表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十九章「帰郷作戦」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

902/1003

知的所有権が無い世界(人類史の全て)。

【用語】


『知的財産権』

:他者の発明発見その拡大解釈で泡銭を稼ぎたい法人個人を保護して利権にしたい政治家や官僚の与太話(笑)。なんでも金を払わないと創造的活動をしなくなる人間がいるそうですよ?……それ、人間じゃないんですが。頭が良い詐欺師が創造した頭が悪い奴に()()通じるロジック。いやいや生きてるんですよ何故かカモられる為だけに産まれて来た人型ブロイラー。なお19世紀末から萌芽が芽生えた商売で完成をみたのが20世紀末……それまで創造が止まっていたと言ってる訳ではないらしい、流石に。本当に金が人間の創造を支えるならば人類史とはいったい。模倣が普及を促し普及すればするほど改良と工夫が加えられ寄り完成度を高めていく。これを集合知と言い、社会性動物たる人類が持つ唯一の強み。だから知的財産権なんぞという種としての自殺行為は省みられなかったんですね……19世紀末に人類が自滅の可能性を手に入れるまで。実際に金が掛かるのは創造ではなく製造なのでお間違えなく。知的財産権はソコだけで意味を持つ、つまりは製造業者の経理の話。創造(価値)製造(無価値)。それは小説家とライター、科学者と技術者、芸術家と職人くらいに違う。前者は創造力しかないし後者に創造力は要らない。金にならないから創れない?創ろうとして創れる物なんかねーよ。価値がある創造ならば誰が製造してもいい。創造に代わりは無いが製造ならば幾らでも代わりはいるんだが知的財産権でまもられるのは誰でもいい後者。まあ何一つ価値が無いからこそ、政治力で身を守っているんだけど。誰かが何かを創造すると知的財産権に触れていないが確かめるだけ莫大なコストがかかるので発表されずに死蔵されてます。人類社会を後退衰退させても法人個人が在る間だけ保てば良いよねそう上手くいってない。ラスコーに絵を描いたクロマニョン人は金を払われたのか。造ると創るを混同出来るのはチミ、こりゃ人類(?)の可能性を示しているのではないだろうかどこまでサルにちかづけるかという。



科学の原則は公開性です。


ライセンス料を課せば使われ無くなる。

使われなくなれば再検証も改良も無くなる。


対価が得られなければ停滞する?

無能か貧乏人の発想ですね。


金銭で報われた天才が、歴史上どれだけいますか。


努力すれば報われる。

そんな分野なら対価が有効でしょう。

単純作業や反復動作。

それこそ高校生以下の学習などはね。


創造性が問われる分野は、金注ぎ込んでも意味がありません。


原子力の理論が金で創られましたか?

金が役立つのは生まれた後のこと。

原爆を造るところからです。


金で集められるのは優秀な人間ではなく従順な人材ですから。


発見というのは既に在る事物に気が付くこと。

発明というのは既に在る現象を再現すること。


それに気付くか気付かないか。

目に出来なければ始まらない。


なにもかも偶然に過ぎません。

偶然を優遇しても再現率が高まるわけがない。


博打を非課税にしてもジャックポットは増えませんよ。






【異世界大陸北東部/帝国辺境領/回復予定領/割譲可能領/作戦周辺領/低要度・高危険度区域/斥候周回範囲/???】


馬車の中、否、上。


怪しい彼女は街中を征く。

行くではない。

往くではない。

知ることは征服すること。


この辺り、地球人類その指導者、に近い感性だろう。


知ることは考えること(考える葦)

認知し。

仮定し。

理解し。

それで終えたりしない。


この辺り、地球人類一般隷属者(考えない葦)どもには縁なきこと。


まさしく彼女は人間(考える葦)である。


怪しい彼女。

ゆったり二人分の椅子を専有。

考えているようには観えない。

美貌の誇示も控え目なつもり。

・・・・・・・・・・それは彼女の不得意分野。


戦場(いくさば)で甲冑に肢体を包んでいてさえ目立つ。


女性用の甲冑は肢体のラインが目立つ。

肢体に合わせて仕立てるからだが。

出ないと肉を圧して動き難くなる。

引き締めてなお、肉を挟み怪我をする。


革鎧ならば、パーツを組み換えて肢体に合わせる。

板金鎧も、組み換えもあるが基本オーダーメイド。


成長期に肢体を馴らす間は革鎧。

板金鎧に切り替えない場合も多い。


脂肪層が厚い女体は、挟み込み事故の確率が高いから。

もちろん持久力に乏しい女という性故に向いていない。


トレンドとして板金鎧が流行らない、こともある。

帝国の(ファッション)軍制(リーダー)は軽装騎兵と竜ゴーレムの組み合わせ。


質量兵器に防具は人間以外が担うことになっている。


だから余計に肢体を目立たせる革鎧。

もちろん目立つから注目されるとは限らない。

鎧は実用性しか考えられないからだ。


それ以外を考慮すれば怪我をする。

肢体の機能を損ねてまで嘘と偽装に励みはしない。

現代地球の先進国とは違うところ。


歩き難く。

走れず。

動き難く。


怪我と慢性疾患を前提としながら欠陥をアピール。

美容の逆効果に気がつかないフリで自分を欺く。

偽造と医療に有り金と残り僅かな時間を浪費。

それは御一人様に成る為のエリートコース。

大半は妥協に間に合う一番衰えた時期に。


まさに地球人類史上最高の豊かさにのみ維持できること。

・・・・・・・・・・無駄こそ贅沢ならば。


異世界に()()()豊かさはない。

肢体の最盛期に最も大きな成果を狙う。

機械や制度が失敗を補填してくれないのだから。


だからこそ未経験。


階級を問わず。

性別に依らず。

才能を考えず。


自らを隠したりはしない。

――――――――――それが異世界流。

誇示したりもしないが。

・・・・・・・・・・嘘は死を招く。

評価は他人が下す。

――――――――――自らには無関係。


産まれるまえ、異世界に知的種族が誕生して以来。

それが当たり前だったのだから隠すことは難しい。

自身を無かったことしないですむなら、騙せるが。


それは特殊な才能だろう。

――――――――――地球人類先進国風に言えば役者の才。


偵察なら必要無い。

所属は自分自身ではないから。

旗を隠すのは容易。


密偵なら必要無い。

身分は自分自身ではないから。

主を隠すのは容易。


職業なら必要無い。

役割は自分自身ではないから。

任を隠すのは容易。


政治家には難しい。

存在自体が指導者なのだから。

御忍びが難しい訳。


それは異世界で言えば王侯貴族。


彼らにとって、難しいと言うレベルではない。

向き不向きで全てが決まる、そんなこと。

まさに中世でいう舞台俳優の様に。

クビが斬首を意味する世界。


・・・・・・・・・・現代で言えば素人芸人最期の吹溜りが役者だが。


そういう意味で言えば、怪しい彼女は素人役者。

だから素人演技が相応しい役柄を与えられている。

それこそ演出家の巧さと役割、というところだ。


現にまわりから浮いている。

――――――――――皆が納得する程に。


魅せることが日常。

観られることは日頃。

寛いで観せている。

周りを寛がせる為に。


そうしてあげることが自然。

・・・・・・・・・・気を使ってすらいない。


与える側の在り方。

損得勘定それ以前。

支配階級とはソレ。


呼吸するように他者を包む。

――――――――――我が身の一部に利害などない。


さて、征く街は港街北岸。


異世界有数の穀倉地帯。

豊かで開発された土壌。

産業革命以前最大産業。


それは農業と農作物の流通。


大量輸送向き海上交易路沿い。

金貨と小麦が出入りする港街。

変わらぬ数百年の継続は力也。


規模で大陸沿岸部中央に劣るが、利益率はむしろ上。


謎の侵略者(地球人類)富の源(海上交易)を止められてなお、現状維持まで可能だった。

地球人類の艦船が来訪したりしなければ仮定にならずに済んだが。

地球人類の占領司令官が同時に来訪しなければ全市崩壊していた。


マッチポンプかな?


だが、港街の富は護られた。

最大人口が住む南岸だけ崩壊。


ハードウェアたる港は機能維持。

ソフトウェアたる決済機能は北岸。


港それ自体を動かす労働者は十分。

労働者を支えるサービス業が壊滅。


それは港の全力稼働までに、周辺の農村部から確保する。


港街の荒廃地域は南岸。

南岸には占領軍が駐留。


占領軍司令官(ご領主様)命令(なんとかしろ)


混乱も。

荒廃も。

廃墟も。


一ヶ月で削除されて影響を残さなかった。

・・・・・・・・・・残響無き影響は遺り続ける。


だから北岸は豊かなまま。

交易再開の報を誰も疑わない。

ご領主様(青龍の貴族)の意志だからだ。

未来は単なる事実でしかない。


明日の有無自体が独りの意志に拠ると知ら示された。


保証ではなく。

予想ではなく。

結論ではなく。


ご領主様(青龍の貴族)が命じた明日がやって来る。


投資は増え。

雇用が激増。

消費も増加。


利益は上がり、上がっていく利益を競い合う。


そんな街を征くのは怪しい彼女。

革鎧からワンピースへチェンジした。

むしろ街中ならば怪しさ減少か。


オープン(幌無し)キャリッジ(二頭立て馬車)に乗り、街中を進む。


港から南岸までは馬車だった。

拉致されたようなモノだが。


宿泊先の奴隷市場からは徒歩。

河の渡し場まではそのまま。


そして北岸に引き揚げられた。

そこから先は馬車に乗った。


もちろん拉致られた訳ではない。


当初の予定とは違う。

渡し舟の後も徒歩。

その方が観易い。


だが予定変更、視られている。

ならば、魅せないといけない。

溺れ死にかけた様に振る舞う。


怪しい彼女は歩けない訳ではなかった。


最初から最後まで冷静。

水も飲まず肺は無事。

筋腱の負荷は許容範囲。


ただ溺死しかけただけのこと。

だが休養を装っただけのこと。

多分一般的というだけのこと。


怪しい彼女の執事が代わりに指定した車種。


視界が広く。

付添し易く。

揺れが少く。


まあ傷病者を運ぶなら誰でも考えそうなこと。


街中で人や馬車を避け易く。

複数人で広く乗り込める車室。

揺れに強くても好む者はいまい。


四頭立て四輪のキャリッジなら十分だろう。


怪しい彼女。

怪しい彼女の執事。

怪しい彼女の魔女。

馬車を手配した両替商人。


6人乗りの車室に4人。


車室中央二人掛け椅子に怪しい彼女。

後方の二人掛け椅子に魔女と執事。

前方の二人掛け椅子に両替商人。


もちろん馬車が馬車だけで走れるわけがない。

・・・・・・・・・・人が走ってこそ、馬車だ。


馭者が三人。

馭者台に二人。

馬車に先行して一人。


事故を防いで馬車を守るため。

先の路面や物人の動きを確認。

特に込み合う街中では必須だ。


馬車が走る場合は、人間が一人以上は先行して走る。

安い辻馬車の場合は路上の日雇いが走ったりもする。

家持ちの馬車ならば、馬車と一緒に人も雇っている。


怪しい彼女の座乗する馬車は、両替商人の物。


馭者台の二人。

一人が馬車の操作。

一人はバックアップ。

先行も操作も兼ねる。


先行が路面を視て知らせるから、揺れは少ない。

元々、富裕層の街だけに整備はされているが。


市外の農道ともなれば、こうはいかないだろう。


それでも帝国の整備した街道ほどではない。

金だけではなく、舗装から整備までの技術が肝。


戦争は成長産業。

道路とは軍事力。

帝国は戦争機械。


(領土)ではなく(拠点)(交通)こそが支配すべきもの。

――――――――――少数民族による世界征服。


もちろん路面だけでは意味がない。

異世界では乗用馬車にサスペンションが普及している。


騎竜民族は騎馬民族。

支配下の世界には馬匹が大量導入された。

流通支配が世界帝国。


スピードは力なり。


街道が新設され。

駅亭が整備され。

郵便が整えられ。

魔法使いの意志疎通が大陸を渡る。


それでも人力が輸送や移動の主力ではあるが。

だからこそ馬や馬車の利便性が価値を持つ。

相対的価値が絶対的価値に換わるからだ。


それは利便性を上げれば上げるほど、値段が上がる。

そこに役立ったのは騎馬民族以外の視点。

それを無批判に受け入れるのが、騎竜民族の特徴だ。


ありとあらゆる知識を集める帝国魔法使い。

彼らは博物学者でありコレクター。

だが自然科学者でもある。


人魚が居る可能性があるなら?


確認して。

分類して。

記録し続ける。


ここまでが博物学のジャンル。


実験して。

再現して。

新しく生み出す。


ここからが自然科学のジャンル。


馬車が揺れる。

なぜ揺れる?


路面を均せば揺れないか。

速度を下げれば揺れないか。

なぜ揺れるか再現しよう。

要素を潰して原因を絞ろう。


こうしてサスペンションが造られた。


それを視ている同居人。

騎乗で暮らす民族。

彼らは思った。

船酔いのようなものか。


それが無くなるならば、負担が減る。


揺れに耐えられる上限値。

個体ごとと全体の平均差は。

速度と負担の利益分岐点。

揺れなければ得られるもの。

馬車の普及がより進めば。


騎竜民族がサスペンションをバラ撒いたのは、言うまでもない。


速度を上げることができる。

――――――――――帝国()()()()の――――――――――



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ