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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十九章「帰郷作戦」

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912/1003

高度に発達した迷信は科学を称す/pseudoscience.

【用語】


『ユーザーインターフェース』

:デバイスの画面を見てみよう。あれのこと。アプリケーションの画面を見てみよう。あれのこと。つまり最も目立ち最も楽に弄れ最も手をつけてはいけない部分。なんど馬鹿を馬鹿と罵倒したことか。よほどの問題が無ければ稼働中のUIを弄ってはいけない。だが凄く良く弄られます。誤操作の元になる部分は手をつけないクセに。やらかす奴らが馬鹿だから。いえ、仕事したフリをするには最適なんですけどね。予算を盗るため、上の機嫌を取るため、自分たちの無能を誤魔化すために。会社や役所の内部システムなど競争相手が居ないジャンルで部署が生存確認してもらうために、良くやります。ペーパージョブと言って仕事してるフリでも、もっと簡単で誰にも迷惑をかけない方法が、いっぱいあるんですけどね……本気で仕事したがるから顧客泣かせ。産まれて来なくて良かったんだから何も(呼吸)しないで善いし、なんなら会社の近所でボランティアしてていいのよ?いやまあ、IT系って能無しの国から無能を広めに来た昆虫なんですが。


しない。

しらない。

結果は同じ。


出来る。

出来ない。

結果は同じ。


罪。

過失。

結果は同じ。


悪者は更正できる。

愚か者は進歩できる。

結果はどうなったのか

――――――――――貴方の周りを観れば判る。




【異世界大陸北東部/帝国辺境領/回復予定領/割譲可能領/作戦周辺領/低要度・高危険度区域/斥候周回範囲/???】


料理の刻に、よく観る光景。


鮮やかな赤。

黄色い白。

暗い赤。


懐かしい色、と言うべきか。


魚なら色合いが違う。

虫の類いは色が違う。

鳥も意外と色見違い。


その辺りは通り一辺の知識。


人。

豚。

牛。

亀。

竜。


この辺りは動物なら皆同じ。


やっぱり新鮮な物が良い。

色も匂いも形ですらも。

数日置くだけで悪くなる。


肉の熟成、と言われる行為が異世界にはない。


肉の旨味を増す、と()()()()()()

()()()()()()なんて非科学過ぎる。

実際のところは、気の持ちよう(錯覚と自己欺瞞)だ。


狩猟民族そのままが支配階級に就いた異世界。


そりゃ肉を腐らせない。

その場で喰うのが一番。

その日に加工して終う。


上に倣うのが下の常、それこそが多世界共通。


流通は遅く保存は拙い。

魔法は大衆化してない。

科学技術はまだ未発達。


新鮮な肉や魚が手に入らないならば我慢する。


それこそ当たり前だが。

ファンタジー故のこと。

魔法使いとリアリスト。


奇跡と魔法が実在するから、信じたりしない。


奇跡が無いから信じる。

魔法が無いから、疑う。

科学のファンタジスタ。


地球人類史では神様だって信じられてるんだ。


肉の熟成(腐敗)くらいなにか。

科学が進歩して尚続く。

どうしてこうなったか。


腐った肉しか得られない欧州都市事情が原因。


香辛料ガンキメと同じ。

舌をバカにするために。

言われているをキメる。


手に入る物を最上と言い張れば慰められよう。


狩の獲物を、まま食す。

都市住民には不可能だ。

不可能と認めることが。


それが当たり前な特権階級は彼らとは無関係。


腐肉を売るのが生産者。

商品の悪口は言えない。

むしろ良く言い換える。


腐っているのではなく、敢えて熟成させてる。


何も知らせず高く売る。

何も知らない都市住民。

何も知りたくない、か。


全体の一割以下が一番声が大きく記録も多い。


字に書いてあれば史実。

一次資料と呼ぶらしい。

自称の歴史学者は言う。


()()史料に、()()書いてあるんだから、()()


ネットユーザーかな?

さすがに神話は違う?

何処が違うのだかな?


斯くして言われているが事実のように扱われ。


科学の名前で理屈付。

アミノ酸がどうとか。

検証以前のこじつけ。


パンが無ければゴミをパンと名付ければ善い。


言えば断頭台へ直行。

思えば()()()が同意。

思わないなら裏切者。


腐っているのではなく、敢えて熟成させてる。


みんなでさん、はい。

リピート、繰り返し。

みんなで見張り合う。


先祖代々キミん家は生ゴミを常食したんだね。


そう言われないよう。

気が付かないように。

今も続けなくてもさ。


迷信に科学が乗っ取られるなんて、誰が思う?

――――――――――千年前とは迷信以前。


奇跡が在るから信じない。

魔法が在るから信じない。

神がいないから否定しない。


そんな異世界、華が咲いたような、街角の光景。


実践から遠ざかっている、怪しい彼女。

学校でたまに観たな~、っと懐かしく。

他人から与えられて解体しただけだが。


血と臓物、糞尿すら直後には悪臭ではない。


これでも調理は得意な方だ。

味に拘るのが推奨されない。

それ(職業意識)これ(趣味嗜好)とは別のことだ。


どんな粗食にも耐える、のではなく。


当たり前、として受け流す。

それは教えてもらっている。

むしろ当たり前だったけど。


何の気なしに飲み食いし味合わない。


それでこそ示しがつくもの。

だが、出来ないとは大違い。

士気に関わる事なのだから。


味が判らないなら呆れられるだけだ。


悪衣粗食を常と見なさせる。

それが説得力を持つ指揮官。

煖衣飽食に明け暮れてこそ。


もとより貧乏人じゃ耐えてはいない。


共に耐える、が必要な印象。

より耐えてる、でなくては。

だから耐えさせられるのだ。


まあ勝ち戦ばかりだと、机上の空論。


あくまでも心構えで終わり。

そうなって、早くも半世紀。

怪しい彼女の料理は趣味だ。


いずれ部下に食べさせる、のだけど。


それはそれ。

これはこれ。

仕事は趣味、趣味は仕事。

――――――――――でなければ生きる理由が無い。


だからこそ、近い物は良く観る。

羊を捌くのは得意だ。

新鮮な血と内臓は、とても旨い。


ただ、此れは食えない、怪しい彼女。


新鮮な肉。

鮮やかな血。

透けてる骨髄。


即死させただけに雑味も無いだろう。


誰が殺った?

ドワーフが。

どう殺った?

大斧の落下。


短躯太身のドワーフ。

その身を覆う大盾のような大斧。

柄の短い(まさかり)のような。

ドワーフ謹製の鋼が質量の大半。

柄の付いた刃みたい。


ドワーフの筋力と重心の安定性で扱うと、打撃と防御が渾然一体。

7.62×51mm弾を斜め上左右に弾いて進みたがる訳だ。

尚、下に弾くと地面からの跳弾で自殺行為になりかねぬ。

・・・・・・・・・・タンクって、そーいう。


弾丸込みで数百kgのミニガン(M134)を片手で振り回せる。

敢えて両腕両砲二丁持ちしたがるドワーフパワー。

打撃力全フリは人間サイズの戦車に等しい。

・・・・・・・・・・タンクって、そーいう。


現代火器との相性抜群なドワーフ。

だが伝統的な武装を捨ててもいない。

・・・・・・・・・・ミニガン、トンプソン、斧。


それは街中で響かせている金属音。

わざわざ斧を叩き合わせてアピール。

――――――――――()()()()()いる?


単なる趣味嗜好ではないらしい。

いや趣味嗜好だけではない多分。

実際に使って観せた、ドや顔で。

・・・・・・・・・・やっぱり趣味嗜好?


怪しい彼女は、そう思わない。


敢えて竜殺しは使わなかったのだろう。

――――――――――怪しい彼女を殺さない為に。


青龍は力を誇示しない。

誇示していないつもり。

殺して観せず予告なし。


ただ無くなるだけ。

人々が。

都市が。

邦々が。


数十万の軍勢が、突然、消息を絶つ。

街道が途切れた先に広がる均れた瓦礫。

ある方向から誰も帰って来なくなる。


大地を覆い尽くす人の残骸を片付けながら。

見通し良く崩れ積もった瓦礫を片付けながら。

その先からの思い出を誰もが片付けながら。


何も知ることは出来ない。

銃のことは、ある程度、知られているが。

それでも、まだ足りない。

そんな都合に依らずして知らせはしない。


街中で銃を使う刻は、視界の範囲、全てに使う。

――――――――――青龍の貴族、彼が撃たせているとき以外は。


怪しい彼女が知らされる限り。

してみると、怪しい彼女は思う。

ここに青龍の貴族はいないようだ。


観て。

聞いて。

居る。


それを誰もが悟っている。

支配する気が無い支配者。

だから彼女は殺されない。


助ける相手を殺しては本末転倒だろう。

・・・・・・・・・・助けられる必要は無かったが。


怪しい彼女が黒旗団を眺めている刻。

怪しい彼女に駆け寄って来た影。

怪しい彼女なら対応出来る。


まあ対処する必要も無いのだけれど。


怪しい彼女のエスコート役の両替商人。

先ず、彼が気が付いていた。

影は首尾良く逃げられなかっただろう。


怪しい彼女の背後に侍る老執事と魔女。

執事が対処、魔女が警戒。

魔女が守りを固め、老執事が蹴り倒す。


怪しい彼女自身なら、黒旗団を眺めながら反射だけで首を蹴り折っている、ところ。


肢体の力を抜いているのは、反応速度を上げる為。

周りを観ていないのは、観なくても判ることだから。

手先指先で外しやすい装身具は、挨拶代わりの身嗜み。


街に不馴れな金持ちがボゥ~っとしてる。

傍目にそう観えた、いや、観たかったか。

だから挑んでしまったのなら、気の毒に。


その姿を黒旗団も見逃すハズがない。


怪しい彼女を助けるのは、当然だろう。

――――――――――必要は考慮されない当然に。


好意とは、そういうもの。

押し付けであり。

無理強いであり。

余計なこと、であらねば。


むしろ必要ならば好意にはならない。


それは施しだ。

侮辱ですらある。

感謝が必要だから。


邪魔にならない程度ならば丁度よい。


匙加減、好く解る。

料理は上手なのだ。

怪しい彼女は慣れている。

好意を向けられる。

好意を向けること。

――――――――――怪しい彼女の常日頃。


まあ、多少の度合いに差はあれど普通のことではあるだろう。

誰もが常に繰り返すプロセスを、特権階級の力でこなすだけ。

好かれず好かずに生きて居る者なんか、居やしないのだから。


だから青龍の貴族に大切にされても、驚かない。

・・・・・・・・・・ドワーフからの好意ならば驚くが。


街中を練り歩く黒旗団。

敵を刈る真っ最中。

だから見付けた敵の姿。


怪しい彼女を狙うなら、成否に依らずして青龍の敵。

怪しい彼女が青龍の貴族、その人魚を気にかけたから。

怪しい彼女を青龍が気にかけるのも、頷けるというもの。


してみると、怪しい彼女を傷付けるのは、青龍の貴族だけの特権。

それを犯す可能性が無いので無ければ無くしてしまうだけのこと。

味方以外の全てを殺せば世界を平和に出来るだろう、青龍の発想。


だからドワーフの大斧が降って来た。

怪しい彼女の小金を狙った、子供の上から。


そして冒頭の光景に戻る。


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