第百十九話 動き出す者達 中
第百十九話 動き出す者達 中
サイド 東郷 美代吉──西園寺 康夫
有川が運び込まれたという病院に到着する。まだマスコミは嗅ぎつけてない様で、ちらほらと見覚えのある公安職員がいるがそれだけだ。
海外の工作員は……見た範囲ではいない。事前に仕込んでいた罠が起動したか?
有川が前にやった外国からの工作員の隠れ家をばら撒いたあの一件。それを利用して互いに疑心暗鬼にさせて足を引っ張り合わせたが、まさかあいつの爪痕を利用する形になるとは。
何はともあれ、スムーズに病院に入れた。冒険者専門学校の教員である酒井の顔は公安なら全員知っているはずなので別ルートで行ってもらったが、私の方はこちらがこの場にいる職員を一方的に知っているだけで気づかれてはいない。
後は有川の居場所を――。
視線を感じ、懐の拳銃を引き抜ける様僅かに重心をずらす。こちらに目を向ける人物を見れば、そこには有川の秘書の姿があった。
まさか一階の出入り口で待ち構えているとは。マスコミに嗅ぎつけられない為に奥の方にいると思っていたが、裏をかかれたらしい。
だが妙だ。敵意らしい敵意を感じない。無防備に近寄ってくる初老の男は隙だらけだった。
「貴方が東郷美代吉さんですね?」
「ええ、貴方は?」
笑顔で答えるが、その一挙手一投足を見逃すまいと意識を集中する。
はたしてこの男は人間か、それともドッペルゲンガーか。人類の裏切り者という可能性すらある。
「私、有川大臣の秘書をしております黒山大輝と申します。大臣から貴方の事は度々聞いておりました。そして、もしもこの病院に来たのなら、案内してほしい場所があると」
「ほぉ……それはまた」
内心で大きく舌打ちする。どうする、今からでも酒井を呼ぶか?だがこの病院にいる何割が入れ替わっているのか把握できていない。最低でも5%はいると事前の調査で割れているが、待ち構えていたのならもっと多くても不思議ではない。
酒井を呼んだとしても、奴が来るまでの間に私が入れ替わられる可能性がある。はたして、あいつは私の姿をしたドッペルを討てるか……?
「有川大臣とは学生時代の友人でしたが、彼は私になんと?」
「それはこの場ではお話しできません。付いてきてください。『実際にお見せしながら』の方が、わかりやすい」
「……そうですか」
時間稼ぎは無理か。ドッペルゲンガーでも敵意を持てばもう少し動きからわかるものだが……この秘書は入れ替わっておらず騙されているだけなのか。それともまだ我々が知らない能力が奴らにあるのか。
何にせよ、この場で足踏みしていては埒が明かない。いざとなればサイレンサーを外した拳銃を撃てば、酒井ならどこからでも駆けつけるはずだ。それに賭ける。
弾倉には対モンスター用の魔力が込められた弾丸を入れているが、相手にしきれるのはおよそ三体まで。それ以上は弾が足りないだろう。
「わかりました。案内をお願いします」
「はい。こちらです」
秘書の後ろに続き、病院の奥へ。関係者しか入れない場所に向かう自分達を、しかし病院の者達は案内する彼の顔を見て止める事はなかった。
エレベーターに乗り込み、二人きりになる。腕を組んで壁に寄りかかるふりをして、拳銃に手をかけた。
角を陣取る自分に対し、秘書は対角線上の扉横で無防備に立っている。ボタンの操作がおかしい。パネルには地下四階という、本来地下二階までしかないこの病院ではありえない文字を表示している。
いつの間に地下を増設したのか。二年前までこの病院にそんな仕掛けはなかったはず。ここ一年の間に作ったらしい。どうやって……というのは、神代となった今では無意味な事か。
「『神代回帰』から半年後に起きた、新宿の大規模氾濫を覚えていらっしゃいますか?」
突然発せられた問いに、警戒しながらも頷いてみせる。
「ええ。一般人の被害も大きく、また当時の内閣や官僚たちも巻き込まれるという未曾有の大災害でした」
「はい。私の知り合いにもあの日から音信不通になった者は多い。そして、その後に政治的空白を避けるため有川大臣が臨時総理となりました」
エレベーターが地下四階に到着し、扉が開かれる。そこには誰も待ち構えておらず、開くボタンを押したままの秘書が振り返って来た。
「どうぞ。ここに見せたいものがあるのです」
「……どうもありがとうございます」
ここではいくら酒井でも銃声に気づけない。一応、『気休め程度の仕掛け』はしてあるが……今からでも秘書を撃って上に戻るか?
いいや、それでは遅い。有川が敵だった場合、一歩迷えばそれだけで置いて行かれる。ここまで来たのなら、腹をくくろう。
我ながら冷静ではないのは百も承知。だが、もしも。もしも有川が『人間のまま』だったなら……!
そんな淡い希望が見え隠れする。固く誓ったはずの覚悟は、そんな甘い想像に乱されてしまう。
エレベーターから降り、すぐに出て来た秘書に連れられて白い部屋を歩く。
「その際に、有川大臣も現場近くにいたのです」
「それは……」
「ですが他の大臣達と共に行動していたのではなく、偶然にもご家族と出かけていたからでした」
脳内で調査ファイルのページをめくる。
古い政治家には『結婚していて当たり前。そうでなければ一人前ではない』という風潮がある。それに倣ってかは知らないが、有川も十五年ほど前に結婚していた。
妻子は二年前からアメリカに住んでいる事になっている。出国記録はあったが、詳しい事は不明のままだった。
「そして、有川大臣は無事でしたが―――ご家族は、そうではなかった」
秘書の男が電子錠を開いたドアの先。そこには、ガラスで区切られた病室があった。
中年のどこかやつれた様子の女性と、まだ十歳前後の子供。その二人が、いくつもの管に繋がれベッドに横たわっている。
その顔には覚えがあった。資料で見た、有川の妻と娘だ。
「原因は不明。謎の呪いか病気か……お二人は如何なる科学的な治療も魔法も受け付けずに眠り続けています。それも、悪夢を見ているのか酷くうなされている」
秘書の男が、呆然とする私の横を通ってガラスに近づく。その顔には、隠しようもない愁いが浮かんでいた。
「有川大臣はお二人の治療法をずっと探していました。忙しい業務の隙間を縫いお見舞いもして、しかし未だどうする事もできていない」
「……これを、何故隠していたのですか?」
口をついて出たのは、そんな答えのわかりきっている質問だった。
「貴方もご存じでしょう。彼には敵が多い。国の内にも外にも。こんな事が知られれば、『家族の療養のためにも大臣職を辞せ』と言われるのは明白でした。しかし、有川大臣がいなくなった国会で、はたして日本は持ちこたえる事ができるのか」
秘書の男がこちらを振り返った。彼を見れば、自然と有川の妻子の姿も視界に入る。
酷い夢を見ているのか、眉間に深い皺をよせて苦しむ彼女たちが。
「有川大臣はここにはいません」
「なっ……」
あっさりと告げられた情報に目を見開く。
ありえない。詳しい情報はわからなかったが、奴の移動経路は……いいや、これも魔法を使えばどうとでもなるか……!
空間魔法の使い手は少ない。それもあってか、『できる事』の範囲があまりにも曖昧だったが、そこを突かれたか。
「彼は今自分が倒れれば日本が終わると確信している。だからこそ、何があろうとも仕事をやりきるつもりなんです。そして……もしも自分がそのままこの病院に帰ってこなければ、貴方に妻と子を任せたいと。そうおっしゃっていました」
「有川が……」
「お願いです、東郷さん」
秘書が、深く頭を下げる。
「有川大臣の……いいえ坊ちゃまの思いにどうか応えて頂きたいのです。私は彼が小さい頃から見てきた。坊ちゃまが最後に託せると思ったご友人は、貴方だけなのです」
奴がずっと隠してきていた事。それが、謎の病魔によって寝たきりの妻子を周囲に知られないため?
そして、不自然なまでに動き続けたのは国のためだったと?
なら、私は……いいや。そうか。そういう、事か……。
己の愚かさに頭痛さえ覚える。額に手をあてて数秒ほど沈黙した後、硬い唾を飲みこんで唇を震わせた。
「……少し、頭の中を整理させてください。お手洗いをお借りしても?」
「構いません。ですがどうか、この病院から出ないで頂きたい。奥様達の病状がいつ急変するかわかりません。せめて……せめて、もしもの事があった時、看取ってくれる方にいてほしいのです。悔しいですが、私では任せてもらえなかった」
そう自嘲する様に笑う秘書に一礼して、部屋を出る。だが足元が一瞬ふらついて彼に体を支えられた。
「おっと、大丈夫ですか?」
「ええ……すみません。ここまで、友人の悩みに気づいてやれなかった自分に眩暈がしてしまいまして」
「……しょうがない事です。坊ちゃまは有川家の人間として正しく成長なされた。その結果です」
「そう、ですか……」
そう言い残して今度こそ部屋を出た。
ここに来るまでの通路で見かけたトイレに早足で駆け込み、手洗い場の蛇口を捻って水を流す。
洗面台に手をついて、ただ流れ落ちる水を見つめた。
脳裏を駆け巡る、学生だったあの頃。『あいつ』と有川の三人で時に馬鹿な話に興じて、あるいは将来について語り合って。偶に、『あいつ』の奇行に二人して振り回されて。そこに酒井を始め他の者達も加わって大騒ぎになった事もあった。
思えば、あの時ほど自分の人生で幸せだった時間はない。先に逝ってしまったあの馬鹿の分も、私達は己の道を進んできた。
失われた時間はもう戻らない。それでも、また有川と『あいつ』の墓前で笑い合えたのなら……そんな事を、奴を疑い始めてから考えなかった瞬間はなかった。
それも、杞憂であったと伝えられて。叶わないと思っていた未来は、実現可能なものとなったのだ。
ああ、本当に。
「……いい夢が、見られたよ」
そう呟きながら視線を上げれば、鏡に映る二人の病院スタッフがいた。
無表情でこちらに手を伸ばす彼ら。それに振り返りざまに拳銃を引き抜く。一体は確実に仕留めなければならない。もう一体が組み付いてくる前に、できた隙間を通って全力でエレベーターまで走れば――。
瞬間、片方のスタッフを一本の刀が貫いた。
「えっ」
眼玉から刀を生やすスタッフがそう声を漏らす間に、刀身が横に滑る。
もう片方も何か反応する間もなく、上顎と下顎を両断された。どちゃりと二つの死体が転がり、血の海を床に作る。その一、二秒後にどちらも首から上が消えて首無し死体と成り果てた。
刀が伸びる個室のドアがゆっくりと開き、そこから鎧武者が現れた。三文ホラー映画の様なその光景に、小さく息を吐き洗面台に寄りかかる。
「助かったよ、酒井」
「まったく……これがなかったら見失っていたぞ」
そう言って酒井が掲げて見せてくる巾着。それと同じ物が私の懐にもある。
『貝覆いの導き』
ハマグリに似たモンスターからドロップした貝がら。それを二つに分け、特殊な加工をした巾着袋に入れておけば大まかながら相手の居場所を知る事ができるという魔道具だ。
念のため持っていたが、酒井の奴どうやってここまで来たのやら。
「『S』以外にも色んな部隊が自衛隊には存在する。そこで習った技術がなければ、こんな所まで追えなかったぞ」
「それはまた。どうやら私もまだまだ甘いらしい。仕事仲間の過去を調べ切れていないとはね」
「そうだな。お前は明らかに冷静じゃない。敵地だというのにこんな奥までのこのこと……」
死体を前に跪き、両手を合わせながら酒井が呟く。
「……すまない。だが、確信が持てた。有川は『黒』だ」
夢は終わった。あからさまな『隠されていた真実』として出された妻子の姿に、逆に確信を抱く。
あの有川は、自分の知っているあいつではないのだと。
「そう、か……」
数秒の沈黙の後、鎧を鳴らしながら酒井が立ち上がる。
「それで。俺達はどうする」
「まずは黒山という秘書を問いただし、有川の妻子の安全を確保したい。そっちは酒井が頼む」
「わかった。お前は?」
スーツの上から、懐にあるライターを握る。
「有川の皮を被った化け物を追う。何をしようとしているのかまではわからないが、現在地ならわかるはずだ」
黒山という秘書からすった手帳を見せる。
事前調査で彼は常日頃からこまめに自分がついている議員の行動をこの手帳に書き込んでいるとわかっている。焦っている時ほど文字にして落ち着く癖があるらしいので、間違いなくそれは続けられているはずだ。
「手癖が悪いな」
「仕事柄な」
小さく肩をすくめ合って、互いに歩き出す。
エレベーターに向かいながら、ネクタイを締めなおした。
「あぁ……まったく」
久々に、何も考えずタバコを吸いたい気分だよ。
* * *
サイド なし
『有川大臣襲撃事件』
それについて政府から会見があると、多くの記者が官邸に集まってきていた。
ざわざわと落ち着きなく情報交換や探り合いをする彼らの前に、官房長官が姿を現した。
同時に多数のフラッシュがたかれるが、司会の言葉で一時的におさまる。それらを見回して、官房長官が手元の原稿をちらりと見てからマイクを前に口を開いた。
「えー、今回の事件で負傷した有川ダンジョン対策大臣ですが、重傷を負い現在病院にて治療中です。彼についていたSPも病院に搬送されましたが、こちらは死亡が確認されました」
小さくどよめきが広がる。
それに構う余裕はないと、官房長官が言葉を続けた。
「また、犯人はその際に死亡しており、その目的などについては未だ調査中で――」
「いいえ。誰の差し金かは既にわかっています」
記者会見室に響いた言葉。舞台役者の様によく通るその声に、誰もが扉の方に目を向ける。
「嘘だろ……」
誰がそうこぼしたのか。この場にいる全員の言葉を代弁するその言葉を無視して、男は両の足で真っすぐと歩いて行く。
そして、壇上に立つ官房長官の真横までやってきた。
「き、君は、なぜ……」
「ここからは、私が話をさせて頂きます」
有川琉璃雄ダンジョン対策大臣。
頭に何重にも包帯を巻き、端正なその顔にもガーゼが貼られている。スーツから覗く手にも包帯が巻かれており、普段綺麗に撫でつけられている髪も少し乱れていた。
だというのに、その歩みも、話す声にも、胡散臭い微笑みにも陰りはない。毅然として立つ政治家の姿がそこにあった。
「ま、待ちたまえ。君は重傷だと聞いた。すぐに病院に戻るんだ」
「いいえ、それはできません。このまま『敵』に好き勝手動かれては困る」
「て、敵?君を襲撃した犯人か?」
狼狽える官房長官からマイクを奪い、有川大臣は記者会見室に集まった者達を見回した。
「まず、私に爆弾を投げた彼はダンジョン被害者互助会、『ユマニテ』のメンバーです」
ざわりと、一気に記者たちが騒ぎ出す。カメラは幾度もフラッシュを放ち、スマホで出版社や所属するテレビ局に連絡を取り出した。
官房長官が冷や汗を流して有川大臣の肩を掴む。
「お、おい!まだ確定していないのにそんな」
「いいえ。確定しております。そして、今回の一件は『ユマニテ』の意思で行われたものではありません」
「なに?」
官房長官と記者たちの眼が有川大臣に集中する。それらを前に、彼は胡散臭い笑みのままだ。
「まずは、『敵』の姿をお見せしましょう」
そう言うなり、彼は官房長官の胸を突き飛ばした。
官房長官の年齢は七十一歳。まだ四十代の彼に不意打ちで押された結果、抵抗する事もできずに数歩ほど後退った。
「な、なにを――」
抗議の声をあげようとした官房長官。しかし、その言葉が最後まで紡がれる事はない。
代わりに、一発の銃声が響いた。
「わ、わああああ!?」
「な、なんだ!?」
記者たちが騒然とする。発砲したのは、有川大臣が入室した際に彼の影の様にひっそりと後に続いたスーツ姿の警察官だった。
拳銃を構える彼から距離をとろうとする記者たち。そんな彼らを有川大臣の声が引き留める。
「あれをご覧ください!」
マイクで大きくなったその声に記者たちは咄嗟に従った。そして、信じられないものを目にする。
「あ、ええぇ!?」
「ば、化け物!!」
官房長官――だった物が首から上を暴れさせている。
顔のパーツが乱雑に配置された肉塊。それが開いて巨大な口を見せ、壇上から跳び下り記者の集団に襲いかかろうとしていた。
『ガ、ァァ、ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!』
「ひ、ひぃい!?」
迫る化け物の姿に逃げようとする記者。それを追う官房長官だったものに、もう一発銃弾が放たれる。
狙い違わず化け物の頭を撃ち抜き、その身体は衝撃で横に倒れた。直後、首から上の異形の肉塊は粒子となって消えていく。
血の臭いが広がっていく部屋を、一転して静寂が包み込む。
誰も彼もがこの状況に追いつけていない。あるいは、隣にいる者も化け物ではないのかと息を殺して周囲から距離を取ろうとする者もいる。
「皆さん、落ち着いてください」
有川大臣が、マイクで彼らに呼び掛ける。それはカメラの向こうにいる国民に対しても言っているかのようだった。
「我々の敵はこの『ドッペルゲンガー』というモンスターです。奴らは人間に擬態し、私達を陰から狙っています。そして、『ユマニテ』がこの怪物達に乗っ取られた結果、あの襲撃事件が起きました」
彼の胡散臭い顔には、しかし毅然とした凛々しさと頼もしさも宿っていた。
「どれだけの人間が奴らと入れ替わっているか、私にもわかりません。しかし、その首魁は既に判明しています」
有川大臣が右手を上げると、スーツの男がタブレットを手渡した。
その画面に映された少女の顔をハッキリとこの場にいる者達全員に見せるように、有川大臣は掲げる。当然、記者たちの視線やカメラもそちらを向いた。
「『郡凛』!それが現在、『ドッペルゲンガー』どもの首魁が化けている少女の名前です!奴を討てば、配下である『ドッペルゲンガー』は全て消えるでしょう!!」
重傷とされていたはずの大臣の登場。突然の発砲に、官房長官に化けていた化け物。そして室内を満たす血の臭い。
到底冷静な判断ができる状況ではないその空気が、画面越しにさえ日本中に広がっていく。
それでも、大多数の人間はそもそも頭が追い付いて来ないだろう。だから彼の言葉はそれほどの力を持たない。
───常日頃、彼こそが自分達の希望だと思っていた者達以外には。
「何の脈絡もなくこの様な事を言われ、困惑するのは当たり前です。しかし、これ以上の被害を出さない為にも、どうか力を貸していただきたい!」
胡散臭い笑みが、とうとう消えた。
眦を吊り上げ、気炎を吐く有川大臣。その声と姿に誰もが圧倒される。
「私を信じてくれる方達に、戦う力を持つ人々にお願いしたい!どうか、この国を守ってほしい!!日本の明日の為に、英雄としてその力を振るってほしいのです!」
その言葉は、瞬く間に日本中へ……いいや。世界中に拡散された。護国の為に命を燃やす若き政治家の、切なる願いとして。そして、国を守る戦いの狼煙として。
だが……だがしかし。それを聞いた者の中に───黄金の少女は、いなかった。
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