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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第三章「掃討戦/文化大虐殺」

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97/1003

軍事裁判

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします


一人称部分の視点変更時には一行目を【語る人間の居場所】とします。

次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。

以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)


【登場人物/三人称】


地球側呼称《神父》

現地側呼称《道化》

?歳/男性

:合衆国海兵隊少尉。国連軍軍政監察官。カトリック神父。解放の神学を奉じる。



地球側呼称《元カノ/団長/だんちょー/一尉/一尉殿》

現地側呼称《青龍の女将軍/団長/主》

?歳/女性

:国際連合軍大尉/陸上自衛隊一尉。国際連合軍独立教導旅団団長。『俺』の元カノ。、ドワーフやエルフに異世界人と地球人類が同じ戦列を組む、初の多世界複合部隊「黒旗団」指揮官。



地球側呼称《三佐》

現地側呼称《青龍の公女》

?歳/女性

:陸上自衛隊三佐、国際連合軍事参謀委員会参謀、WHO防疫部隊班長、他いろいろな肩書を持つ。日本の政権与党を支配する幹事長の娘で、父親と連携して戦争指導に暗躍している。



『合衆国大統領』:女性初の元合衆国軍統合参謀本部議長。駐日大使。次期大統領候補と目されていたが、異世界転移後、緊急時の継承順位に従い大統領に就任。



『国際連合』:the United Nations/連合国、の超訳。異世界転移後の人類社会の総意を体現する組織。と国会で決まった。加盟国のほぼすべての外交防衛権を委託されている。



『国際連合軍』:国連憲章第七章に基づく人類社会の剣と盾。と国連総会で決まった。黒幕は元在日米大使の合衆国大統領であるとマスコミに報道されている



まったく不可思議だな。


「あれは裁判ではない!」


とわかっていながら怒り狂う。わざわざ司法原則のどれに反しているか並べ立てて、だ。


当たり前だろう?


司法裁判にあらず。つまり裁判ではない。


臆面もなく、無差別虐殺を戦略爆撃と呼ぶ。

The Judicial Branch(和訳すれば、司法省/政府内の司法に関する部署)をDepartment of Justice(直訳すると正義省)なぞと呼ぶ。



同じ様に、政治的修飾だ。


裁判でなければ、では、何か?


作戦だ。

軍事作戦だよ。


敵を殺す。

殺し方で最大限の波及効果をもくろむ。


いつものことだろう?


我々は前大戦で戦争目的達成に失敗した。ありていに言えば、戦争に負けた。

欧州の半分を失い、焼け野原の面倒を押しつけられた。

大陸市場は赤匪に追いまくられ手も足も出ない。


当時世界最大最強の軍事力は、その重荷で自滅に向かっており、解体するしかない。

敗戦の責めを負ってチャーチルは失脚し、トルーマンは落選が報じられた

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なぜか、首がつながってしまったが。


当時の軍事指導者は国防を再建する必要があった。


だ・か・ら、旧敵国を戦列に加える。


当然だろう?

最悪の戦場で生き残った、最良の兵士が余っている。

我々の戦い方を理解している。

経済が破綻している為に人的コストが低い。


作戦目的は決まった。


であれば、作戦の阻害要素を根絶しなくてはならない。


我々に敵対的な人間、無能な人間、その排除。

敗戦をごまかす政治家たちが、口実にした正義とやらを利用する。はなはだ不愉快で非効率だが、仕方ない。


政治家がバカ揃いだった為に、軍人個々が動いた。

だから限度があったのだ。


粛清、我々の為の、粛清。

その為の手段。


公職追放、赤狩り、そして軍事裁判。



愚鈍な徴集兵には戦争アレルギーを植え付け追い払い邪魔をさせない。

無駄に居るだけの軍事官僚は監獄に隔離。

彼らを団結させかねない指導者は処刑。


惜しくはあるが協力的にならない将校将官は、その有能さ故に排除。

作戦目的は、概ね遂行された。


巻き添えで無辜の人間が大量に死んだ?

戦場の日常だな。

殺す殺さぬを決めるのは善悪ではない。

強弱と敵味方だ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ、承知の上で行ったのだ。


――――――――――残念とも思わない。



軍人が博打などするものか。

仁川に上陸できたのは、祖父の手元に即時動員可能な予備兵力があったからた。


日本人兵士が十万以上。ほんの手始めでこれだ。彼らがいれば当時の極東ソ連軍程度はどうにでもなる。


結果としてソビエト・ロシアの参戦を防ぐ抑止力で終わったが

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・トルーマンが居なければ、最低でも北京、原案通りなら抑留兵を吸収しながらシベリア――――――――――――――――――――まあいい。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さて、君は人民裁判が司法だと思うかね?作戦目的を阻害するトーチカを砲撃させる時に法律書が必要だと思うかね?


「裁判じゃない」


と言いながら


「法の原則を無視している」


と怒っている連中は、何が腹立たしいのか、君にわかるかね?




※United States Department of Justice(和訳が合衆国司法省)なお、平和省や真理省、豊富省、愛情省はまだありません。


《国際連合安全保障理事会/戦争計画グループ/戦後処理班/国際司法裁判所/集中聴聞会非公開資料》





【太守領辺境/廃神殿前の草原/裏側/特設軍事裁判】


俺は軍事裁判、すなわち作戦を開始させた。


軍事裁判と軍事法廷は異質なものだ。辞書的には区別されていないし、あえて混同するように仕向けている。


誰が?

近代以後の戦争指導者たちが、だ。

実態を見れば、存在そのものが違う、と誰にでもわかる。だが、カモられている人々はいう。



こんなものは裁判ではない!!!!!!



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そりゃそうだ。

タヌキうどんに狸が入ってない!

と怒るようなもの。


代用コーヒー(タンポポの根やら麦やらドングリやらを煎ったものでお湯に色を付けただけ)と機械油の方がまだ似ている。



軍事裁判は作戦だ。


戦争目的を達成する為に必要な、合法的な殺人。

銃で殺しガスで殺し核で殺す。


場所は問わない。

海上で、空中で。

前線で、後方で。

法廷で、刑場で。



神殿で、草原で。



罪刑法定主義?

(刑罰は法的な根拠がなくてはならない)


不遡及原則?

(罪を定める前の行為を問うてはならない)


適正手続きの保障?

(中立で事前に決定された手順がなくてはならない)


まったくごもっとも。

それが裁判ならばね。

法による、そう、裁きならば。



だがしかし、軍事裁判は裁きではない。善悪などなく、主義主張も無関係。あるのは強弱、敵味方。銃剣を突き立てる時に、主義主張手続きはいらない。


戦争目的を達成するために必要な合法的殺人。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・言うまでもないが、殺人の最大多数は、合法的に遂行されているのだ。


戦場にて。




【太守領辺境/廃神殿前の草原/表側/臨時野戦病院】


あたしたちからは見えない、神殿の裏側。

あたしには、聴こえる。


縛られた野盗の怯え。

向き合った村人たちのおののき。


さっきまで、殺せ殺せと叫んでいた村人たち。

つまりは、青龍に呼びかけていたのね。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あつかましい。



敵を倒してもらい、捕らえてもらい、手を汚したくないから殺しておいて欲しい?

だから、投げ返される。


『ブサッといこう!』




【太守領辺境/廃神殿前の草原/裏側/特設軍事裁判】


俺は唖然茫然呆然。


わからない時は動くな!婆ちゃんが言ってた。


「ほら!はーやーく♪」


元カノは、そんな俺にかまわずに続ける。今かまわれても俺が困るが。かまわれている村々の方々に心からお悔やみを申し上げたい。


「心配いらないよ?狩りで獲物を刺すでしょう?みんなでさ」


まあ、この時代ならイノシシや鹿の類はそうだよな。異世界でどんな動物がいるか、調べ終わってないし俺もチェックしてないけどね。

今度、厨房でも覗いてみようかな・・・・・さておき。


皆で囲んで追い込んで、皆で一斉に槍で仕留める。

今回はその必要がない。

拘束済みで動けない野盗が相手だからね。



元カノに、本人の自覚は無さそうだが、睨め付けられた村人たち。


「みんなでいっせいに 、うーん、多いか、一人当たり10人くらいで殺ろ」


村人たちで手分けする。

一回あたり野盗15人くらい処分。

一回20分、5回で100分、ロスタイムを考えて2時間で完了。


一休みして夕方までに後片付け。


神殿の清掃、略奪品の再分配もある。

みなさんは、明日いっぱいに村々に帰ればいいんじゃないかな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・と考える俺は決して現実逃避しているわけじゃない、と信じたい。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・槍、嫌い?」


元カノの合図でドワーフ前進。

大槌、鎌、鉈、棍棒がバラマかれた。


全部、野盗からの回収品。



「ヤツらが使った獲物だから、ピッタリよね」


村人達に振るわれた、振るうと脅された、野盗の武器。


「やり返しなよ」


村人達は顔を伏せたまま。

処世の基本。

言わず語らず耳を澄ませる。


殺せ殺せともう一度叫ぶ・・・・・わけないか。

まあ死刑執行は領主の特権だ。

地球の中世でも、この異世界でも。


だから、慣れてないのは、よくわかる。


「守れなかったろ」

突然、低くなる元カノの声。




【太守領辺境/廃神殿前の草原/表側/臨時野戦病院】


神殿の表側にあの娘、妹分、Colorfulと、あたし。

裏側の声は、あたしにしか聴こえない。小声でなければだけど。


『殺され、奪われ、犯されて』


臓腑を突き刺すような声。

青龍の女将軍は声だけで村人を殴りつける。


あたしの周りで痛みに耐え、涙をこらえる女たち。

生き残っても。

助けられても。

癒やされても。


眼を伏せ、怯えながら身をかくし、互いに距離をおき、自らの体を抱いている。

野盗に攫われ、痛めつけられ、互いを見捨て、息を潜めて過ごした女たち。


刻まれた死体も見つかった。

攫われる前に、襲われた村でそのまま殺された者も少なくない。


あげく野盗に寝返った連中。


同じ村の女をいたぶった男。

新たに攫われてきた女を虐待して、野盗に忠誠を誇示した女。

野盗たちの娯楽のために、攫われた村人同士に殺し合いをさせた者。



マメシバ卿の尋問をくぐり抜ける者はいない。



聴くともなしに、あたしには聴こえてしまったけれど

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・意外ではなかった。


いままで何百年か、あたしが生まれる前から、繰り返し繰り返し。

いつものこと。

気にするほどのことじゃない、いちいち気にしたら心が保たない

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――青龍は、そう思わない、わね。


我慢に縁がない人たちだし。

青龍の貴族は、とくに、そう。


だから、いつものようにしない。


青龍なら野盗の生き残りを、まばたき3つで皆殺しなのに。

マメシバ卿の、いや、青龍の嗜好は、連中の死を決定している。


ヤツらがこの瞬間、生きている事を、青龍が、耐えているのが、奇跡。

ただ殺して済むものか、という意思。


それが村人たちを圧倒する。

青龍の女将軍は、剣呑な声に変わっていく。


『仇を討てよ』




【太守領辺境/廃神殿前の草原/裏側/特設軍事裁判】


元カノの静かな怒声。


「見てるだけか。これまでも。これからも」


俺は行動。

わからない時は先に動いて主導権を維持しろって三佐が言ってた。


「覚悟みせろ!!!!!!!!!!たっ」


元カノを掴んで振り向かせる。

咳払いにもアイコンタクトにも反応しないから、仕方なく。本来、部下や村人たちの前でやっちゃまずい止め方だが。


「覚悟を強要するな」

「なによ~~~~~~~~~~」


神父がシ~~~~~~~!!!


「「あ」」


俺と元カノ。

小声で相談。


「MC,start!」


神父が間をつないだ。


(仕方ないでしょ!あたしたちがずっと護ってやる訳にはいかないのよ!)


まさに、ソコだ。

俺たちが殺ればすぐに済む。


ひとまとめ一挙埋葬用大規模墓穴は、掘削済み。追い込んで、ミニガン一つ。掃射10秒。衛生的にテルミットで焼却。

作業自体は10~15分もかかるまい。


国連軍の規定行動からしても、国連軍の敵を国連軍部隊が抹消するのは理の当然。



だが殺らない。

殺るなら最初から捕まえてない。

殺させる為に手間暇をかけた。


村人を人殺しにする必要があるからだ。



この邦に駐留している国連統治軍は13人である。

なんちゃって自衛官の、俺。

適当神父。

オマケ二人を入れた数字。

増強分隊程度。


元カノの黒旗団は、休暇配置。

軍政作戦には投入出来ない。


半ば私兵とはいえ、いや、だからこそ役目外にかり出すことはしない。

殺し殺されという話は、なし崩しにして良いものじゃない。

今回はあくまでも、野盗の側から黒旗団団長(元カノ)を襲ったのだ。黒旗団がお礼参りに参戦したのは、今回だけであり、繰り返せない。



だから基本戦力は増強分隊のみ。


広い広い太守領、を考えなくても、此処、野盗騒ぎが起きた太守領の端っこ農村部でも人口は2千オーバー。

若い男手が帝国の強制労働で根刮ぎ行方不明、でも、コレである。


この人数比で、なにをどうやれと???


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・確かに兵士一人とお手伝いにガバメント4丁弾沢山、それだけあれば野盗の百人は軽い。


が、それは手遅れになった後の話。

治安維持、防犯とはまずもって、数だ。


神殿表側にいる犠牲者を、繰り返せるかっての。

いや、国連統治軍には関係ないけどね?

治安維持の責任は一義的に現地政府にあるから・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今、現地政府ないけど。



この邦には警察力がない。


俺たちが帝国を逐い、太守を殺したせいで。

太守府や港街の衛兵、参事会の傭兵、盗賊ギルドの愚連隊に武装船員。


それらは個々の利権を守る私兵に過ぎない。


今回のような大規模な、いや、小さな盗賊にすら対応出来ない

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――しない。


辺鄙な農村などどうでもいいからだ。



野盗が困窮させた農民が、野盗に合流するサイクルが始まっていた。なんたかんだで帝国に依存してきたこの邦の有力者たち。


彼らがそれに気がつくのは、収穫期に買い付けに入るときか。

対処するのは革命軍ができてからだろう。


『困りますか?』


作戦全体統括のマメシバ三尉。暇なのか話に入ってきた。俺は指揮官なので、部隊通信系は常にON。元カノは元カノで指揮官だ。二人の会話は密談にならない。


マメシバ三尉が暇なら作戦全体は順調だ。俺と元カノが担当する最重要部分だけが不調。

示しがつかないから、マメシバ卿に答えを返す。



この邦がどうなろうと、困らない。

国連も国連軍も感心すらない。


俺たちのせいで秩序を失った、この邦の住民が共食いを始めても、どーでもいい。なにしろ、俺に占領を命じた三佐自身が明言しているくらいだ。


この邦がどうなってもかまわない、と。


そんなところに派遣するな!

――――――――――――――――――――――――――――――という意見の形をした部下からの罵倒はスルー。

いや、内心でムカついたから、クビにしないのかもしれない。


俺の失業保険・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しくじった!



だがそれはフリーハンドを与えられた、とも言える。

阿吽の呼吸ってか、薄氷上の自由っていうか、処刑台前の最期の一服的な。



だから、僅かな自由を行使してる訳だよ?俺は。


『誰の為です』


殺られる前に殺る。

弱者が戦うならば、他に方法がない。

誰にも護れない以上、自衛させる。


だから村々のみなさんを立派な人殺しにする。

傷つく事に怯え、だからこそ、傷つける事を怖れる人々。それを何も考えずに人を殺せる存在に。

・・・・・・どうしよう。



中世では処刑は広く娯楽であったという。つまりそれが、非日常だったということだ。


俺たちのように、一方的に殺す立場に慣れてない村人たち。

むしろ、野盗に蹂躙される方に慣れかけていた。


突然の状況転倒。俺が目論むのは、殺される側から殺す側へパラダイムシフト。ってより、アノミー状態???


恐怖に転倒すれば殺せる。

だが恐怖は本人に統制出来ない。

必ず暴走して共食いを始める。


だから却下。


殺人の動機付けを他に求める必要があり、元カノは復讐心を煽った。


人間は報復する動物だ。


被害を受ければ、必ず他人に撒き散らす。

生存競争に勝つために、目に付く他人を貶める。

それじゃ単なる共食いだから、わかりやすく標的を投げれば喰い付くだろう。それで殺意に指向性を与えれば戦う村人の出来上がり。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――と元カノは考えた、そして俺は賛成した、のだが。


当の元カノも気がついている。


(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・確かに連中は退いてる。どうする?)


ねぇ?

どうしましょうね。


元カノの対異世界人コミュニケーション能力は、国連軍有数だ。このアジテーションが効かないってことは、恨みと怒りではダメみたいだな。


結局、生き残っている野盗の大半が寝返り組だからだ。


昨日までの身内、恐怖に逃げ込んだ顔見知り。

憎しみより、侮蔑が先に立つ。

侮蔑が憐れみになれば、むしろ同情に近い。


殺意に昇華させるのは、難しい。


それに一番大きな失敗理由。


村々の代表を集めさせたのが失敗だった。

被害者、村人たちが分断されてしまった。


村ごとにまとまり、互いを窺っている。よその村の人間関係がわからない。裏切り者をどう思っているかわからない。

・・・・・・・・・・・・・・・殺した結果、別な恨みを買うことを恐れている。


最悪、自分たちの村の裏切り者だけを殺しかねない。


それはよろしくない。


また野盗が出た時に、個々の村だけで反応する下地になってしまう。それじゃあまた各個場当たり対応、野盗の跳梁を許してしまう。


行き着くところは同じこと。


なんでこうなった!誰のせいだ!

被害者の会を一つの村の住人でまとめれば、恨みと怒りで殺せたのに!!皆殺しにして村人みんなで口をつぐめると思えばこそ、勇気も出ただろうに!!!


・・・・・・・・・・・・・村々をひとまとめにすれば、一つ一つ踏み出させるより手間が省けると思ったのだ。

俺が。


反省してます。

だから知恵を貸してください。

返しませんが。

返せませんし。



失敗したが、やめられない。

方向性は間違ってない、ってより、必須必要絶対尊守。


村人たちを、村を超えた意識で結ばせなければならない。

殺人の共犯者として、村々を団結させる。

次は殺される前に、殺せるように。




『カンタンですよ♪』


マジ??????????




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