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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第三章「掃討戦/文化大虐殺」

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99/1003

彼は誰ぞ

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします


一人称部分の視点変更時には一行目を【語る人間の居場所】とします。

次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。

以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)


【登場人物/一人称】


『俺』

地球側呼称《司令官/閣下/大尉/大尉殿》

現地呼称《青龍の貴族/ご主人様/ご領主様/我が君》

?歳/男性

:地球人。国際連合軍大尉(陸上自衛隊三尉)。太守府軍政司令官。基本訓練以外は事務一筋。


『あたし』

地球側呼称《エルフっ子》

現地側呼称《ねえ様》

256歳/女性

:異世界人。エルフ。『あの娘』の保護者。姉貴分。ロングストレートなシルバーブロンドに緑の瞳。長身(数値不明)。革を主体とした騎士服にブーツに剣が常備。軽装の革鎧や弓(短/長)は必要に応じて。


『わたし』

地球側呼称《魔女っ子/幼女》

現地側呼称《あの娘》

10歳/女性

:異世界人。赤い目をした魔法使い。太守府現地代表。ロングストレートのブロンドに赤い瞳、白い肌。身長は130cm以下。主に魔法使いローブを着る。


『わたくし』

地球側呼称《お嬢/童女》

現地側呼称《妹分/ちいねえ様/お嬢様》

12歳/女性

:異世界人。大商人の愛娘。ロングウェーブのクリームブロンドに蒼い瞳、白い肌。身長は130cm以下。装飾の多いドレスが普段着。



【登場人物/三人称】


地球側呼称《三佐》

現地側呼称《青龍の公女》

?歳/女性

:陸上自衛隊三佐、国際連合軍事参謀委員会参謀、WHO防疫部隊班長、他いろいろな肩書を持つ。日本の政権与党を支配する幹事長の娘で、父親と連携して戦争指導に暗躍している。今は太守府に駐留し主人公『俺』に帰還命令を出したが、『俺』は何彼と理由をつけて遠回りをして帰ってこない。



競わない、誰を追い抜かぬように。

挑まない、誰を打ち負かさぬように。

生み出さない、すべて満ち足りてるが故。



見上げていたい。

見下したくない。

見続けていたい。



働く貴方を応援したい。

堪える貴女に声援したい。

頑張る貴方に感謝したい。



誰かに認められるよりも、誰かを認める方が好き。

誰かに誇られるよりも、誰かを誇ってるのが好き。

誰かにお礼されるより、誰かにお礼を伝えたい。


これまで、ありがとう。これからも、ありがとう。いつまでも、よろしくね。



《ニートの歌》




【太守領辺境/廃神殿前の草原/裏側/現地住民説明会】


黄昏、たそがれ。誰かが居る。ソレが誰かはわからない。はっきりわかる昼日中ひるひなか。何もわからぬ夜の闇。それより善いのか悪いのか。



――――――――――――――――――――俺にはソレが全否定に見えた。



夕闇迫る草原が朱々と輝く。

テルミット式消却剤による高熱。周囲に漂う無機的な匂い。肉、血、骨といった生物的な、いや、有機的なモノが燃える臭いはしない。


数千度で処理された人体は、溶け出した土壌と共に何がしかの素材と化していた。


色も形も何もかもが、生命に結びつかない。ここで為された事は記録されている。同席した歴史家のカメラと脳裏に。


俺や元カノ、神父の身にまとう記録機器や偵察ユニット、哨戒気球から国際連合軍アーカイブに。



事実を保存する事それ自体に意味を見いだすか、テルミット反応のデータ蓄積か。意図は違うが結果は同じ。よくある隠ぺいや欺瞞の意図はない。



それはつまり、何も問題のない日常的な行為

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ならば何故完全に消滅させる?



コレは否定の為の否定。ソレはメッセージ、いや、布告。



ここで殺された野盗たちは存在した。

国際連合がありとあらゆる記録でもってソレを保証する。現地のみなさん数百人の目撃証言付き。ついでに第三者たるカタリベにも保障させよう。



これ以上ないほどに、明瞭に存在させる。

しかして、その痕跡は残らない、遺さない、ゼロ。



だからこそ、在ったからこそ、無が際だつ。

殺させた俺をして、あいつ等が本当に居たのか?と感じさせる。ここで死者に祈っても、どこの誰にも届きはすまい。自己満足すら得られまい。


十数分前まで気分が悪かった。

墓穴に放り込まれる、湿った柔らかいモノが潰れる音。それが気になったからだ。


そして今、その音を思い出せない。


血塗れの凶器を振り回した、俺に命じれたからだが、村人たちも、どこか呆けた表情た。

草原を染める赤黒い粘液が、虚ろを際だたせ、知らしめる。



――――――――――俺たちに近づくとどうなるか――――――――――





【太守領辺境/廃神殿前の草原/裏側/青龍の本陣へ/青龍の貴族の腕の中】


わたしは、ご主人様に呼ばれるままに裏手に向かい

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・運ばれてしまいました。


両腕ですくい上げられ、胸に抱かれたまま。


何故か、胸が早鐘をうちます。それだけで気を失いそうです。

そして、私の視界を染める色。様々な、一つの色。

とても、とても、キレイ・・・・・・・・・・




――――――――――赤と朱――――――――――




春とはいえ、夜の森と草原なのに。

すごく熱い。地が裂かれ、鉱炉のように輝いています。お父さまの工房で見た、ささやかな鉱炉。それが地を覆うように、いえ、地から吹き出すような規模で。


神殿の表側では寒さすら感じる夜風が吹き始めていたのに、ご主人様の温かさが心地よいのに、すぐに熱気に包まれます。


村々の皆さんも、唖然としています。

ご主人様は平然とされていますから、青龍の魔法なのですね。

・・・・・・・・・・・・平然とされてらっしゃるのは、いつも、でしょうか?



・・・・・・え、あの、皆さん、見てらっしゃる、ような・・・・・

・・・・・・・・・うぅ・・・・・・・・・・でも・・・・

・・・・・・・・・・・・・もう少し・・・・・・

・・・・・・降りなきゃ、ダメ、ですよね・・・・・・・・




【太守領辺境/廃神殿前の草原/裏側/青龍の本陣へ】


あたしは朱と赤と紅を見つめていた。


朱い夕陽。

紅く輝く炎。


血の赤は目立たない。

あの娘が気がつかないように、長衣の裾を汚さぬように、青龍の貴族が抱き上げたから。


あたしは、妹分を抱き上げた。

あの娘と違い、察してはいる。だから知らないフリをする。


ある意味で、あたしより大人なのね。




【太守領辺境/廃神殿前の草原/裏側/青龍の本陣/エルフっ子の腕の中】


ねえ様、お気遣いなく。

わたくしは、ご領主様へのおねだりが成功して、上機嫌ですわ。

そして、これから始まるアレコレにワクワクしております。


ご領主様の足元に侍るのならば、コレからのなさりようこそが、肝ですものね。




【太守領辺境/廃神殿前の草原/裏側/青龍の本陣】


あたしが妹分を降ろすと、青龍の貴族がぐずっていたあの娘を降ろした。妹分とあたしは、顔を見合わせて微笑む。


あの娘がおねだりできるようになるなるなんて!

そしてあの娘は、降ろされてなお、青龍の貴族と指を絡めたまま。

妹分とあたしは顔を見合わせた。

・・・・・・・・・・・・・羨ましくはない、それほどには。



あたしたち四人が村人たちの前。

左右に青龍の女将軍と道化。ドワーフたち、青龍の騎士。

マメシバ卿は神殿表側で動けない負傷者を見ている。


正面に並ぶ村々の代表者。

片側から彼らを、あたしたちを見るのは村々の娘たち。


背後には死骸を焼き尽くしてなお輝く、青龍の炎。

いえ、輝く塊は、炎と呼んで良いものなのかしら。


揺らめかない輝きは、一面を照らし出す。

陽より明るく、禍々しく。


輝きを背に、村人たちに向かい立つ青龍の貴族。

青龍の貴族、その前で彼に身を任せる、巫女

――――――――――そうか、そう見える。


人のカタチをした龍。

龍に身を捧げたツガイの巫女。


古い古い

――――――――――――――――――――伝承を想わずにはいられない。




【太守領辺境/廃神殿前の草原/裏側/現地住民説明会】


俺は思う。


――――――――――熱い――――――――――



魔女っ子は俺の前。

周囲より温度が上がった背中側の大気が上昇気流を生む。気圧が下がり森の涼しい空気を呼び込む。

春先の夜、北国、本来なら肌寒いくらいだ。


だから、顔側はけっこう涼しい。


触ると、魔女っ子の髪は熱くない。

大丈夫かな?

頬も額も汗ばんでないしな。


エルフっ子が盾になっているお嬢も大丈夫だろ。俺より盾には小さいが、シスターズの小さい二人は体も小さいしね。


あー、マジ熱い。

背中が。


・・・・:・・・・ってことは、エルフっ子もおなじか。

許せ。


銀髪焦げてない?大丈夫?

あんな艶々したストレートがチリチリパーマになったら

・・・・・・罪の意識がハンパないぞ。


いくら何でもテルミット反応も下火。

もう数千度、じゃないよな?


三佐が、いや、WHO防疫部隊が日々利用している、消毒措置。


遺体が無機物になるのに十分もかからない。いわゆる一つの完全燃焼。

燃焼温度不足による有害ガスが出ない事は請け合える。


まあ焼却対象が自然物ばかりだからダイオキシンの心配はないか。



地元の皆さんご安心を。

国際連合軍は異世界環境に優しい戦争を心がけております。

反対運動にはもれなく面制圧兵器が投射されますが、賛成運動もノーサンキュー。

かかわりにならない方向で遠くから見ていてください。


こちらからかかわりに行く場合もありますがあきらめてください。

・・・・俺とか。



今回もこちらから押しかけたんですけどね。


昼過ぎから、のはずが昼前から野盗狩り。

予定より早く30分程で終了。

俺が始めてしまったからだが

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、でもね?

少しの差で傷が減った娘さんもね?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そしたら昨日のうちにやれって話だよね。


ハイ、反省してます。


しかも、既に浚われた村娘に犠牲が増える前提でたてた作戦が、俺の先走りで崩壊。たまたま一網打尽に成功したが、失敗して野盗に逃げられたら二次三次被害が出てたね。


海より深く反省しております。

二度といたしません

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ように努力いたします。



と言うわけで、昼過ぎに終わった野盗狩り。


神殿にいた連中、野盗と野盗かもしれないヤツと村娘かもしれない者、全員を対象に必要な範囲で尋問をこなし負傷者を収容。


生き残った野盗には共同墓地掘削に神殿掃除をさせた。


その間に、村々から代表の皆さんが到着。


これが午後三時前。

皆さんの協力により、一時間ほどで野盗殲滅完了。

あんなナマクラ鉈や槍じゃ大変だったろうな・・・・・・・・・・・・

切れんわ刺さらんわ、ほぼ撲殺・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それしか思ってないよ?

疑問なんかないよ?

ホントだよ?



後ろめたくなんかないし!!!!



見てないしね?

矛盾??????????

見てないのに、切れ味が判るのか?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ノーコメント!!!


いやいや!!!!

最終的解決が残ってるから!!!

仕事中だから!!!!!!!!!!

さ、とりかかろっと!




【太守領辺境/廃神殿前の草原/裏側/青龍の本陣/青龍の貴族の左側】


あたしたちはアカイ光に包まれていた。

夕陽の朱。

流血の赤。

青龍の魔法が放つ紅。


夜の帳が迫る中、闇を追いやる輝き。青龍の炎は揺らぐことなく辺りを照らし出す。その周りを照らす夕陽の朱は急速に力を失っていく。


青龍の貴族を背にした、あの娘。

あたしが背に立つ妹分。


外周に立つ青龍の騎士、シバ殿とサトウ殿、その立ち位置が変わる。


その視線が、あの娘、妹分、あたしを中心に周りを警戒。あたしたちを包む、青龍の貴族、その意志。


青龍は、子供が独りで立つことを好まない――――――――――いや、許さない。




【太守領辺境/廃神殿前の草原/裏側/現地住民説明会】


俺は特別職国家公務員/国際連合出向中。

真面目な国家公務員ならば一生懸命仕事を増やすんだろうが、さにあらず。


不真面目な俺は真逆を目指す。


民間企業なみのアウトソーシングで仕事を減らす。

派遣社員や委託業者が血の涙を流し、法規違反をかました後で、知らなかった振りをして外注先を入れ替える

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、そんなことするくらいなら引き籠もるわ!!!!!!!!!!



ともあれ目指すは俺の要らない世界。


世の中には居なくていい人間がいます。

俺とか。

みんなに気がついて欲しい!!!!!!!!!!


あ、こいついらないな、って。

邪魔だから表で遊んでなさい、って言われたい。


ニートの本懐ここにあり!!

いやいやいや、公務員は本来そうあるべきなんですよ?

と思うんですよ???

ホント!!

みんな自前で出来るようになれば、俺たちは要らなくなる。



目指せ税金ドロボー!!!!!!!!!!

さあ、みなさん、ご一緒に!!!!!!!!!!




【太守領辺境/廃神殿前の草原/裏側/青龍の本陣/青龍の貴族の左側】


あたしたちは村人たちにどう見えているだろう。


背後の輝きに影となる。

正面から夕陽に朱く照らし出される。


青龍の貴族、その黒い影に浮かび上がっている。

フードを下ろした長衣から溢れる金髪。夕陽の照り返しで輝く紅い瞳。


あの娘は右手の指を青龍の貴族の指に絡めて、青龍の貴族の手をとったまま左手の平を胸に当てる。



この場を支配しているのは、あの二人。

村人たちは、ひとツガイに目を奪われている。




【太守領辺境/廃神殿前の草原/裏側/青龍の本陣/青龍の貴族の左側/エルフっ子の前】


わたくしは、ハラハラしながらあの娘の様子を探ります。園遊会と同じように、直接に見たりはいたしません。


わたくしたちの正面には村々の代表さん。その横にはご領主様に救われた女たち、の動ける人たち。草原の血塗れ、代表さんたちの手や服、大きく輝く炎


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・皆も、わたくしも、何が行われたか解ります。


それがご領主様のご意思であることも。



女たちは同じ村々の者を見直したみたい。


まあ、ご領主様が捕えた後とはいえ、やっと勇気を出して野盗どもを殺したのは評価に値しましょう。


そして女たちがご領主様に向けるのは、崇敬の眼差し

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まあ、当然ですわね。


それより肝心なこと。


あの娘を見る目は、畏れ・・・・・・・・・・・・・・・?

畏れられるような感じなの??

わたくしは目を凝らして、一番近い村娘の瞳を見ます。

その瞳に映るあの娘

・・・・・・・・・・・・・・・・・・固まってる!!!



手がご領主様をニギニギしてますのは、コンランしてるからね。

相変わらず、あの娘は大勢の前が苦手。

それが人形めいた、人ならぬ風情を生み出して、この常と異なる、青龍の舞台にはそぐいますけれど。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ご領主様の傍に仕える女として、アレではダメなのに。


家内の事を、わたくしが取り仕切れば

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いけるかしら?




【太守領辺境/廃神殿前の草原/裏側/青龍の本陣/青龍の貴族の左側】


あたしたちのように、村々のみなも沈黙。

背後の輝きに向かう風は涼しく、みながのみこまれるような圧力を感じる。


そして皆の前に立つ青龍の貴族。

全員の眼に彼が浮かび立つ。

黒い影、白い目、黒い瞳。


「きゃ」


???

あの娘の声。青龍の貴族が頭を撫で、みなの注目が集まる。


「わかったな」


緊張が解けた瞬間に響く声、正面にいる青龍の貴族の声が、四方から?

あたしの横、青龍の貴族、間違いない。

彼の言葉。


村々のみなは、四周を囲む声に恐れおののき、跪いた。


「顔を上げてください」


あの娘が、慌てて叫ぶ。沈黙の中で響く声にみなが従い、正面のあの娘に向かって顔を上げて、固まる。


青龍の黒い瞳に気をのまれる。




【太守領辺境/廃神殿前の草原/裏側/現地住民説明会】


スピーカーテスト完了。

したら向けられる数百の目、目、目・・・・・・・・俺は村々の皆さんの視線に気圧された。


しかし怯まないぞ!


軍政官訓練では数百人の前で演説くらいしたのだ。

馴染みの連隊隊員ばかりで、生暖かい視線ばかりだったがな。


しかも視察に来た三佐を見るとみんな沈黙したけどね。

しかも、一人残らず真下を見て。


三佐から、足元に何かあるの?

などとネチネチいじめられて、後で俺に苦情が来たけどな!!!!!!!!!!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・意外に気にするタイプなんだろう三佐は。



根に持つタイプだとは知っていたが。

いや、根に持たない女は出会ったこと無いけどな。



――――――――――――――――――――――――シスターズも大きくなれば、そうなるんだろうか?



突然おしかけて来たから追い出すと、いつの間にか次の休みに予約を入れられる的な。

了解するまで毎日毎日延々と、ないがしろにされてる的な内容で愚痴られるような。


俺が悪くないのに根に持たれる。



シスターズにいたっては、俺が利用しているからな。

現地代表の魔女っ子がいないと、三佐への言い訳が

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい、素で根に持たれて当然ですね。


今までとは違い、都合よく利用した相手に根に持たれたらどうしましょう。

うーん、死ねって言われそうだな。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――うわーきつい。




ともあれ、マイクテスト終了。

周辺に設置したスピーカーの様子は問題なし。

外周を含め全員に聞こえるな。

エコーも最低限度。


みんなわかるようだここからが勝負だ。


三佐のちょっかいのせいで、大勢の前で話す経験は積めなかったが、座学を思い出せ。


儀礼なのか?

布告なのか?

目的を明確に。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よし!

今回は布告。


文節は短く端的に、単語を減らし直接的に。

伝える相手の目を見て、それを周囲にアピール。


断言断定決定的に。

要点は繰り返し。



これが儀礼なら、真逆だけどね。

校長先生の長話は古典的なネタ。

いや、演出としてなら、長いだけの無意味な話も、良いんだけどね?

儀礼は複雑化すること、浪費してみせることで成り立つから。


――――――――――長話擁護論は後にするか。


よし!!




【太守領辺境/廃神殿前の草原/裏側/青龍の本陣/青龍の貴族の左側】


「以後の行動を命じる」


あたしの耳朶を撃つ青龍の貴族、その声。


「護るな」


青龍の貴族に助け出された村娘たちが、かれに睨まれた村々の代表を見た。


「殺せ」


青龍の貴族、その声は、低く低く、響く。



「敵を殺せ」





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