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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十九章「帰郷作戦」

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余命の使い方。

【登場人物/一人称】


『わたくし』

地球側呼称《お嬢/童女/ちびっ娘》

現地側呼称《妹分/ちい姉さま/お嬢様/愛娘》

12歳/女性

:異世界人。大商人の愛娘。ロングウェーブのクリームブロンドに蒼い瞳、白い肌。身長は130cm以下。装飾の多いドレスが普段着。マメシバブランドのギミック満載な服を好む。

久々登場メインヒロイン。「断じて愛されてますから!最初から!!刻々可愛がって頂いてますから!!!……可愛がられているだけなのがふがいなくはありますけど」は間違いない。フィーリア(友愛)だったんじゃないかとか言ってはいけない。ただし今は「()()()」と呼ぶようになっているのでストルゲー(家族愛)と主張可能。ただしそんなことを認めるシスターズ&Colorful他では無いので言ってはいけない。十年経てば全員押し倒されるのは実証研究(マメシバリサーチ)付き。そもそもマメシバがまだ処女なんですが言ってはいけない。ともかく必然なのではあるが3650日を待つ気は寿命無限のエルフすら一秒待てない焦らされてると恨んでる。そうした怨念、いや努力の果てに「うちの子」が「うちの娘」に換わるまでの期間を考えればエロス(性愛)に至るまで時間の問題かもしれない。シスターズは今年中の出産を切望しており十月十日無いんですが言ってはいけない。



人の一生とは36500日くらい。

事故病気を考慮して平均すれば、29565日。


夜も活動出来るとはいえ、三分一は睡眠中。

老衰が始まるのは男で25才から、女で20才から。

五感を維持出来るのはさて、何日間なのやら。

老後と呼ばれるだけあって、ただ生きているだけ。

棺の中で二千万円持っていて、楽しいのか。


一年が365日。

十年が3650日。


貴方の余命は、あと何日?





【異世界大陸北東部/帝国辺境領/回復予定領/割譲可能領/作戦周辺領/低要度・高危険度区域/斥候周回範囲/???】


上流階級は服()()選ばない。


それ以外に選ぶ()()事物が多くある。


それにより多額の利益や損害が生じること。

なお言うまでもなく選んだ結果は保証されない。


それにより親しい大切な命を守り失うこと。

なお親しくも重要性もない人命はどうでもいい。


それ以外に手間暇をかけたりしない。


ましてや一邦の興亡を差配する特権階級ならば、なおのこと。

服を選ぶ以外に()()()()()()()ほど暇を持て余してはいない。


もちろん時間の感覚にも理由はある。

照明が普及する前と後では日時の意味が違う。


夜活動できるということは、どんな意味があるのか。

昼間しか動けないということが、どれほどのことか。


単純に考えれば寿命が倍違うと考えればいい。


百年生きるのが精一杯の種族の感覚。

二百年生きるのを当たり前と感じている種族。


前者が地球人類先進国の我々。

後者の感覚を想像出来るだろうか。


それが中世、いや18世紀以前のスタンダードだが。

――――――――わずか二百年前の異世界――――――――


だから珍妙なことに、夜に焚火の前で酒盛りするような、出来るようなファンタジーを、しか思い付かない。


なお、獣避けに夜焚火をしたら、獣が寄って来ます。

危険か判らなければ異常に惹かれるのは動物の常。

森林地帯ならば樹の上、平原なら物陰でピバーク。



目立たないことは自然界で最強であること。

――――――――――目立てば貴方以外の誰かが刈る。


承認欲求など西部戦線塹壕前で歌うようなモン。

物量不足で塹壕化出来ない東部戦線ならアリか。


まあ人類の大半にそんな欲求は無いけれど。

・・・・・・・・・・それが在る人を見つけたら病院へ。


そも危険な肉食獣が住む土地には多数の動物が住む。

静かに隠れていれば動物たちの中から選ばれ難い。

食べなれていない人間に手間暇かけたい訳かない。


獣ならば、それで済ませる、それで済む。

人ならば、それで済ませず、倍プッシュ。


手間暇をかけずにかけさせれば良い。

――――――――――社会的動物の面目躍如。


パンが無ければケーキを食べる。

・・・・・・・・・・まさにそれ。


服など選ぶくらいなら選ばせるだけ。

――――――――――仕立てることも含めて。


服は道具だ。

大衆にとっては。

外部環境から身体を隔離できれば良い。

どから布を巻いて詰めて刻に外すだけ。


服は小道具。

上流階級以上には。

季節、天気、時間帯、場所、外部環境。

状況と目的に合わせ整える、舞台装置。


主一人に合わせて家具調度から使用人までを整える。

総合芸術が階級ならば、その衣装係とは総合演出。


社会全体。

階級一般。

主の好み。

日々刻々移ろうソレを常に把握。

アドリブから決め打ち。

その日その場から年間スケジュールまで。


ファッションの選択を任される。

――――――――――任せるのが上流階級。


任される者たち。

職人たる仕立屋。

専門家の調査員。

会計士に作業員。


この辺りは熟練を要するが、熟練すれば誰にでも出来る。

ライターのようなモノで各氏族の使用人が勤めている。


任せられる者。

感性一つが交換不可能。

それを伝え指揮できる。

衣装係たちだ。


どこぞの三銃士のヒロインは王妃の下着係だったとか。

現代で言えば世界的なブランドを主宰するデザイナー。

まあだから国家機密にも触れる羽目になったのだけど。


もちろん服が普及する以前、布を巻いて詰める時代だ。

デザイナーが大衆にアピールし薄利多売したりしない。

感性とは一握りの人間が莫大な資金と引き換えるモノ。


無いものには無い。

誰にも、造れない。

しかも見付け難い。

つまり小説家のような者で、探され売り込み擦れ違う。


布が貨幣同様に流通しているのは、今もそうだ。

貨幣経済と物々交換の比率は程度問題でしかない。

布を切り刻んで創る、とは、紙幣に火を灯す様な事。


才能が在る者を必要とする金持ちが探す。

才能が在る者は必要とする舞台を探す。


金と権力の為に必要だからだ。

創り出す為には必要だからだ。


才能が在れば才能を、すぐに見付けられるだろう。

もちろん才能が在るなら探す必要性は激減するが。


それこそ太守府の童女の様に、特権階級のド真ん中で親友の幼女(ょぅι゛ょ)のファッションを指導し敬愛する姉分の要望に応え、地球人類(マメシバ)のセンスを取込みながら主の周りの傍女たち(Colorful)からメイドたちまでをコーディネートしている者も出現しているが。


・・・・・・・・・・邦一つ即時なんの気なしに滅ぼして何も感じない支配者に「愛されてます!」ということは特権階級にとって何よりも重んじらる成果なので親バカの父兄以外の上流階級以上からは拍手喝采拝跪合掌。


それは例外であり、買い手(特権階級)は自分の好みしか判らない。

だから売り手は、自分のセンスをアピールし目立させる。

売り付けるのではなく、買われる為には気付かせねば。


それが服屋。

現代先進国風に言えば、古着屋。


取り扱う服は一から創る訳じゃない。

仕立て直し留まりなので安くつく。


服を買いに来るのは?


普段、服を使わない小商人。

服を余り持たない中小商人。

服を常備するのは高くつく。


だが彼らでも、普段着が当たり前な階級に出入りすることもある。

そこに行くとき普段通り、布を巻いて詰めて行くわけにいかない。


だから必要に応じて、服や小物を整えていく。

彼らはそれを言われるまま身に纏い逆らわない。

なにしろどう身に付けるべきく知らないのだから。


つまり彼らに売ることが出来れば、上流階級の目に留まる。

服と小物が一揃い、ではなく。

流行は疎か服そのものに疎いからフルコーディネート可能。

服と小物を一揃え、した者が。

つまり彼らが着ている姿は、完全に服を選んだ者のセンス。


限られた予算。

限られた在庫。

限られたモデル。


制限が無いところに問われるものなどない。

――――――――――上流階級は、それを知っている。


服屋が服を売買する()()()()()

ある一点を売る為に、だけ、在る。


服を売りに来るのは?


服を持て余している、以前の購入者。

汚損の可能性を踏まえレンタルは無く。

それだけ服は高いから、仕方がない。


だからこそ早めに売り戻しに来るのだ。

差し引き費用はそれほどかからない。

日銭稼ぎには手が届かない、一時費用。


だからこそ古着がステータスになる。

手元資金が十分にあるという良い顧客。


古着を揃えられないなら小商人以下。

古着屋自体を支えるのもリピーターだ。


とはいえ服は消耗品、磨耗する。

新しい服を仕入れなければ続かない。


その仕入れ先が、上流特権階級。

そもそも服を仕立てるのは彼らだけ。

そして不要な消耗品の減価償却。


安く容易く、服は下取りに出される。

売り手にとって帳簿処理の小銭。

だから実務を扱う使用人の目的は別。


主の為に服を整える役割を担う。

だからこそ効果を確かめ続けていく。

服屋に出入りすれば全てが判る。


服を必要とする、自分たち上流階級以上の視界に入らないニーズを、服屋で確認しているのだ。

それはもちろん、上流階級以上にアピールしたい顧客を抱える服屋もにも、必要不可欠な作業。

払い下げられる服や小物を確かめれば上流階級のセンスや流行り廃りを集計することが出来る。


それは服屋自身の為にこそ、役にたつ。

直接的に商売を続ける為にだけにでも。

もちろん日々の生活を支えるのは余禄。


()()()()()の為に生きているんじゃない。

()()()()()()()生きてさえいけないモノ。


何処の世界にもあるように、手段()目的(人生)の敵。

()()()()と願えば()()()()()と返ってくる。


とくにこの場合は、致命的なほどに。

――――――――――その程度の問いに答えられないのなら。

既に死んでいる。

・・・・・・・・・・最初から産まれていないのか。


仮に呼吸しているから生きている、としよう。

脳死判定は忘れてもらうとして。

それを目的にしたら、それすら維持できない。


産業化する前の服屋とは、それ。


センスから糧を得る場合、糧を目的にすれば陳腐化する。

それて生きていけるのは産業化され惰性で稼げるからだ。

豚の餌でも、ベルトコンベアに乗せれば喰らわせられる。


その辺りは人外向けの飼料を喰わされずとも、「リピート不可避」などど売文業者(ライター)が書き散らしている、()()()()()()()()違法広告一つで判ること。


そして幸いなことに異世界には、まだ無い。

・・・・・・・・・・これから現れる必然性もないが。


ゆえに服屋を営むには知るだけでは不可能だ。

あくまでも創る為のオマケでなければ営めない。

だからこそ服屋の関心は、仕入より仕入先だ。


知る為にではない

――――――――――知らせる為に。


知らせる為に買う。

知らせる為に売る。


買う刻は服屋自身の裁量で決まる。


リピーターは実力だけで決まる。

普通は元の服屋に売り戻しに来る。

売った服が悪評を買わなければ

もしそうなれば服屋を畳むべきだ。

買値を知っているから売り易い。

他の服屋で寄り高く売れたら名誉。

だから他の服屋は余り買わない。


仕入れ先を確保するけとも出来る。

上流階級以上に伝手を造ること。

伝手を辿りたくなる才能アピール。

相手は金など考慮してやしない。

機会を得られるのは営業努力のみ。



売る刻は、そうはいかない。

そもそも服を日常的に必要なら仕立てている。

それは常に上流階級以上と接するということ。

服屋で古着を買う訳がない。


日常的に服を必要としない中小以下の商人。

服なんて嵩張る物を持ち歩かず借りる宛もない旅人。

そんな者が何時何処で生じるか、判らない。


そして相手にも予算があり期日があり目的がある。

何よりも容姿体格がバラバラに決まっている。

容貌の欠陥を隠すのも評価されるセンスではある。

・・・・・・・・・・目立つ訳がない。


服ではなくセンスを客ではなく世界に知らせたい、なら。


居るだけで人目を惹く美少女。

着ぐるみを着せても似合う容貌。

金に糸目を付ける発想が無い。

傍らの両替商人は上流階級付近。


最高のモデルが、店内を視回し自分のセンスを確かめてから、お前の好きにしろ、と命じてきた。

――――――――――約束された勝利の証。


だから店主、未来の特権階級お抱え衣装係、は怪しい彼女が女神に魅えた。

・・・・・・・・・・異世界に神はいないけれど。





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