勝者の論理。
【用語】
『画餅』
:絵に描いた餅。出典は魏史「選挙莫取有名。名如画地作餅、不可啖也」より。実利実証主義の魏国らしい言葉。無意味の言い換えは様々だが「その物に価値がない」という言い回し。「その者に価値がない」なら豚に真珠とか満腹にフルコースとか遺した側から観た遺産とか。つまるところ需要と供給が噛み合わないとゴミ以下、というか存在しないのと同じ。「性欲が無い者にとって異性とは在るのか」と考えれば「性欲を生み出さない者は異性足りえるのか」となるのだがまあ答えを認めるか否かは地面に描いた餅を無視するか食べるフリをするかくらいの違い。
『もしも、ですが』
端から観たら唐突マメシバ。
――――――――――刺激的でよろしい。
コイツ自身は唐突だと感じておらず。
普段は、もっとゲームに徹している。
計算して男と接しているんだろうに。
今はただ内部思考が溢れ出てるだけ。
うちの連中、軍政部隊の部下たちと接する刻は、まるで違う。
一ヶ月半前、初めて会った頃は俺にも同じ様に計算してたが。
敢えて目の前で被り猫を脱いで魅せていやがる、ってことだ。
隠すより露るるはなし。
目立ちたかったら隠して魅せる。
悪目立ちする普通の女。
欠陥を覆って塗るから判り易い。
魅い出させるマメシバ。
自分だけの欠落を貴男にだけは敢えて隠さない/隠せない/隠していない、と魅せ付ける。
俺には使えない。
常に計算する趣味がない。
やるなら敢えて。
常に対象となる数が多い。
複数の女が同時。
これは費用対効果が悪い。
けど、汎用性が高いテクニック。
ピンポイントで数を絞れば高確率。
良い女が良い男を狙う刻に推奨。
・・・・・・・・・・うちの娘たちが見倣う訳だよ。
『自分より良い男が居たら、どうするんです?』
俺は呆れた。
まだ続いてた、ではなくて。
「ほんと~~~~~~~~~~~~~~~~に、オマエ、女でしかないのな」
ロジカルに口説けないから、処女なんだよ、オマエは。
『はぁ?』
鏡を観るべし。
身の程知らず。
良い女の特徴。
「女がどれほど魅力的か全く解ってない」
『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?自分が魅力に溢れていることにこれ以上自覚的な女なんかいませんからねぇぇぇぇぇ?エルフちゃんと戦えますし肢体を小さく出来ない以上ロリータ二人には特殊性癖の壁が高すぎで対抗は出来ませんが住み分けできますし』
エルフっ娘と勝負を考えているところが心配やら安心やら。
「たんねーよ、求め訴えられている自覚」
これは女全般へ言ってることなんだが。
だから簡単に、戦意を喪失する。
良い女が、より良い女に、不戦敗とか。
簡単に観えているだけかもしれないが。
圧倒的な格差は勝負を決めない。
一夫一婦とか人類の例外規定も在るが。
それはむしろ好都合でしかない。
不自然は歪みを強め反動は助走だから。
むしろ自然条件だけでする勝負の方がキツい。
容姿に差があることで、戦場が異世界に感じるからだ。
戦い、いや闘いでも競争でも良いが、を降りてしまう。
こちらから口説く刻に邪魔になるから止めてくんない。
『問いに解えせば、もっと求められて挙げた上に、その訴えも聴こうじゃないですか』
カモがネギ背負ってやって来る。
――――――――――言い換えよう。
処女が見栄張って玩具になる。
・・・・・・・・・・コレコレ。
簡単な事実なんだがな。
女だから解らない。
解剖学の御話。
「女は個体差が少ない」
男に比べてな。
「類似品は幾らでもいる」
マメシバの専門分野。
良い男の方が少ない。
類似品が少ないから。
つまり?
「良い女は、余る」
良い男が幾らいても、絶対数が少ないから、良い女を全て消費出来ない。
「周りが良い男ばかりなら、かえって好都合」
見合う女たちが集まり、それ故に余る。
「俺でも良い女を採り続けられる」
良い女は大変だ。
少ない良い男を、より多い良い女が争う。
型落ちの代替え品は、まずない。
・・・・・・・・・・男とは、真逆の立場に立たされている。
だから良い女同士は、決して共存出来ない。
レベルに差がある者同士なんて持っての他。
時に戦意を失って狩ることも出来なくなる。
負けて無い負け犬。
こうなると口説くのも大変。
引き出すのが困難。
別に無理やり出さんでいい。
ナンパ対象外だな。
見ず知らずの女なら、最初から最期まで知らないから、どうでもいいのだが。
――――――――――女の子で遊ぶ刻に最も気を付けるべき。
見知った相手が、この有り様じゃ放置するのも気の毒だろう。
だから先手。
うちの娘たちが女に為る刻、負け犬にしないように。
油断は禁物。
超絶美ょぅι゛ょ美童女美少女でも、負け犬に為れるのだから。
「手を伸ばさずとも手にいれているのに」
女にはポンコツが多い。
・・・・・・・・・・嘆かわしい。
それが女の形だけしているなら望ましいけど。
『愉しむ力を持つ男だけが獲られる踊り喰い』
その欲が無い様な者は男って言わないけどな。
――――――――――自覚すべき。
笑顔なんか無くとも、求め訴えられていると。
『じゃあ無理やり自覚を強いてもらいましょうか♪︎』
【異世界大陸東北部/占領地域/軍政主府/軍政司令部/軍政司令官私室】
俺ほど上質な観客はいまい。
頑張れColorful!
頑張ることは好いことだ!
頑張る皆を応援してます!
俺は頑張らないけれどもね。
皆が右向きゃ俺、左。
皆が我慢、俺は御免。
皆が頑張る俺、応援。
そりゃそうだろ?
俺は皆の死角を埋めてあげる。
同じ方向を向く部隊は要らない。
言われて解れ当たり前の社会常識。
自分と他人の利益を一致させるのは大人の嗜み趣味嗜好。
結果、破滅するのは、ソイツに感謝。
犠牲を引き受けてくれて有り難う!
刻にそちら側へ誘導したりもするが。
貴方たちの英雄的自己犠牲に感謝!
だけど皆がやる気になってるから善し!
魔女っ娘は最初からフルスロットルだ。
やっと、なのがColorfulたち。
やる気になってるからこそ仕草が違う!
だから背後から魅ても、全く隙が無いほど隙間だらけ。
どんな方向、どんな所作をしても必ず俺からは魅える。
どのように何を何処から魅せられるのか教育実験済み。
頑張ってる頑張ってる。
可愛いのはハーフエルフだから、だけじゃない。
うちの娘らだからだな。
マメシバ曰く。
「観られるんじゃなくて、魅せるんです」
装うは攻撃也。
長めの耳を真っ赤にし。
ハーフエルフはエルフより耳が短い人より長い。
耳に感情が溢れている。
全身の毛色は各処おなじ。
白。
朱。
翠。
蒼。
橙。
白いキャンバスに映える。
皆、髪は腰丈。
愛玩奴隷だけに、持ち主が決めるスタイル。
俺、持ち主。
異世界側の法律慣習からすれば、そうなる。
国際連合の軍属。
お城の奉公人も軍属だけどね。
奉公人は文民扱い。
――――――――――非戦闘員。
業務委託の民間人と言えば判りやすいか。
Colorfulは文官扱い。
・・・・・・・・・・戦闘員。
戦争遂行上必要な個人とみなされる。
責任は国際連合。
責任者は俺。
責任は自分自信。
産まれた刻から、ず~~~~~~~~っと魅てると伝え続けて早、一ヶ月半。
だから俺はColorfulのスタイル/ファッションに口出しをしなかった。
Colorfulが俺の好悪しか考えて無いとは、魅てりゃ判ることだから。
しなかったら、マメシバが言いたい放題していた。
何故にと言えばマメシバ。
お人形遊びが大好きです。
それが本物の子どもなら。
子ども遊びは大好きです。
俺の周りの女は皆コレもんですが、俺の財布を使って当然なのは、良いけどさ。
「彼が貴女に贈ってくれた意味が解りますよね?」
・・・・・・・・・・とかなんとか、うちの娘たち以外にも囁いてた。
そら、うちの娘なら、どんなファッションでも喰い付くわ。
強制じゃん?
俺が言うよりマシ?
そうかなぁ?
俺も騙されてるか?
そら、被占領民なら、どんなファッションでも受け入れる。
甘言で釣るのは呼吸とおんなじ。
――――――――――ほんと~~~~~~~~に、モテる女は皆、同じ。
Colorfulたちが踊らされているのも宜なるかな。
磨き上げられた肢体を更にブラッシュアップがマメシバ。
但し手を加えるだけではなく、敢えて手を加えない加工。
髪がロングのままなのは、選択肢を増やしたいからだな。
差詰めマメシバは、自然が描いた絵画を飾り売り込む画商、かな。
ならばエプロンは額縁?
ある意味、絵そのものより価値があるやつ。
美術品より芸術性が高いなんてありふれてる。
額縁を魅るために絵を嵌めることがあるくらい。
とはいえ、エプロンはマメシバ・ブランド。
あくまでも料理を引き立てる御皿が服。
白。
朱。
翠。
蒼。
橙。
料理より魅力的な皿なぞ、あり得ない。
マメシバならば、そんなゴミはナンタラコレクションに廃棄すりゃいいんです、と言っていたが。
ブランドって基本、本末転倒だよね。
・・・・・・・・・・既製品なんだから、靴/服/小物に身体を合わせろ!って軍隊調にならざるを得ないんだけどさ。
服を着るのが特権階級だけな異世界には、ファッション・ブランドなんて発想自体が異世界。
服というのは唯独りに対して創る物でしかない。
服に自分を合わせるなんて狂気の沙汰を思い付けない。
服だけじゃなくてアクセサリー類も、なんだが。
まあ元々ブランドって考え方が大衆専用なんだけれど。
個人という概念が無い世界
――――――――――発想からして個人向けしかない。
個人という概念の推奨世界
・・・・・・・・・・故に選べぬ大衆社会。
個人という概念を選んだ者
――――――――――その代表者が異世界に来る訳だ。
だからこそマメシバ謹製、纏う者独り独りをこそ際立たせるファッション。
タイトスカートの様に締まりのない身体と動きを矯正するシロモノじゃ、こうはいかないな。
「魅力あふれるヒップラインを特定の男に魅せてるんですから!」
タイトスカート、マメシバの自己主張。
いわゆる、とも
――――――――腰部、臀部、後肢――――――――
乗馬用語。
そこがポイントらしい。
自分にも自信だけじゃない、マメシバが創作意欲マシマシ。
さらに自分様の予算を取る気だな。
元々クソダサ女性自衛官制服をコスプレ風味に改造しているくらい。
・・・・・・・・・・さては、異世界の美少女美童女美幼女にフレアスカートを採用したのは、差別化して自分アピールの為か。
マメシバの普段着。
陸上自衛隊女性正服マメシバ・バージョン。
ともに沿ったタイトスカート。
剥かなくても細工無しと判る形。
風呂場で一緒した刻、魅てるし。
バスタオルで魅せたい部位強調。
なるほど。
それがともになる訳か。
地球人類の女は自分だけ。
タイトスカートも自分だけ。
裾丈が長め。
絞まりはキツめ。
ただし肢体は抑えて圧さない。
作為の無い下肢をアピールする作意。
その為に、この場の衣装、女物を支配下に置いたのもマメシバ流。
利己と利他は同一の概念に過ぎない
――――――――――って訳。
ならばメイド五人衆の衣装デザインにも、凝るわな。
いちいち入口で着脱するくらいに。
「キャストオフって言うんですよ?」




