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【本編書籍化】ゲーム世界転生〈ダン活〉EX番外編~ハンナちゃんストーリー~  作者: ニシキギ・カエデ
第三章 夏休みの思い出と生産職クラス対抗戦!

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#108 初めての上級錬金(基礎)は〈魔石(大)〉から




「〈魔石(大)〉の作り方は〈魔石(中)〉が二つと〈中和剤〉、〈中和剤〉の種類は何でも良いので二種類を混ぜること。なるほど~」


 私は早速〈魔石〉を集め、〈魔石(大)〉の作製に入りました。

 まずは材料を揃えます。


〈魔石(中)〉が2個。これ1個で〈魔石(極小)〉が8個使われています。

 さらに〈中和剤〉。

〈中和剤〉を作るにも〈魔石(小)〉が2個使われています。

〈魔石(小)〉を作るには〈魔石(極小)〉が2個必要。


 つまり〈魔石(大)〉を作るには〈魔石(極小)〉が24個必要というわけですね。


 なんだかとんでもない数になって来ました。


〈中和剤〉は黒・赤・黄・緑・紫がありますが、この中から好きな種類を二つ選んでいいようです。


 でしたら黒以外にしましょう。黒はコストが高いですからね。

 コスト重視で行きますよ。


「錬金起動。調合開始」


 私は〈巨大錬金釜〉へ〈魔石〉をとりあえず大量にジャラジャラと入れていきました。


 そのまま〈猫の手の錬金棒〉でジャラジャラとかき回していきます。


「まずは〈魔石(極小)〉からですね。『錬金』!」


 スキルを使うと〈巨大錬金釜〉がピカッと光り、収まると〈魔石(小)〉や〈魔石(中)〉が釜の中に入っていました。成功ですね。

 私は〈魔石(小)〉を取り除いて〈魔石(中)〉だけにすると、そこから2個だけ取り出して別の錬金釜へと入れます。


 今回は初めての挑戦なので1個ずつ、確実に作りたいですからね。


「錬金起動。調合開始」


 右手で錬金釜をかき回しながら左手で〈赤・中和剤〉と〈緑・中和剤〉を入れていきます。


「手順は簡単だよね。混ぜ混ぜ~、いつもやっているみたいに。――さてここからだね」


 私は緊張しながらも、それで錬金棒を乱すことはせず、一定のリズムと流速でかき混ぜながら新しいスキルを発動します。


「そろそろかな。行くよ――『上級錬金』!」


 それは私が上級職になって使えるようになった上級スキル。『上級錬金』です。

 レシピでは〈魔石(大)〉を作るには『上級錬金』のスキルじゃないとダメなんだそうです。


 MPをとっても使います。こんなに使う物なんですね。

 これだとあまり回数が使えません。ですが、その分質の良い物が作れるなら問題はありません。いざとなればMPポーションをがぶ飲みしますよ!


『上級錬金』スキルは普通の『錬金』スキルよりもキラキラしたエフェクトが発生するんです。ただピカッと光って終わるだけではありませんでした。


 私が「わぁ、綺麗」と呟いているとすぐに光は治まり、錬金釜の中には〈魔石(中)〉よりも大きな〈魔石〉が1個だけ置いてありました。

 私はすぐに『鑑定』スキルの付いた〈解るクン〉で見れば。


「あれ? 鑑定不可? あ、上級素材に近いから」


 なんてことでしょう私の〈解るクン〉は『鑑定LV6』。

 中級までの装備やアイテムなら『鑑定』出来ますが、上級の品を鑑定するにはLV7が必要です。


『鑑定』でLV7なんてほとんどありません。

 何しろ中級ダンジョンでドロップするものは『鑑定LV6』で事足りするからです。

『鑑定LV7』が必要なのは中級上位ダンジョンのレアボスくらいですね。


 あ、でもそうなると〈エデン〉には今後必要かもしれません。

 ゼフィルス君は絶対にレアボス周回するでしょうからね。


 そうなると、スキルLVを上げておいても良いと思うのです。


 私はゼフィルス君に〈解るクン〉の『鑑定LV』を上げても良いかチャットで打診して〈魔石(大)〉を持ち、〈解るクン〉も持って再びギルドに向かいました。


 アイテムなどのスキルは〈スキル強化玉〉というアイテムを使うことでLVを上げることが出来ます。ですがとても貴重な物です。ギルドマスターであるゼフィルス君の許可は必須ですね。


 すると、すぐにゼフィルス君からOKのお返事が来ました。

 さすがはゼフィルス君です。話がわかります。


 ギルド部屋に着くと、そこには誰もいませんでした。

 クラス対抗戦の準備のためどこも練習しているはずですからね。


 ギルド部屋の奥の部屋に入ると、そこに置いてある〈空間収納倉庫(アイテムボックス)〉の中からお目当ての物を見つけ出しました。


「ありました。……スキルLV2上げの物は、あ、これだね」


〈強化玉〉くらいなら〈解るクン〉でも鑑定可能です。

 ゼフィルス君からの指示通り、スキルLVを2上げる〈二段スキル強化玉〉を1個、使わせてもらいます。


「えっと、こうかな? あ、リンクした」


〈強化玉〉を〈解るクン〉に押し付けて意識するとリンクしたのが感覚で分かりました。ここでスキルを使います。


「『鑑定』スキルをレベルアップしてください――『魔釜(まか)』!」


 スキル『魔釜』は基本素材に素材を溶け込ませて強化するスキルですが、〈強化玉〉を使うのにも使えるんだそうです。『魔釜』は強化(・・)するスキルだからってゼフィルス君が言っていました。

 

〈強化玉〉が割れて、その粒子が〈解るクン〉に吸い込まれていきました。

 私が上級職になるとき〈心〉系アイテムを使った光景に少し似ていました。

 多分成功した、かな?


「あ、〈解るクン〉を『鑑定』出来るアイテムが無い。……あ、でも〈魔石(大)〉が『鑑定』出来さえすればよかったんでした。『鑑定』!」


 早速『鑑定LV8』になったはずの〈解るクン〉を『鑑定』して確かめたかったのですが、『鑑定』アイテムはこれ1個しか持っていなかったので撃沈。

 でも〈魔石(大)〉が鑑定できれば問題ないことに気が付いたのでセーフです。

 早速、〈魔石(中)〉よりも大きい〈魔石〉を『鑑定』しました。


 すると――〈魔石(大)〉の文字が現れました。

 どうやら〈魔石(大)〉を作るのも、〈解るクン〉の『鑑定』スキルのLV上げをするのも大成功だったみたいです。


 ではでは、寮に戻って〈魔石(大)〉を大量生産しちゃいましょう!





後書きにカウントダウン告知失礼いたします!


〈ダン活〉本編の小説、第03巻の発売まで残り3日です!

早い書店さんでは明日には置いてあるかもしれません!

よろしければ、手に取っていただけると作者は大変嬉しいです!


よろしくお願いいたします!

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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
[気になる点] この世界の誰かが自力で発見するまでスラリポ教えないとか言ってた気がするけど今後の魔石の需要を考えたらもうバラしても良いんじゃない? [一言] 魔石小とか中はハンナ以外に作らせて価値落と…
[一言] あれ? 上級錬金でないと駄目なのに、公開はされてるの? てっきり並錬金でも失敗はあるけど作れる事は作れるって事かなと思ってましたが?
感想一覧
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