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ソフホーズ  作者: 尸音
25/27

5-3

ボサボサで傷みきった長い黒髪。



腐敗しきった全身の皮膚。



血でほとんど赤茶色に染まっているが、元は白かったであろう妙な服。



頬肉のただれ落ちてかみ締めた歯が見える顔。



白濁した両眼。



鬼のような形相。






どれも、俺の知っているハルメイの特徴ではない。



だが、それは紛れもないハルメイだった。





何で……ソフホーズ外に連れ出されたハルメイが、ここに?



やはり、外はもう化け物だらけになっていて、それがソフホーズに流入してきたということなのか?


じゃあ、もし外に逃げられたって――――――








化け物の群れを倒す、度重なる銃声の中で、ハルメイの頭蓋を破壊したその1発だけが、異常に大きく俺の鼓膜を揺るがした。














「ウワアアアアアアアアッ!!!!!!!!」















誰かの悲鳴が聞こえる。





結構遠く。男の悲鳴。






かなり近くで、今度は女が誰か、叫んだ。




「ダメ!」と聞こえたな。






また、少し遠くで別の女の悲鳴。






怒声?









――――――ィル――――



















―――ィル君――――



















「!!!」




いきなり頬を引っぱたかれた。





我に返って見ると、涙目のミキシルさんがいた。





「早く! 逃げるよ!!!」



言うや否や、俺の腕を引っ張って走り出した。














待ってくれ、マイクさんは? ターネックさんは?






見回しても、いるのはミキシルさんとネムさん、ベルトだけ。
















ちょっと待って、さっきの悲鳴は?



















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