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ソフホーズ  作者: 尸音
27/27

5-5

もう意味分かんねえや。




外にいるハズのハルメイが、化け物になってここにいるってことは、どこにも逃げ場が無いじゃねえか。



あれは救援のヘリじゃない。


ソフホーズ内に数少ない安全地帯を求めてやってきた金持ち個人だ。



そして、ここも地獄と化していると確認して飛び去っていったと考えれば、もうヘリの音がほとんどしないのも頷ける。


部隊名が書いてなかったというのが何よりの証拠だ。





だが、もうそんなこともどうでもいい。






今まで色々考えてきたけど、何もかも無意味だった。






意味なんかねえんだ。




生きてることなんかさ。






どうせ、ここにいたってすぐにヤツらに襲われて喰われる運命。







なら、さっさと殺してくれ。







入って来れないなら、鍵を開けてやる。







今は足が痛いからまだ立てないけど、一眠りしたら、きっと。











ああ、そうだ。











俺はあの日に死んでれば良かったんだ。










そうすれば、出会った全ての人を犠牲にして今生き残っていることはない。











何だこの押し付けられた罪悪感。














なんだっていいや。



















「クイル!」



















あ?










……あ、ミラ。それに、カトラスも。





あの日死んだはずの2人が、あの日までと変わらない元気な姿で目の前にいる。






「探したぞ、全く。心配かけやがって。」



そう言って笑うカトラス。



「早く帰って遊ぼうよ!」



そう言って笑うミラ。












ああ、涙が止まらない。













2人とも―――



















「!!!」



銃声?












カトラス……?



どうして、全身傷だらけで、倒れてるんだ?



ミラ………?



さっきまでの笑顔は―――?











「君、大丈夫!?」









何だ何だ。









左手の窓の外側に、銃をこっちに向ける女がいる。






すげぇ重装備で。







こいつが、カトラスとミラを撃ったのか?














いや、冷静に考えれば、カトラスとミラだった物だ。



















ああ、何てことを―――――――



















「助けに来たよ、もう大丈夫。」




何言ってんだこの女は。








助けなんか要らない。







せっかく友達に、仲間に入れてもらえると思ったのに。









ああ、そういえばついさっきマイクさんが言っていた。











神様は、善人には必ず救いの手を差し伸べるって―――



















なぁ、ラス・ブラムとやら。








何でこう、余計な時にばっかりアンタは……

















女は入ってきて、俺の手を引っ張って外へ連れ出した。








足が痛いのは気にならない。






生きてる心地がしないから。











そのまま外に止まっていた妙な乗り物に連れて行かれた。



















乗せられた。





いつか聞いたヘリの音が間近で響く。





なんか、浮き始めた。





あぁ、これがヘリコプターか。





納得しながら窓から見たら、もうソフホーズは遥か下に。







――――――やめてくれ。













何処に行っても変わらない。



















安全なトコに行ったって、何にも変わりゃしねえんだよ……



















そろそろ真相編? 書こうかな…

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