんなよく頑張ってくれたよ~。終わってみれば貴重な体験だったね」


「お、お疲れ様でしゅ! でもミーア先輩、終わってみればもなにも途中からノリノリに見えましたよ?」


「ですわね。最初はあんなに抵抗していましたのに」


「途中からオリジナルステップを踏んでいましたよね」


 もちろんパレードの話です。

 別名ミーア先輩着せ替え発表会。

 冗談です。〈生徒会〉生産隊長の選挙活動です。


「それはあれだよ。もう自棄(やけ)になっただけなんだよ。だってさ、なにあのドレス。私に恥ずか死ねと!?」


「ええ~、ドレスすごく綺麗でしたよ?」


「いやいや、あんなの貴族のお嬢さんが着る服だって。私には似合わなかったでしょう」


「そんなことありませんわよ? ミーア先輩はお化粧だってバッチリ決めていましたし、かなり似合っていましたわ」


「はい。すごく似合っていました。見た人が憧れるくらい」


「え~嘘だ~。というか今になって恥ずかしくなる~!」


 ミーア先輩がすごく悶えていました。

 まあ、色々な格好しましたからね。

 でも生産職さんだってミーア先輩に着てもらう物というコンセプトでオーダーメイドしたのですから似合わないはずがありません。

 ミーア先輩が悶えているのは単純に可愛い物を着慣れていないだけだと思います。

 色々なコスチュームを着たミーア先輩は可愛かったですから。


「それでベルウィンの奴は?」


「だいぶ株を落としたとは聞きましたわね。空回って変な方向へ行っていましたから」


「えっと、聞いた話ですけど、〈キングアブソリュート〉のメンバーが注意をしたって聞きました」


 ミーア先輩が頭を抱えながら聞いた問いにアルストリアさんとシレイアさんが答えます。

 ベルウィン副隊長はあの後ナンパじみた活動を自粛せざるを得なくなったようです。それは〈キングアブソリュート〉から「学園の模範となる行動を心がけるように」と注意されたことが起因しているみたいですね。


 逆に言えば君たちの行動は学園の模範的な行動になっていないと取れるわけで、そんな人が学園を代表とする公式三大ギルドのトップにふさわしいかと言うとふさわしくありませんから。


 そしてどこから漏れたのかその噂が広まり、ベルウィン副隊長はその株を大きく落としたとちょっとした話題になっていたそうです。


「毎年こういうやらかしをする人が一定数現れるのよね。ベルウィンの奴ももっと思慮深いと思ってたのに」


「〈キングアブソリュート〉と一緒に上級ダンジョンへ入ダンして、ベルウィン副隊長は少し変わられましたわね」


「悪い方にね」


 大きな声では言えませんが、つまりは増長です。

 学生がわりと掛かる病気だそうです。


「ま、それならいいわね。今回はみんなのおかげで大成功だったし、ベルウィンの奴がよっぽど手柄を上げない限り私も生産隊長に就任かしら!」


「ピー、そこ増長注意です」


「ミーア先輩も同じになっちゃダメですよ」


 シレイアさんが笛を吹いて注意したので私もミーア先輩に注意します。

 でもシレイアさん、それ持って来たの?


「こ、これはさっき露店の輪投げで手に入れました」


「それはいいですわね。ミーア先輩がしでかしそうになったらこれで注意ですわ」


「み、見張られてる!? 私の自由は!?」


「う~ん。〈生徒会〉の生産隊長になりたければ学生の見本にならないといけないですよね?」


「ガクン、私の自由が。でもベルウィンの奴に生産隊長の座を渡すよりかは、うう~ん」


「ピー、警告」


「ええ、なんで!?」


「ミーア先輩は〈生徒会〉の生産隊長になります」


「これは絶対ですわ。悩んじゃダメです。突っ走るのです」


「す、スパルタだよ!? さっきのわいわいとした乾杯はどこ行ったの!?」


 私たちがここまで頑張って手伝ったのですからミーア先輩は生産隊長以外になる道はありません。なので悩むこと自体が警告ですね。シレイアさんナイスです。


「では、改めて乾杯しましょう?」


「はい!」


「ミーア先輩を生産隊長に!」


「「かんぱーい」」


「それはなんの乾杯なの!?」


 ふふ、ただの仕切り直しですよ。


 学園祭、思った以上に充実して楽しいお祭りでした。

 またみんなでこうしてお祭りを盛り上げたいです。


 ミーア先輩の選挙の本番は冬休みが明けてからになりますからもうちょっと先です。

 ミーア先輩を生産隊長にするため、私も改めて頑張ろうと思いました。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ