リメンバー？パールハーバー？？
【用語】
『◯ッキーマウス行軍曲/Mickey Mouse March』
：合衆国海兵隊テーマソング。最前線の隊員たちがネズミを自称していることが由来。「もうなにもこわくない」で有名な映画フルメタル・ジャケットは演技指導が海兵隊軍曹だけに登場させてしまったと感じるのは日本人がディズニーを誤解しているからだろう。第二次世界大戦中。他の映画会社が鼻で嗤って追い返した連邦政府からの発注に飛び付いた。ジャンルは戦争宣伝。娯楽の中に気づかれない様に紛れ込ませるのが真のプロパガンダとかでゲッペルス博士もニッコリ。メインキャラクターがあのネズミ。莫大な国家予算を巻き上げて、核実験推進やら原子力応援やらを発注し続け莫大な売上を上げた。その後も赤狩りで召喚されるとなぜか無罪放免され、同業者多数をアカと告発する大活躍。これにはスターリンもニッコリ。ファシストではなく、我が身かわいさの余り普通の人なら沈黙しているところ、積極的に強者に媚びて友人知人を売り飛ばさずにいられない臆病者。同時代のドイツにいたら、言われる前に率先してユダヤ人に石を投げて善き市民アピールしていた。ならば言われるままに最前線でなにもこわくなくなる人々と親和性が４００％だよね。
そりゃ忘れられないさ。
恥さらしも極まれり。
もちろん合衆国の、な。
攻撃とは奇襲のこと。
強襲は待ち伏せ被害だ。
平時であれ有事であれ、軍を名乗るなら警戒し先手を手放さない。
・・・・・・・・・・様にしている。
先手を獲られた？
失敗だな。
失敗を恥じるのは当然。
失敗が責められるのは必要なこと。
それが、あのレベル、とあらば。
ワザと？
あり得ん。
そんな必要はない。
戦争が無ければルーズベルトは失脚していただろう。
戦争が在るだけで十分だった。
戦争が有ってなおクビが跳ぶ敗北など要りやしない。
・・・・・・・・・・まあ、だから、四選できてしまった、ともいえるが。
誰も後始末を引き受けたく無かった、からだ。
当たり前だろう。
ニューディールの破綻。
破綻を糊塗する為の参戦。
末期には大赤字決算の終戦。
挙げ句の果てに死にやがった。
・・・・・・・・誰が、代わりに、絞首台に上がりたい？
戦時下だからクビにされなかった、だけ。
正常な人間は戦争中に司令官を解任しない。
戦争終結を避けるためには無条件降伏を叫び続けるしかなかった、吊るされぬためにな。
だからトルーマンが落選しただろう。
――――――――――連邦政府の介入がなければ。
得票数はもちろん対立候補が上だった。
数えかたを工夫してあるのは嗤えるが。
ダイホンエイハッピョウという訳だ。
・・・・・・・・・・いつものことさ。
実際、後、半年、日本の降伏が遅れていたら、合衆国は無くなっている。
末期には戦時国債の引受先すら無くなっていたのだぞ。
各州は確認していた。
―――――――合衆国の戦争から、州が得られる物は、何一つ、ない。
負け戦ならば耐えるだろう。
共通の恐怖に怯えて。
勝ち戦ならなぜ耐えられる。
何一つ得られぬのに。
戦うことは失うことなれば。
始まれば止まらない。
金を出さない。
次は人を止める。
最後に州が出て行く。
合衆国は、御仕舞いだ。
別に驚くべきことでもないが。
合衆国憲法で想定されている通り。
ましてや今より連邦政府が弱かった時代。
第一大戦後、ウィルソンが議会に蹴り回された例、一つとっても解ろう。
曲がりなりにも一国っぽくなったのは、太平洋戦争に勝てたからさ。
いや、逆か。
・・・・・・・・・・勝ったと言い張る為に、だな。
異論。
反論。
疑問。
質問。
事実を根絶やす為に合衆国が創られた。
チャーチルは頚を跳ねられたが。
ルーズベルトはくたばりやがった。
その差がこれ。
・・・・・・・・・・産まれやがった。
偉大なる免責機械
――――――――――１９４８年。
それを視ていたオーウェルが、何を考えたのか。
永続的戦時体制。
内政としての戦争。
目的は責任逃れ。
勝利は危険だと学習済。
頚が落ちかけたからな。
敗北なら我身を護れる。
保身の為に国がある。
霞ヶ関がやらかしたこと。
連邦政府と気が合う訳だ。
大丈夫。
ワシントンは転移していない。
ウォール街もアーリントンも。
勝ち戦を観せてやる。
――――――――――今度こそ。
殺れ。
親愛なる第三軍大尉殿。
国家なぞではなく、我が軍の為に。
《国際連合未整理資料音声書き起こし/北海道大学附属図書館参考閲覧室・国連寄託図書館所蔵》
【大陸東部北方/青龍占領下帝国辺境領/太守府/占領軍本営王城/内郭正面馬車寄連合せ/？？？】
ボクだから大丈夫なんだけど。
見慣れてるから。
慣れてない皆は遠巻き。
おっきいからね。
その足元から見上げてる。
「すごくすごい困ってます」
自力を諦めたのは、優秀。
ちっちゃいから。
非力でも知性は人並み。
知識と別だよね。
なんも警戒してない、ボクに。
――――――――――心外だなぁ――――――――――
だんだん大きくなる行進曲。
太守領で一、二を争うほどの人が集まる市。
そんな太守府で一、二を争う人波の中心地。
そこ王城で一番に多く人が集まる正面入口。
目立つボク。
行き交う人、人、あと人外。
衛兵。
私兵。
用心棒。
客。
訪問者。
奉公人。
ドワーフ。
エルフ。
ホビット、他。
多くが魅蕩れて用心してる。
目立たぬ随身ありがたや。
そりゃそうだ。
ボクが初見だなんて誰にでも判る。
魅忘れられぬ。
ボクが強者だなんて誰にでも解る。
揃いも揃って。
馴染みが無いなら予想がつかない。
敵か、味方か。
判らないなら敵、ってことにする。
でも斬らない。
危険と一緒に、大切な者を亡くす。
ボク自身の値。
決して殺せないほどの価値がある。
だから、評価されちゃう。
敬して遠ざけ。
魅るが八割。
視てるが二割。
手を出せない。
眼を離せない。
目を離さない。
皆。
利害関係が別々。
指揮系統すら不揃い。
価値観だけ一緒。
だから、違う。
用心しない二人。
人外だ。
形は変わらない。
みんなは無視。
しかも野生。
人里に。
訓練なしか。
見蕩れるフリもなし。
見た目は十歳前後の娘。
身体に纏う布は、樹皮布じゃない。
周りに合わせてるんだ。
着せた奴は周りが敵だと知ってる。
・・・・・・・・・・当人たちは、着ながら戸惑うばかり。
軍用じゃない。
草原から帝都に出てきた田舎者、みたいなモンよね。
しかも連れがなんにも考えられない奴だもの。
頷いているんだけど、わかってないよね。
「という訳なんです」
あ、終わり？
【異世界大陸東北部/占領地域/軍政主府/軍政司令部/軍政司令官私室/青龍の貴族】
俺の背もたれはエルフっ娘。
今の瞳は理知的、に違いない。
我慢しているのが伝わってくる。
遠い昔は背中合わせだった。
その方が男の身体を支え易かろ。
俺が寄りかかり過ぎると前屈になってしまうが。
いつの間にか背面からホールド。
安楽椅子がソファーになった。
それもウォーターソファー。
フワフワを適度に圧しつけて、なるべく不動、自分の体重で俺の背中を支えています。
圧しつけ過ぎたら痛かろう。
沈むクッション気持ち好い。
長身で筋肉質な、その肢体。
筋肉ってボディビルに非ず。
観せるじゃなくて使う筋肉。
肢体の要所と中心部に位置。
ふんわりグラマラスの中心。
そこに体重をかけるのが俺。
脂肪層の奥に寄りかかって。
しっかりとした骨格も利用。
本当にソファーベッドな娘。
もちろん掛布団、枕も兼用。
さっきまでのデレデレとの違いは理性的に欲を追及していることか。
両サイド肘掛け、ちびっ娘たち。
俺の両膝に肢体を預けバランス。
自分の肢体、胸元に肘を招いて。
配膳中はグリグリに徹する模様。
二人とも俺を窺う理性はあるな。
素肌の食感は生物だからこそだ。
脂肪層が薄い幼女、童女。
掴みやすく。
置きやすく。
掴まれ易い。
アームレストか肘掛けか。
微笑んで見上げて俺を凝視しているのは、不愉快な現実に耐える為。
（こっちみて）
メイド五人衆より余計に魅て触れて。
――――――――――よろしい。
（様を観なさい）
メイド五人衆に触られてるのを誇示。
・・・・・・・・・・おいおい。
二人の性格が出てるな。
顕すのは性癖だけにして。
俺がコントロールするのか。
してるが。
理性で判断している。
俺に権利として要求する。
やっと此処まで慣れさられた。
今までは、つい、だった。
ワガママは健康の証。
言わせて潰すのが躾。
懲りさせぬワガママ。
これからは、敢えて、だ。
その視線を受ける俺。
解っているよと判らせる。
俺の視線が追う先を追わせて。
魅せたい処を察しているのを観せて魅せる。
――――――――――裾が無い裾捌き。
他を魅ている主に気が付かされた猫みたい。
・・・・・・・・・・涙目可愛い。
そして今、メイド五人衆の番。
スカート丈股下ゼロｃｍ
脚の美しさを誇示する為。
この城では本来の使い途。
日本でもありふれている。
脚の短さを誤魔化す為に。
言うほど短足は少ないが。
プラスよりマイナスの為にこそ努力と金を惜しまない。
霊感商法。
健康。
美容。
信じる者は救われた？
信じる為に救われる。
赤信号、独りで渡れば丸儲け
――――――――――みんなを渡らせ盾にする。
「ブスより多い厚化粧」
止めて差し上げろ。
当のマメシバは、ノーメイク。
好き放題の生活を示す艶やかな肌。
不摂生が病気を生むんじゃない。
――――――――――病気が不摂生を生むんだ。
化粧が必要な女なんか、ほとんどいないと判ったら命に関わる輩もいる。
地球人類の少数派。
「ブスと化粧品産業」
バレるわ餓えるわ。
女は自分の魅力で悦べるようになるけど、女とカテゴライズされるなら。
自滅してなきゃだいたいソレ。
・・・・・・・・・・自滅してるアレも少なくないが。
みんなにマスクを付けさせれば、その下の優劣を問われずに済む。
圧倒的多数派、優でなくとも可以上が不可に協力する訳がわからん。
「自分の魅力を誇ることはタブーにして罪悪感や羞恥心で強制」
先進国ではな。
マスクを売る産業には死活問題だが、所詮は泡沫業界に過ぎない。
禁止することが価値を生み出す辺り禁酒法と酒の関係みたいだなぁ。
「化粧すると地顔が劣化するから化粧無しに生きられなくなれます」
脱いだら凄過ぎテロリスト。
宣教師が衣服を持ち込んだせいで、滅んだ部族があったな。
高温多湿地域で湿った着衣が培養器となり病因が増殖したから。
現代先進国で３０分以上付けたマスクと全く同じ効果を発揮。
病気になる為にマスクして病院にいく、マッチポンプ。
自分は醜いと思い込んで高い金を払ってマスクする。
化粧で肌も肢体も髪も何もかも傷めて本当に醜くなる
傷付けた傷痕を隠す為に薬物を買い続け塗り続け
・・・・・・・・・・可哀想に。
異世界持ち込み絶対阻止。
――――――――――護らねば！――――――――――
迷信から隔離すれば、問題ない。
国際連合異世界文化不干渉原則
――――――――――万歳三唱！
誇らねば！
「女は美しく可愛いく愛らしい
――――――――――逆〃、美しいから、可愛いから、愛らしいから、女♪︎」
【大陸東部北方/青龍占領下帝国辺境領/太守府/占領軍本営王城/内郭正面馬車寄せ/？？？】
「Ｍ-Ｉ-◯-Ｋ-Ｅ-Ｙ Ｍ-◯-Ｕ-Ｓ-Ｅ！」
ボクに相談って
「Ｍ-Ｉ-◯-Ｋ-Ｅ-Ｙ Ｍ-◯-Ｕ-Ｓ-Ｅ！」
・・・・・・・・・・此処で会ったの、偶然だよね？
助けを求めるのは順当だけどさ。
なんで居るのか、って話。
この小さい肢体。
徒歩だけなら。
道無き道を強行。
里に伝わるまで、数ヶ月。
順当に手遅れに為るよ、これは。
此処で会ったのは偶然だよね。
「Ｍ-Ｉ-◯-Ｋ-Ｅ-Ｙ Ｍ-◯-Ｕ-Ｓ-Ｅ！」
――――――――――抱えて走る奴が偶々って。
賽子の目、良かった。
「ＨＥ～～～～～～～-～～～～Ｙ！ＭＥＮ！！！！！」
引きも良かったか～。
ボクは、ちっちゃい娘に頷いてから、とって置きの誤魔化し笑顔を振り撒いて。
「Ｒｅ～～～～～～～～～～～～ｍｅｍｂｅｒ！！！――――――――――Ｍｅ！！！！！！！」
――――――――「喧しい！」――――――――
あ。
・・・・・・・・・・やっちゃった。
