外伝② あの日………
外伝②です。
あの日………
外伝②
それは突然だった。
木島紀美子(ミキちゃん)視点
あの日………
「行ってきまぁ~す♪ 」
中学1年生になって3日目、今日も涼子ちゃん宅に寄ってから一緒に中学校まで向かいます。
果たして起きてるかな?
〔たぶん寝てるよね(笑) 〕
「それで? 」
「夕べ、ちょっとお姉ちゃんと格闘ゲームしてたら……… 」
「遅くなったと? もう、ナニしてるの? 私たちはもう中学生なのよ! 」
全く涼子ちゃんは相変わらずのお寝坊さんです。
起こすのも大変です。
〔今度は置いていこうかな(笑) 〕
中学校までの道は、小学校まで通った道と途中まで同じ通学路なので小学生が一緒に歩いています。
ア、今年入学した1年生(女の子)が初々しく歩いてます。
〔ウン、大きなランドセル背負っていてかわいいね♪ 〕
交差点の所まで来たけど小学校は横断歩道を渡った先、私たちの通う中学校は交差点を左に曲がります。
横断歩道の信号は赤、信号が代わるのを待ってる様です。
〔ナニかワクワクしてるのかな? 〕
信号が青に変わりました。
手を上げて歩いて渡ってます。
〔ちゃんと交通ルールを守っていますね 〕
その時、赤信号なのに大型トラックが交差点に入って来ました!
「エ、危ない! 」
「キミちゃん、危ない! 」
私は駆け出して小学生の女の子を突き飛ばしました!
デモ、その結果…………
"ドン!"
「キミちゃぁぁん! 」
私の意識はここまででした。
新井新一(龍さん)視点
あの日………
本日は、某大学病院に最新型医療カプセル型治療器、[バイオメディカルカプセル]の搬入日だった。
この医療カプセルは、うちのVR技術を利用したシステムで患者を特殊治療液を満たした特殊なカプセル内に入れて、損傷部所を再生治療することを目的としていて、患者はVRに接続したままカプセル内に浮いた状態で治療をする仕様だった。
〔意識をVR内に移して身体を動かない様にしていた 〕
この治療システムを作る為に、知り合い(主治医のドクター)の伝で集められた各技術者(大学病院、某医療メーカー、VR機器メーカー)の共同プロジェクトとして始まったのが1年前だった。ここで総合プロデューサーとしてVR機器メーカーから来たのが新井新一こと、龍さんだった。
〔まさか集まっていた技術者が皆さんβテストに参加してたとはね(笑) 〕
そのせいでも有ったが、開発チームのまとめ役を押し付けられる事に。
龍さんなら安心ってゲセヌ?
〔マァ、ドクターがチームリーダーって基本ムリだからね(笑) 〕
この[バイオメディカルカプセル]開発は元々ドクターの主目的で有った短期睡眠用ベットの開発が元ネタだった。
治療用として作ってからそれをベースで作らせようと思っていたらしい?
〔もっともその辺はバレバレで、後に阻止される事に(笑) 〕
そして今日は、初の試作第1号器が完成したので納品に立ち会っていた。
「やっとここまでできたな 」
「これで重傷者の治療の効率は上がるかな? 」
「それは良いけど、これからどうするの? 」
「エ、どうするって? 」
「だから、臨床試験をどうするんだよ? 」
「マァ、すぐに重傷者に使うってのはね? 患者が居ないよ? 」
「確かに臨床試験するには患者が必要だろうに? 」
「マ、患者待ちだな(笑) 」
「お前な、患者の同意とかはどうするんだよ? 身内が居なければ基本無理だろうに? 」
「そこは手術中に身内と連絡して同意後にカプセルに入ってもらうことになるのかな? 」
「………果たして同意できるのかな? ドクターって胡散臭いし(笑) 」
「ナ、どう言う意味だ? 」
「………その通りだろうに(笑) 」
その時?
"コードブルー、α、βチームスタンバイ! コードブルー、α、βチームスタンバイ! "
「早速、重傷者が来たようだな? 」
「そうなのか? 」
「コードブルーはドクターヘリが来ている合図、αチームは僕の担当チーム、つまり脳外科系の患者が来るって事だね。それとβチームまで召集とは……… これは交通事故案件かな? それじゃ失礼するよ。後ヨロシク! 」
ドクターは走って現場(最初の処置室)に向かった。
マァ、ドクターの仕事はプロフェッショナルだからね。
〔プライベートはアレダカラネェ~(笑) 〕
「サテ、我々はさっさとスタンバイしましょう。もしかしたら本当に使うかもしれませんからね? 」
とりあえず使用できるように準備だけはしておく事に。
そして暫くして外が慌ただしくなる。
聞いた所では、運ばれてきたのは女子中学生で、何でも大型トラックに跳ねられ重体らしい。
〔ウ~ン、病院側のスタッフが慌ててるな! 〕
そんな中、来たのが!
「シン兄さん、大変よ! 」
「エ、どうしたちあきちゃん? ナニ慌ててる? 」
「さっき運ばれて施術中の患者さんなんだけど……… 驚かないでね、キミちゃんらしいの! 」
「エ、キミちゃんって……… フミには知らせたか? 」
「今、ここに向かってるって! 」
「それならドクターにこれ使うぞって伝えて! 」
「わかったわ ってこれ使えるの? 」
「使わないで助かるのか? 」
「イヤ、無理だな! 」
汗だくのドクターが来た。
「ドクター、大丈夫なのか? 」
「今、緊急処置が終わったが………状況は厳しいな。なにせ外傷性脳挫傷、左腕切断、全身打撲………内臓が無事なのが不思議な位の大怪我だよ。頭は何とかしたが、通常治療ではかなり難しい状態だな 」
「わかった、これを使おう! 」
「エ、シン兄さん、良いの? 」
「新新さん良いのか? 」
「助けるなら何でも使う。フミ|(身内)の説得は任せろ。だからやってくれ! 」
「………わかった。スタッフコール、コードレッドを発動するように知らせて! 」
「コードレッドって何だ? 聞いてないけど? 」
「この[バイオメディカルカプセル]を使うのに専用のスタッフを決めていた。それの緊急召集だよ。ちあき君、一応君に担当主治医を頼みたい 」
「エ、私ですか? 」
「頼む、ちあきちゃん。姪っ子を助けてくれ 」
「………わかりました。引き受けます 」
「よし、うちのスタッフが揃い次第、カプセルにセットするぞ! 」
こうして初の[バイオメディカルカプセル]の緊急治験が始まる事になった。
数時間後………
「フゥ~、何とか落ち着いたかな? 」
「しかし傷が酷いな。腕は元に戻るのか? 」
「一応、一部の欠損部は仕方が無いが、アレぐらいは再生可能だと担当の再生外科医が言ってたな。マ、頭は大丈夫だよ! 」
「確かに頭は意外に綺麗だな 」
「女の子だから丁寧に修復したよ。基本、大きな傷は髪の毛に隠れる様にできて良かったよ♪ 」
「それでいつ頃目が覚めそうだ? 」
「ウ~ン、今はちょっと脳が腫れてるからね。マァ、この位なら1ヶ月以内には目覚めるだろうね。それからだな……… 」
「アァ、それからだな……… 」
「兄さん、………… 」
「コッチだ、フミ……… 」
カプセルには既に紀美子ちゃんが浮かんでいた………
「兄さん、本当に助かるの………? 」
「説明はちあきちゃんから聞いただろ。大丈夫だよ 」
こうして何とか助かったのだった。
しかし、これからが大変だった。
〔問題は何時目覚めるかだよね? 〕
今回の事故原因は、トラック側の飲酒運転での信号無視だったらしい。
赤信号で突っ込む瞬間が交差点の監視カメラにバッチリ写っていたのでそのトラック側を追及するだけだった。
〔今時、飲酒運転で居眠り運転って……… マァ、旧式トラックだからな? 〕
注:この年の1月に、道路運送法が改定、飲酒及び居眠り運転防止装置が義務化されたばかりだったが、新車登録車からの義務化なので旧式トラックにはマダ適応されてなかった。
ただ、後2年以内には旧式だろうが全車種義務化される予定だった。
〔マァ、装着装備猶予期間って所かな? 〕
この後、トラック運転者とその運送トラックを管理運営していた運送会社が警察の家宅捜索を受けるほどの大問題となっていた。
運転者は飲酒運転での危険運転傷害罪、運送会社はかなり無理な運行をドライバーに強要していたと道路交通運行法違反と労働基準法違反で捜索される事に。
〔何時の時代だよ! しかし未だに居るんだな、無茶な事をする奴は? 〕
今回の治療費は[バイオメディカルカプセル]使用料は治療治験ってことで、このプロジェクト関連会社で負担、それ以外の実費はドライバーと運送会社に請求となった。
もっともこの運送会社、持つのかねぇ?
〔倒産しなければ良いけど? 〕
そして数週間後…………
「………あれ、ここはどこ? 」
「お、気が付いたな 」
姪っ子、キミちゃんの意識が戻ったのだった。
外伝②
こうしてミキちゃんは助かったのだった。
暑中見舞申し上げます。
ほんと、暑いよねぇ~♪
最近、飲酒運転事故が多い様な気がする今日この頃。
そう言えば、ミキちゃんの入院当時の事を書いてなかったなぁ~と思い、書いてみました。
現実はどうなるか分かりませんが、酒気帯び及び居眠り運転防止装置が出来たら良いなぁ~と思い、作品にしてみました。
この装置を全てのトラックに搭載できれば事故はかなり防げる様な気がします。
マァ、運送法で新規事業者が参入しやすくした自由化した弊害何ですと言われているらしいですけどね。
次の投稿は9月になります。




