混ぜるな自然/Do press! Do push it!
【用語】
『イングラム』
:ハイパーテクノロジーの急速な発展とは無関係なサブマシンガン。マシンピストルとも言う。拳銃と小銃/機関銃の中間がサブマシンガンなら、サブマシンガンと拳銃の間がマシンピストル。小さく軽く運び易い。小さ過ぎず自然に両腕で保持出来る。だからフルオートでも銃身が安定し射線を操り易い。イングラム・シリーズの特徴は、このサイズで.45ACP弾がデフォルトなこと。9×19mmパラベラムなんかで殺してるほど暇じゃね~よ38口径拳銃弾なんか非殺傷威嚇花火だろ?って戦場から苦情が殺到するサブマシンガン事情でこれは凄い。トンプソンみたいに、ドワーフパワー無しに人サイズをミンチに出来るんだぜ?なお.45ACP弾は国際連合軍銃器で最小威力である。
異世界に優れた肉体が多いのは、遺伝子の混淆に人為的制限がないからです。
血統を基盤とする氏族以外に家族制度がそもない。
総人口の9割以上に親子兄弟姉妹の概念はない。
しかるに氏族自体が優秀な個体との混淆に積極的。
外婚制と内婚制のハイブリッドが成り立つとは。
自然制限は在りますよ。
栄養制限。
移動制限。
人口制限。
地球の先進国より狭い。
だから今後も差が広がるでしょう。
・・・・・・・・・・人為的制限を撤廃するのに数世代かかりますから。
地球人類の人為的制限。
その方が範囲を狭めてます。
異世界側の制限は魔法が撤廃中。
無い物ねだりは出来ないとして、
――――――――――存在する可能性は全て組み合わせ続けてますからね。
帝国が知性体に品種改良の発想を導入したから?
・・・・・・・・・・それは加速させただけでしょうね。
無制限は在りと所有種の原理なんですが
・・・・・・・・・・例によってカルト宗教団体の信徒囲い込み。
それが無かった、生じない世界。
まあ地球人類の半分以上と異世界。
人間の品種改良が当たり前なんです。
肥満が無いのは食糧事情じゃありません。
未熟児がないのは魔法のお陰じゃありません。
虚弱体質そのものが無い理由はもちろん。
種としての質の問題が無いから。
病気を治す。
病気を防ぐ。
どちらがどちらか、わかりますね。
だから基盤となる肉体は最高値を更新し続けています。
栄養状態や人種の違いで比較を免れていますし個々例外はあれど
――――――――――彼方側から観れば奇形の集団に観えるんじゃないですかね。
【異世界大陸東北部/占領地域/軍政主府/軍政司令部/軍政司令官私室】
俺しかおらんのに。
――――――――――だけど、魅せる。
園遊会で着飾ろうと。
寝起きに真っ裸でも。
何かの役を果たす刻。
常に変わらぬ、うちの娘たち。
偉い人たちの、自然。
俺が相手だから気を抜いてるのに。
それでも、なおコレ。
代を経た階級が美男美女ばかりなのは、常に観られているから。
因果の逆転とはコレ。
改めて魅せる必要もないのに。
真っ裸でも可愛いし。
うちの娘らに魅了するなとは呼吸するなということなんだろう。
される俺は愉しいだけ。
してる娘たちは大丈夫?
大丈夫に持ってくのが俺!
俺なら気遣い不必要。
・・・・・・・・・・俺以外なら尚更。
俺以外の皆さんは。
そも観てないし。
視てるのは俺だけ。
そも魅せてるし。
うちの娘たちは皆、一人一人が違うことをしながら、同じ土俵。
エルフっ娘は俺の頭に顎を載せ。
背後から構ってとアピール中。
周りを観てない、感じてる。
家族への脅威以外は無視する構え。
お嬢は俺の膝に跨がり上目遣い。
俺の顎下に合わせてアピール中。
肢体をピッタリ重ねて擦り付け。
家族を信頼し放置する構え。
二人とも、自分の出番は無し、と割り切ってる。
今は料理の刻だから、魔女っ娘の独壇場って訳。
サポートはColorfulが一番って判断か。
まあ、解る。
エルフっ娘は面倒見が良い。
魔女っ娘との相性は抜群だ。
専門外でも対応可能。
お嬢は面倒見の権化の様な童女。
お嬢様なのに手ずから菓子造り。
お嬢自身が器用なのを隠さない。
二人がいれば、魔女っ娘のサポートは十分だった。
俺たちが侵略するまでは
――――――――――料理は数が必要になった。
極少なりとは言え部隊が駐留してるから。
増強小隊一つに糧食班は、あり得ないが。
交代で自炊だから、腕を鳴らしてた、俺。
魔女っ娘に出会うまではね。
・・・・・・・・・・初日じゃねーか。
以後、可能限り軍政部隊の食事はお任せ。
魔女っ娘料理を独占したら叛乱か起きる。
鎮圧する為に御裾分けで部下の懐柔必須。
全盛期兵士15人前。
育ち盛りが8人前。
最低限23人前。
今日みたいに、いつもよりも、たくさん要る刻もある。
魔女っ娘一人じゃ手が足りない
だから人手が集められる。
魔女っ娘はシェフ。
下拵えは基本的に城の奉公人で足りる。
今や王城内で暮らす人々は多い。
占領軍。
参事会。
奉公人。
宿泊客。
王城の厨房は王城の奉公人独占。
大量に用意される下拵えの中から即興で魔女っ娘が選ぶ。
元々、種類が多いらしい。
だから特注したりしない。
すべきなら手造りらしい。
これなら自白剤を常用させなくても、毒物攻撃は無いな、規定は変わらんけど。
エルフっ娘が出ると、Colorfulが引っ込む。
エルフに引け目を感じているのはハーフエルフ故に。
エルフっ娘曰く、Colorfulはまだマシとか。
比べると解りやすいが。
異なる肌触り
――――――――――吸い付く感触。
心を打つ響き
――――――――――耳に馴染む声。
眺めたい肢体
――――――――――弄りたい肢体。
もっとも転がしたいのは、お嬢や魔女っ娘なんだが。
面白いからね。
ジタバタ感が。
小動物だから。
そんな、ちびっ娘代表、お嬢。
お手伝い、には向いてない。
仕切り屋、が似合ってる。
年齢じゃなくて、経験だ。
だから何もしない。
――――――――――これが如何に難しいことか!
仕切る必要がないからしない。
こういうところが素質だよな。
それをアピール、するところ。
俺に甘えて不介入をアピール。
俺しか視ないと観せ衒らかす。
俺以外はマジになってますよ。
誰にも誤解させない
――――――――――しかも、命じていないとか!
現場の動きを縛らぬ為に。
・・・・・・・・・・幹部上級課程で怒られました。
指揮官が果たすべき最初の任務は指揮をしないこと。
まだ三尉だってのに放り込まれたのは第五普連八甲田演習に連行されたのと同じく三佐の悪戯
――――――――――命賭け。
命賭け以外を認識出来ない人もいるんですよ。
お嬢なら指揮幕僚課程までスキップしそう。
周りを遇うスキルも必要だからな。
実務能力特化の魔女っ娘やエルフっ娘との違い。
だからこその指揮しない才能。
お嬢が観ていたら、相手には視てると思われる。
魔女っ娘が萎縮しColorfulが怯える。
だから敢えて俺に甘えて観せ視てないアピール。
6人を観続けてるのは俺だけ。
魔女っ娘。
Colorful。
一人と五人。
料理天下一と弟子、いや妹子かな。
張り切ってるのが解る。
気合いが入っております。
緊張でないのが微笑ましい。
部屋に居るのは家族みたいなもん。
俺。
お嬢。
エルフっ娘。
そしてColorful。
メイド五人衆も視てはいる。
俺ら皆の中間的な間合い。
広い部屋に散開し相互支援。
視えて届いて気付く範囲。
イングラムを持たない不思議。
新隊員の作戦行動みたい。
教本の通りにだけ出来る。
だけ、と、出来る、が重要。
基本も応用も回答は同じ。
イレギュラーは上官が対処。
それ以外はやんないけど。
余計な知識を持たない隊員。
味方殺しは知ってるつもり。
その前に殺すか叩き出すが。
新隊員を視れば部隊が判る。
棄て駒にするのか粛清か。
部隊単位で一蓮托生。
メイドを視れば御城が判る。
拠点に使うか爆撃するか。
独りも遺さす皆殺し。
メイド五人衆。
メイド長。
メイド。
うちには来ない、執事や下男下女の皆さん、観たことあります。
・・・・・・・・・・殺さずに済んで良かったな。
皆その役割を果たしていた。
メイド長、執事長の薫陶。
広い部屋の中メイド五人衆。
素人目にさえも判り易い。
いつでもすぐに応えられる。
だから気にしなくていい。
メイド長曰く、メイドは美しく生活を彩り快く楽しませ特別に悦ばれる為にだけ在る、俺の為だけに特別な物として設えられた最高の調度品、らしい。
・・・・・・・・・・下から物凄く突き上げる自負の高さが素敵です。
――――――――――それってメイド長もですよね?
・・・・・・・・・・使用人ってのは下男下女とは異質の存在なんだ。
地球人類史上例外な先進国の常識を持ち込まない様に、注意。
――――――――――例えば?
お礼を言ってはいけません。
使用人を侮蔑することになります。
有り難うと同じ意味だから。
出来る訳が無いとオマエ如きに期待もしなかったが、偶には出来ることもあるのか、と。
ならばどうする、当たり前。
普段は、褒める。
技能。
容姿。
存在。
何でも構わない。
特段は、誉める。
功績。
努力。
忠誠。
何をと規定して。
メイド長や執事長の反応を視れば、間違いない。
まあ現代日本でも、豊かなまま続いた旧家では、こんなモノだが。
傅かれる人って大変なんだと感じてないから特権階級なのであって、最初からソレじゃないと真似しても貧乏人から嗤われて特権階級から面白がられるんだと思い知る瞬間。
だから居ない扱いらしい。
・・・・・・・・・・メイドさんたち。
皆それが自然な階級ばかり。
・・・・・・・・・・俺以外の、全員。
無視とは違う。
その美しさを楽しむ。
その配置に頼る。
その存在が当たり前。
不可分の一部。
・・・・・・・・・・本当に、家具だな。
華麗な御城。
美しい部屋。
居心地好さ。
「「「「「♪︎」」」」」
――――――――――俺はメイド五人衆の一人一人をじっくり眺めながら、メイド長に感心。
空間の演出家だな。
そこで暮らす俺たち。
うちの娘たち、俺。
引き立てられる。
「ひゃん!」
愉しくなり、背後の心音に向けて、頭をバウンド。
「うぅ~!」
膝上に敢えて観せて造った妬みの視線、口を塞ぐ。
「「「「「!」」」」」
Colorfulの過剰反応は、思い出させたかな。
料理のサポートをしくじらないのは、宜しい。
「♪︎~~~~~~♪︎♪︎♪︎♪︎」
魔女っ娘マイペース。
シェフは料理を通して、のみ、世界に関わるもんだ。
可愛いなぁ~
――――――――――慌てて料理に注力するColorfulも。
「――――――――――♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎・・・・・・・・・・」
「膝元わしゃわしゃイッてるから!」




