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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十九章「帰郷作戦」

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ボフォースと言う兵器。

【登場人物/三人称】


地球側呼称《合衆国大統領》

現地側呼称《青龍の大元帥》

?歳/女性

:駐日大使、国連大使兼任。

女性初の合衆国軍統合参謀本部議長で次期大統領候補と目されていたが、祖父以来の縁がある日本へ大使として赴任。その際に家族も連れてきている。

異世界転移後、緊急時の継承順位に従い大統領に就任し在日米軍並び領域の軍を掌握。在日合衆国市民の統率者となる。

代々続く軍人の家系。

娘は文民(弁護士)になったが、孫娘は軍務(空軍F-16パイロット/三沢基地所属)についている。

普段から合衆国陸軍将官の礼服を身にまとう。



問題ありません。


理不尽を嘆くのは先進国特有の病弊です。

そも、幸せも不幸せも、理屈なぞ無いでしょう。

いえ、今、()()()()()こと、それに道理がありますか。


ある日。

ある刻。

ある処。

57mm砲弾が自分や家族の体内を通過したから、どうだと言うんですか?


謝罪と賠償など、いや、説明すら求められませんよ。

そもそも、そんなことを思い付きすらしませんから。






【異世界大陸北東部/帝国辺境領/回復予定領/割譲可能領/作戦周辺領/低要度・高危険度区域/斥候周回範囲/???】


ボフォースである。

またオマエかと。


世界最優秀兵器メーカー。

その大きな大きな一角。


異世界転移した後で本社が残っているとは思われないが。


スウェーデンから連合王国に身売りして北米事業部に移籍した後で、主にスウェーデンで活動している多国籍企業。


本社も支社も代理店も、もはや無意味。


こうなると企業や組織の一端なりと残っていなくとも、製品が使われ続けていればボフォースはあり続けるだろう。


そんな時代に国産輸入って感覚が、もう、ね?

ファーストってナニをどうしたらナニがナノ?


ましてや、安全保障上の理由で国費を民間企業に注ぎ込むとか。

多国籍化を防げば商いにならず、そも国籍が忠誠の証ってさぁ。


そんなことが成り立つなら流通網を政治的にバックアップしていた自国企業で抑えていたのにオイルショックを喰らったマヌケな国はどうしろと。


個人も法人も、優れていれば国家を道具にするだけだ。

さもなければ国家を道具にした連中の道具になるだけ。


おっと、国家も法人か。

そしてボフォースも法人。

互いに道具にする側だ。


それだけボフォース製品は優れている。


以外なことに日米では、それほど使われていない。

もちろん、全く使わない、それは不可能なのだが。


トヨタを使わない工業社会が成り立たないと同じ。

マイクロソフトを使わない情報化社会が以下同文。


だからといって人類社会が成り立たない訳ではないが。

優秀な技術、ではなく製品と生産システムは不可欠だ。


21世紀以後、戦争の可能性は無くなった。

でも、紛争処理はある程度残ってるからね。

兵器無しでは、無理があります、自殺行為。


それでもリアル(兵士の命)を無視するファンタジー(スターリニズム)


「銃は二人で一丁だ!」

って言わないだけマシか悪化か。

――――――――――無理(書類)を通せば道理(被害)引っ込む(隠蔽)


戦後日本の場合、国産信仰がある。

輸出しないなら全く無駄どころか有害。

値段とカタログ・スペックだけ高い国産品。


激しい国際競争に晒されていた日本製品とは異次元駄作。

・・・・・・・・・・国内限定品には偽装が多いが。


それでも90年代までは頑張っていた、現場が。

直後に事切れましたが、現場が。

参謀本部と関東軍みたいな関係で大体あってる。


冷戦終了後は戦争を前提としないオモチャの武器。

官僚選定(スターリニズム)だけに耐久テストまで偽装された偽造兵器。

ソビエト製兵器に良くあるよくあるいつものこと。


配備がされるのか?

果たして動くのか?

スペックはどうか?

全部現場で当日確認するのがソビエトの日常。

――――――――――コストは兵士の命。


何処の国とか。

兵器のスペックがテストされて無い国。

テストしたことにされていた、その国。

それが国産品。


日本スターリニズム人民共和国製トラバント

・・・・・・・・・・「トラバント」はググれば判る。


そりゃ輸入する訳にひいかないわな。

そりゃ輸出したら日本ブランドの恥。

そりゃ自衛隊しか買わされないわな。


好きで買わされてる訳じゃないぞ!

恵まれない自衛官に外国兵器を!

――――――――――――在日米軍備蓄兵器(M14)があるから大丈夫。


だからゴミを買わされているとも言えるが。

鶏が先か、卵が先か。

・・・・・・・・・・では、(合衆国)はどうか。


合衆国には世界最大の軍需産業(死の商人)としてのプライドがある。


まあアメリカ・ファーストなんて思い付ける田舎者、って言うこと。

むしろ他人を嗤っている場合じゃない、と言うべきかもしれないが。

声がデカイ恥は見なかったことにしてスルー推奨、先ずは合衆国だ。


彼の国にはローカルな軍需産業が少なくない。

世界最大の顧客(米軍)にぶら下がっていれば生きていけた。


だから米軍の制式化レースに負けたりする。

海外メーカーとの入札に勝つために必要なこと。


グローバルに売れたことにしてローカルにアピール。

つまるところは米軍へのセールストークの為に海外実績。

・・・・・・・・・・アリバイ造りとも言う。


道理でデタラメな兵器を思い付くわけだよ。

しかも造って米軍に断られて海外に売り付ける。

海外では売れたと称して米軍に再度売り付ける。

どちらにせよ政治力を使った押し売りです。


・・・・・・・・・・最低限の大義名分は必要。

ブランドイメージを失ってしまえば商いに差し障る。

まあそれだけ品質に自信が無いということだが。


オスプレイとか。

・・・・・・・・・・本国でさんざん拒否られた。

F35とか。

・・・・・・・・・・繰り返された悪運で開発継続。

M16系統とか。

・・・・・・・・・・AK47を奪うまでは使われた。


アイディアだけで実用性皆無な珍兵器をバカ高値で売り付けるためには、政治力(押し売り)だけでは無理だから。


戦争が無い時代ならばイメージだけで売れます。

パレード用。

予算消化用。

使い棄て貧民用。


だから実戦前提の部隊だけは実用品を使います。

海兵隊。

特殊部隊。

沿岸警備隊。


国内メーカーの視線を気にして本国には置けないけど。

機嫌を損ねるとペンタゴン(連邦官僚)キャピトル・ヒル(合衆国議員たち)が発狂。

国家内国家たる合衆国軍は忙しいから構いたくはない。


国内に守るべき物も倒すべき敵もおらず。

特権階級と貧困層と移民たちが銃撃戦してる。

どうせ合衆国本土には内戦があっても戦争が無い。

―――――――――そんな処に戦争の備えは要らない。


だから異世界転移した日本列島に、山ほどストックがあった次第。


そりゃ、異なる世界との戦争、に持ち込まれた訳だ。


なお米軍の箪笥預金、いやさ、在日米軍基地にはトンデモ兵器(最新制式装備)以外にも様々な実用品が唸っているが、敢えてボフォース。


新合衆国大統領の方針。

兵器の目的と兵器の種類は少なければ少ないほど善い。


汎用性を求めた兵器で成功した例はない。

最新で言えばF35の様な約束された失敗作。

多様性を極めた兵器体系が敗戦国の特徴。

顧客(戦場)が求める物より自分が求める技術者の(サガ)

ドイツや日本やジオンを観れば判るよね。


創造性が無いから科学者に為れずに技術者留まりなのに、努力だけはしたがるのはIT系あるある。

・・・・・・・・・・UIを替えるって、戦時下に機種転換するくらい無謀だからヤメろ。


そんなことを許さない、のではなく。

許してゴミを本国に棄て、最前線には実用品。


前線の犬死は赦しを請い敢えて続ける。

それを家業にしているエラい人のチョイス。


棄てるべき民兵モドキ(合衆国貧困層)がいない最前線(日本列島)

それが真っ先に異世界に持ち込まれてる辺り。


なるほど。

巻き添えにされたくない。


ボフォース57mm速射砲。


機関砲と呼ばれるのは40mm迄だが。

毎秒4発の発射速度は機関砲と遜色ない。

同じボフォース40mm機関砲が毎秒5発。


40mmの弾頭重量が0.9Kg。

57mmの弾頭重量が2.4Kg。


大砲とは大きな弾を飛ばす火砲。


大きな弾は重い。


その分、威力を増やせる。

運動エネルギーが大きいから。


炸薬やレーダーも仕込める。

大きさとは則ち収納スペース。


だから発射効率は落ちる。

重く大きい物は取扱しにくい。

そこをなんとか取扱うから値が付く。


無理を通して道理を退ける。


それを工夫と言う。

無茶振りと呼ぶのか。

実現出来たのは幸いだ。


速射砲とは発射効率が高い大砲のこと。

先ず大砲として大きく重い弾を撃つ。

発射効率を下げずに上げる出来るだけ。


それを同時に行なうことで意味を生んだ。


人力では限界があるから機械式。

人間は機械の邪魔だ無人が理想。

人の作業スペースを省き小型化。

兵器全般に及ぶ傾向は、此処でも健在。


カテゴリー、速射砲。

速く撃つ砲、そのまんま。


それは立派な大砲サイズ。

機関砲並みの発射速度を実現。


2.4Kgの金属塊が音速の三倍ほどで毎秒4発。

徹甲弾頭。

炸裂弾頭。

榴散弾頭。

焼夷徹甲弾頭など自動切換。

照準発射装填も全て機械任せなのは砲撃判断から。


艦載砲と同じシステムが据え付けられ、港街の全体を射線射界に収めている。


しかしM14ほど余ってはいない。

ボフォース57mmMk2無人砲台。

設置作業も自動機銃よりは難しい。


ベルリンの壁に地雷感覚で設置する装備ではなく。

艦載設備のユニットを丸ごと工事するのだから。

むしろ砲台よりも、給弾装置と弾薬庫が面倒。


もちろん周りを囲う地雷と自動機銃。

弾薬庫補充のルートを確保した上で。

使っていれば足さなくてはならない。


そう。

使っている。

今も。


港街内作戦の支援火力が一つ。

港外内陸からの脅威が無い場合。

港街内標的には57mm砲弾。


12.7mmではなく。

20mmではなく。

ボフォース40mmは敢えて使わず。


だから黒旗団、国際連合軍独立教導旅団、の不定期日常作戦にも使われている。


街区街路には遮蔽物が多い。

自律して動く遮蔽物も居る。

だからこその徹甲弾と言うわけだ。


納得する。

巻き添えにされたくない。


その辺りの事情は、怪しい彼女に判らない。

――――――――――たが、観れば解る。


定期作戦ならば皆が避ける。


道端で頭を抱えるより。

道に出なければいい。


それが出来たらするだろう。


皆が出会して頭を抱えている。

ならば、黒旗団の作戦は不定期だ。


同時同様に繰り返されている。

ならばこそ皆の対処が手慣れた物。


怪しい彼女はボフォースなど判らない。

――――――――――だが、観れば解る。


港街北岸。

良く整備された富裕層の街。

暴動の影響が無いからこそ。

目立つ。


穿たれた街路。

砕かれた壁。

無くなった二階。


これらは馬車に乗っていたとき、良く観えていた。

優美な館の上部構造だけが貫かれて消えた様子。

美しい庭園の其処此処に突き立った石柱壁石。


街を歩いて観れば、更に観える物がある。


真っ直ぐ通って路上の何かを抉り消したのだな、と。

ついでに、壁の破片が高速でばら蒔かれた、らしい。

複数の人の頭ほどの石が人の頭や手足を砕いた痕跡。


標的は消えたのだから、標的以外だろうが。

・・・・・・・・・・それは重要ではない。


皆が頭を抱えて伏せているのは、対処方法。

・・・・・・・・・・実体験はとても貴重。


何度も繰り返され、繰り返すのならば、犬や民でも世過ぎが身に付く。


――――――――――伏せて動くな頭を護れ。

怪しい彼女はボフォースなど判らない。

――――――――――それが何かは解っている。



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