示威(?)行為。
【用語】
『メンテナンス』
:怪我や病気をすればすぐ解る。あの穴が塞がり苦痛が治まるんですよ?凄くないですか人体って。これこそまさにメンテナンス・フリー。ありとあらゆる道具は生きている物でさえもただただ在ることだけにすらマンパワーが必要で油一つも注されねば錆びるし使わない刻には梱包する判断すらしないのに。人体と来たら設定無しにスリープ機能で働かず、必要物質の徴発まで自己判断自律動作で維持出来ない刻は廃棄もしてくれる。そりゃありとあらゆる目的へと重宝される訳ですよ。人件費が一番高くつくってそれリソースが費われてるってだけだから。
人間ほど優れた玩具はない。
楽しいし。
愉しいし。
面白いし。
なによりも、メンテナンス・フリー。
コストパフォーマンスが最高だよね。
そのように出来ると成るは、また違うけれど
――――――――――得意です。
【異世界大陸東北部/占領地域/軍政主府/軍政司令部/軍政司令官私室】
俺は真っ裸も好きですが。
着衣が嫌いな訳でもない。
ダメな服を嗤っちゃうが。
そんな女めったにいない。
センスが無い奴なんか少数派。
普通の人はセンスが好い。
好いセンスとは常識の範囲。
鏡を観てれば身に付いてる。
軍隊の鏡設置率をみりゃね。
鏡を観れない時代も観てた。
互いが互いを観て反応する。
自分を観てこその人なのだ。
そこまで考慮しても無意味。
異常が増えれば社会の終了。
気にしてる場合じゃない。
だからこそ常において、少数派が眼に留まる。
実害は余りない。
観た眼に悪いけど。
避ける目印旗印。
当然、異世界には、そんな服飾テロリストはいない。
俺の眼に映る範囲では。
豊かな穀倉地帯で一番偉い場所。
金に証せば最高のセンスも集まるものだ。
そもそも布を纏う、ではなく、服を着るのは富裕層以上。
服と布。
着ると纏う。
造るか使うか。
それぞれの意味が、全く違う。
象徴と必要。
道具と誇示。
拡散と完結。
地球人類の中ですら極少数派の常識は非常識。布は財産。
刻に通貨。
富の証し。
地球でも非先進国の一般的ルールは、異世界でこそ当たり前。
庶民は服を仕立てない。
気候環境次第で布切れを巻く。
あるいは布切れを詰める。
それは着ることが目的に非ず。
だから真夏は女でも全裸。
北邦の此処でも、そうらしい。
既に春先で、かなり薄着。
まだ夏になったことはないが。
どうして裸族が多いのか。
布屋はあるが服屋はない。
古着が持て囃される理由。
そもそも服が造られない。
肢体を守るだけならば、なんで服かと言う話。
暑さ寒さを凌ぐだけならば。
効率だけを考えるならば。
効果だけを求めるならば。
だから富裕層が求めることは、ちがう。
服を仕立てる。
主に快適さの為に。
それで終われない。
誇示する為に使う。
必要以上の布。
デザインを工夫し出来るだけ布を使って快適さを保つのかが、デザイナーの価値になる。
無駄使いは富の証し。
しかも布は富そのもの。
消耗しても換金し易い。
高級な布は丈夫長持ち。
貯金の一種にすらなる。
利息は付かない貯金箱。
貴金属と意味は同じ。
認められる?
舐められる?
だから服には凝る。
城内多数派のメイドさんたちは、普通のメイド服。
基準は知らんけど、布面積が多くて肢体のラインが目立つ。
布量は肢体を覆う面積で量れて示せるものだから。
布質は肢体に吸い付く滑らかさと柔らかさで誇示している。
証書の様な信用通貨とは違う金銀銅貨の実態通貨。
通貨に等しいそれを纏って尚も値をいや増す魅力的肢体。
異世界、いや中世基準のファッションコンセプト。
信用通貨しかない現代地球は先進国の発想とは真逆だろう。
ましてマメシバ・ブランドの推しは女体そのもの。
だから彼女たちが着ているのは、服じゃない、とのメッセージ。
・・・・・・・・・・着せている、のではないそうな。
メイド五人衆の専用衣装。
推して知るべし肢体を飾る布。
露出を強調するために着せる。
肢体の型が判りやすくする為。
布地こそ力なり
――――――――――異世界基準。
その真逆になる。
軍政司令部の内側は地球の現代先進国。
服は当たり前だが脱ぐのも当たり前。
軍政司令部の外側は異世界の特権階級。
多世界の極少数派は服がステータス。
――――――――――外側――――――――――
そこでスカート丈が股下ゼロcmならば?
もし最も貴い価値に気が付かれなければ?
或いは持たざる者たちが難癖を望んだら?
単に貧しいから剥き出し、と見えないこともない。
そう為り得ることは、仕える身には気になるよね。
そりゃ室外では隠すよなぁ。
良~~~~~く魅ないと解らないかもしれないし。
知らん奴に魅られたくまい。
だから室内外の出入りが面倒になるというコスト
・・・・・・・・・・いや、似合っているんだから、手間暇かけて己が肢体で魅了出来る、つまりは許容範囲なのかな?
――――――――――内側――――――――――
実力を隠さず魅せる。
楽しかろう。
誇らしかろう。
愉しかろう。
魅せる処それ自体が。
後で無理矢理、尋ねてみよう。
うちの娘たちほどではないが。
メイド五人衆も嘘は吐けない。
俺やマメシバの機嫌より優先すべきことがある。
鳴きながらでも、感じたママに叫ぶくらいに、理解させて良かった。
メイドさんたちは特権階級より下。
だが仕える相手に全てを合わせる。
生きた家具とは伊達じゃないのだ。
主が着るんじゃないから凝り易い。
観た目に楽しい資産の蓄積となる。
そら、脱ぎたくなるわ。
特にメイド五人衆も、まだ十代後半。
俺の前でくらい気を抜くも良し。
全裸で過ごすほど親しくはないけど。
それはこれからの課題になるだろう。
うちの娘たちみたいに、気を抜かせるのは、時間の問題だから。
改造メイド服は、第一歩。
着衣の上肢にも風通しは良い。
下肢ほどではないけれど。
それに着ていても魅力的だし。
全裸の方が好ければ問題。
デザイナーが無能ってことだ。
幸いにして、それはない。
言葉に出るほど魅力的だから。
俺の好みだけじゃなくて。
マメシバの趣味嗜好もあるが。
多世界一般的に、魅力的。
さすがにマメシバ・ブランド。
美しさや可愛らしさが多世界共通ってことだな。
そりゃ優れた者や有益な物の基準が同じだから。
それを受け入れるのが人間と似た動物である限り。
実際、自覚は在るようだ。
メイド五人衆は衣装をアピール。
うちの娘たちは肢体をアピール。
自信の誇りに現れる違い。
メイド服は元々、露出が少ない。
もちろん魅力的な肢体なんだが。
メイド執事は生ける家具って位。
容姿に特別優れていないと無理。
当然、長所はアピールするもの。
股下ゼロcmの意味。
特別に綺麗な下肢。
うちの娘ほどに非ず。
それは比べるのが無意味だけど。
完全美のエルフ。
近いハーフエルフ。
人間種の特別製。
比べてしまうだけで、メイド五人衆の容姿が解る。
比べられるくらいに魅力的。
普通の女なら眼中に入らない。
邦内で指折りの美貌ってか。
人間の可能性は限りないなぁ。
ただ、まあ、軍政司令官周りだと、ね。
――――――――――人間を超えた肢体ばかり。
エルフ。
――――――――――誰より優れた恒常性維持機能がもたらす、異世界美の究極。
ハーフエルフ。
――――――――――エルフに等しい健康な肢体が産む美しさと人の親しみ易さ。
魔女っ娘。
お嬢。
・・・・・・・・・・人間だけが持つ馴染と人間内最高峰の可愛らしさは身贔屓という無敵のパワー。
もちろん、比べていると知らしめる。
メイド五人衆へ。
――――――――――自信を付ける為。
うちの娘たちへ。
――――――――――自負を積む為。
メイド長たちへ。
・・・・・・・・・・邦内最高美女だ。
メイド五人衆を、改めて魅比べると。
メイドさんたちの中で上から数えるべき容姿。
メイドたち自体が容姿の上澄みだが。
肌艶。
髪潤。
薫肢。
誤魔化しが効かない頭骨の良形がアップにした髪から覗いてる。
子どもらの入浴を手伝ってもらうからスタイルの好さも魅える。
特に訓練の行き届いた物腰は容姿の中でも特に重要に観せてる。
そも王城務めは邦中から集められた美男美女から選抜される。
女なら十代半ばから後半。
男なら十代末から二十代。
メイド五人衆はちょうど女性の最盛期。
中でも取分、何を仕出かすかだいたい判る、異世界からの侵略者の、この邦を占領している自衛隊じゃなくて、国際連合軍の司令官を直接に手伝ってくれるメイドさんとなれば
・・・・・・・・・・俺が選んだんだけどね。
メイド長からの推薦は後。
街で誘拐されてた彼女ら。
偶然に救えたのが、俺ら。
トラウマ潰しに此処配属。
・・・・・・・・・・この娘ら気になるよねぇ。
だから必ずしも、調度品として選んだ訳じゃない。
特に容姿に優れているのはたまたま幸運だった訳。
それでも引け目を感じてしまうのはたまたま不運。
ただ、それでも誘って良かった、と言い切れる。
メイド五人衆は
――――――――――諦めてないからだ。
ちゃんと容姿をアピール出来てる。
俺へ。
皆へ。
優れていることを知ら示して誇る。
良し。
好し。
善し。
これは安心出来る傾向だ。
なんだかんだで十代だし。
いや子ども扱いではなく。
子供がいない異世界前提。
保護を強いるだけのこと。
俺やマメシバの管轄だな。
――――――――――主に勝手にマメシバだが。
それが分散しているメイド五人衆の共通衣装。
分散は、ただ主をフォローし易い様に。
溶け込まずに目立つ為にあるユニフォーム。
共通衣装で立位置を強調するのがマメシバ流。
迷彩服なのに歩哨が妙に目立つ理屈。
まあ歩哨は威嚇の為に目立ってるんだが。
本当に警戒してるならアンブッシュ。
建前だけで別けてるつもりの紙芝居より、正確な異世界。
人間関係。
所有関係。
事物人物。
では、メイド五人衆の威嚇ってか、アピールタイム。




