異世界の歩き方。
【用語】
『鴨/鵜』
:異世界バージョンは、あくまでも現代地球の日本から観て「似てるな~」と思われる動物(異世界の鳥類は未確定)が居る、というだけ。異世界人やエルフと地球人類の交雑が可能ならば、鳥っぽい種族も地球は日本列島に多数生息している鳥類と可能かもしれない。ただし生物としての差は異世界人と地球人並みにちいさくとも、文化的な一致点は極少。鵜に類する生態があっても表現として「鵜呑み」とは言われないし、鴨とネギに類する生物がいても背負って来たりはしない。偶然生じて惰性で続き合理性がない歴史的文化的なタブーや因習が多世界どころか地球人類内ですら一般化(してると個人の知見範囲から思い込む向きは多いが)しないのと同じ。生殖手順など物理的共通項や通貨の性質など合理性のあることだけが多世界共通。
ボクに出来ることは誰にだって出来る。
ボクらが飛べる。
彼らも飛べる。
ボクらに魔法使い。
彼らは魔法使い。
ボクらのゴーレム。
彼らのゴーレム。
空から視降ろし。
身体を穿ち。
大地を牽き裂く。
そんなん当たり前じゃん。
なら、ボクらがボロ負けしてるのは何故か?
――――――――――視れば判るよね。
ボクらは空を観て味方を探す。
ボクらが魔法に討たれたら驚く。
ボクらは術者に観えるようにする。
それが無駄の無い当たり前だから。
彼らは常に空を警戒してる。
彼らは常に爆炎を覚悟してる。
彼らは常に観えない彼方を視る。
それが当たり前なんだよ。
ね?
でしょ♪︎
判んない?
一人一人。
仕草一つ。
解り易い。
・・・・・・・・・・それも当たり前、かな。
わかんないんだってば。
むかしを思い出してみよっか。
騎士。
兵士。
巫女に神官。
馬とか。
・・・・・・・・・・時々、魔法使い。
敵って、そんなんでしょ。
ボクらは無駄なことをしない。
必要なこと、それだけをする。
だからそんなことしなかった。
彼らも無駄なことをしない。
必要なことを徹底的に殺る。
だから必要になる前に開始。
―――――――――この差はナニ―――――――――
ボクらはボクらと殺し合ってない。
彼らとボクら、初めて殺し合う。
ボクらが初めて始めてる殺し合い。
先達は長けて後進は速く学べる。
試行錯誤した経験。
経験から最短距離。
ボクこれから見倣って逝く♪︎
今も彼らは彼らと
―――――――――ずっと殺し合っていくんだろうねぇ♪︎
【異世界大陸北東部/帝国辺境領/回復予定領/割譲可能領/作戦周辺領/低要度・高危険度区域/斥候周回範囲/???】
「この世界の決まりごと、確認しておきます」
怪しい彼女の一行となった両替商人。
怪しい彼女の前に立ってレクチャー。
先に行かせない構えで優しさを示す。
脚留め。
口留め。
一時停止。
放り棄てて進まないことは優しさだ。
向けられた優しさに気がついた彼女。
優しさを受け入れられた、両替商人。
剣があり。
慣れている。
殺せる相手。
怪しい彼女の命を守る為に配慮した。
だから、斬り捨てて進まれ無かった。
そんな幸運に気が付けない両替商人。
まあ何より自分、両替商人自身の命を守る為だが。
このまま街中を進めば、殺される。
いや、次の一言で、かもしれない。
殺されるのか、滅ぼされるのだか。
怪しい彼女、たちは、必須の説明を受けていない。
時間で判る。
港から奴隷市場まで。
奴隷市場は迎賓館。
迎賓館から門前まで。
かかる時間の見当。
終るどころじゃない。
始まるまい。
元々、知らない、それこそアタリが付いた。
青龍の足元に居なければ、そうなのだろう。
知らないことは知らせなければならないが。
青龍の居る世界。
殺されない為に必要な常識。
知識は一ヶ月半ほど前から。
一週間とかからず広まった。
それを知らない。
船客は皆、今日中に、宿泊先で教えられてる。
怪しい彼女、それ以外。
今日、着いたスクーナーの乗客。
三々五々に別れた、皆。
それぞれの伝手が教える生き方。
伝手が無ければ旅籠で。
それも無ければ通行人が教える。
殺されない方法、を伝えること。
実際そんな方法は無い。
だから、殺され難い方法、だが。
青龍との接し方は生き方の基本。
大きな前提。
青龍には殺す範囲が無い。
気に障れば殺す。
基準は明確。
例えば?
逆らうことじゃない。
邪魔になること。
ならなければ逆らった内に入らない。
敵意を持ってもいい。
示せば殺される。
隠していれば、バレても見逃される。
悪口を言ってもいい。
青龍自身のなら。
周りへの侮辱は、赦されないのだが。
挙げれば切りがない。
要は簡単なこと。
誰でも不快になるであろうこと一般。
だから皆、なにが悪いのか判る。
誰もが日常で体験するだろう。
判らない奴らは異常なだけだ。
そこから先は解らなかった。
青龍は、不愉快な相手を、殺す。
殺す、他は構わない。
前後に他人が居ようが。
周りが街中であっても。
穿った内に誰が居ても。
他を構わずに、殺す。
誰もが日常的に感じる不快感。
見逃さない。
受け流さない。
我慢しない。
考慮をしない。
青龍は、そういう者。
不快感。
――――――――――互いに与え合うこともあろう。
・・・・・・・・・・その場に立ち会うこともある。
――――――――――見聞きも出来ない範囲でさえ。
それで殺されたらやってられない?
やって活かせる気がない、青龍。
皆が居なくても、全く困らない。
だから皆の方で、やって生くことを覚えた。
青龍を不愉快にさせないこと。
そこまでは常識の範囲で済む。
そこから先はなにも出来ない。
だから皆で青龍の逆鱗を避けて生きられる。
――――――――――皆で、だ――――――――――
他に方法が無い。
誰にでも出来ること。
ただ判れば良い。
それを知らねば、殺す。
誰もが殺されたく無いがゆえに。
誰とは誰かというなら。
なにより港街に住まう者たちだ。
知らなかった、からと。
殺された後で聴く者など居ない。
聴いても聞かれないが。
殺される刻の巻き添えは御免だ。
それだけは避けられる。
他人が巧くやるなどと、誰が期待するものか!
巻き添え。
弾み。
たまたま。
そしてなにより殺されたくないから殺す、皆。
ツキがあれば、殺されない。
ツキがあれば、見つからない。
ツキが無ければやってられない。
それはそうだが、こと青龍については、違う。
知ってさえいれば、避けられる。
知らせずにいれば、巻き込まれる。
知らせずにいれば、責められる。
考えて工夫して努力するだけで、生きられる。
殺され難い方法が、無くはない。
殺されるのは区別なし。
だから、誰かが殺され無ければ。
自分が巻き込まれない。
――――――――――かもしれない、に、賭ける。
翻って例外、怪しい彼女たちは知らされない。
怪しい彼女を招いた童女。
青龍の眷族。
怪しい彼女が招かれた館。
青龍の拠点。
怪しい彼女を招いた意図。
青龍の意向。
なるほど青龍への注意など為されぬ訳だろう。
彼方と此方。
知ると知らぬ。
必要と不要。
彼女たちの感覚は領民と駆け離れている。
甘えたい。
尽くしたい。
悦びたい。
喜ばせたい。
端から観ていると、それだけしかないようだ。
憧れ。
庇護者。
恋慕相手。
なるほど殺されたくても殺されまいとしない。
もちろん、両替商人は違う。
殺されたくはない。
それだけなら簡単なのだが。
殺されかねない。
ましてや殺意が無い相手に。
殺されたくはない。
そんな考え。
工夫の一つ。
大切な努力。
そして商人にとって命よりも大切な、取引先。
新規顧客、怪しい彼女。
必ず消える、お得意様。
新規は商い継続の肝心。
怪しい彼女は、取引先か。
それはこれから判ること。
失敗はコストに過ぎない。
だからこそ二重の意味で今は生かしておける。
先ずは聴かせる。
信じる訳が無い。
次に観せること。
理解できるのか。
最後に確かめる。
活きていけるか。
だから最初は肝心。
商いは、第一印象。
両替商人の一言目。
怪しい彼女の反応。
好し。
余計な口を挟まない怪しい彼女、たち。
これは客に成り得る
――――――――――カモは相手に聞く。
知りもしないことを質問。
応えが答えか判りもしない、というのに。
聴くべき刻を話して潰す。
自分の手札を晒し、相手の手札を視ない。
なお異世界にも居る、ガチョウや鴨らしき美味しい鳥。
そして聴かされる
・・・・・・・・・・それを鵜呑み。
相手の人間性が焦点ではない。
思い込みや勘違いだってある。
相手が聞かせたい、それだけ。
質問しなくても聴けることだ。
なお異世界にも鵜や鵜飼いらしき物に役は在るようだ。
客は有難い。
――――――――――カモとは違って。
末長く商いを支えとなる。
金がある。
馬鹿じゃない。
話を聞く。
これこそ取引。
話を続ける、だからこそ。
「一つ」
二つ以降があるということ。
挙げていけばキリがないが。
「青龍について、話さない」
敬称不要であることを示す。
青龍それ自体が敬称だろう。
「常に聴かれてます」
誰が、とは、敢えて言う必要はない。
書くのも危ないが、聴こえない分やや安全。
観られているし。
読まれているし。
思いすら知られている。
絶え間なく。
例外もなく。
隠されたりもしていない。
青龍の貴族。
その来訪。
その初見。
太守府、いや、太守領が灼かれるところ、だった。
参事会が青龍を欺いたから。
その相談を暴露されたから。
太守府の全員が、密談の内容を、聴かされたから。
――――――――――邦中が、それを知っている。
取り分け青龍の貴族と接する都市。
滅ぼされかけた太守府。
半壊させられた港街。
思い知っている。
青龍には何も隠すことは出来ない。
※第8話〈人間って、なんだっけ?〉より
密談?
そう、誰にも知られない、密談。
参事会の奥、分厚い壁を越えた音を遮る会議専用の部屋の中。
秘密?
内容が漏れたのなら、当たり前。
青龍が太守領を占領する前、刻を超えた会話を今の街中に流す。
人の口に戸は立てられない。
それは異世界でも一般的。
だが人の口どころじゃない。
過去の断片を持ち込まれたような。
今まで全てが聴かれていたような。
これからも繰り返さるだろう、と。
・・・・・・・・・・盗聴や盗撮が無い世界。
国際連合特使が遭難し国際連合武力制裁が決議される前。
潜水艦が海岸線に寄り、特殊部隊が往き来していたこと。
沿岸部の主要都市に剥き出しの機器がバラ撒かれたこと。
それがなんなのか機械文明以前の世界には判らない。
厳重な警戒も、照明が無い世界では限界があること。
現代地球人類なら照明無しに夜闇の中でも自由自在。
様々な機器が僅かな明かりで今も活動していること。
――――――――――そんなことは知らない。
太守領に青龍の貴族が来る前。
元カノ率いる掃討部隊が来た。
青龍の貴族が太守府に来る前。
長距離偵察部隊が浸透すれば。
様々な機器の記録を回収可能。
一つの街の膨大な記録は送信。
日本列島の余剰システム。
フィルタリング。
スクリーニング。
ピック・アップ。
後は分析役が読むだけだ。
・・・・・・・・・・そんなことは知らない。
「御札を買いましたが良いことがありませんでした」
悪いことが無かったのは、御札の御陰です。
「壺を買いましたが悪いことがおきてしまいました」
今も生き残っているのは、壺の御蔭です。
「ワクチンを射たなくてもコロナになりませんでした」
他に射った人が居たから感染しなかったんです。
「ワクチンを射ったのにコロナになりました」
今も生き残っているのは、壺の御蔭です。
(笑)。
感染を防ぐ効果はない。
(ワクチンなのに!?)
重症化を防ぐことがあると製薬会社が言っている。
(治療薬じゃないのに?!)
接種を奨めるが自己責任で。
(奨めた責任は?)
以上、大本営発表でした。
嘘は言ってないんだよ、嘘は(笑)。
詐欺のコツは嘘を付かないこと。
破棄仕切れない医療廃棄物が後進国に援助されたのは昨年ですが。
まあ
「コロナワクチン接種で100万ドル進呈!」
「不法入国者にはコロナワクチン強制接種!」
「ワクチン接種のことは家族にも秘密厳守!」
なんて、三年前からアピールしてるアメリカもありまはしが。
最後なんか
「貴方が壺を買ったことは内緒にしておきます」
くらいのモン(笑)。
こんな開運壺売り事業に国内メーカーも参加するそうで。
公共事業で金を回すのは、経済の基本ではあるんですが。
道路の掘り埋め繰り返しの方が波及効果がみこめるのに。
認定歴史書に
「我々の不断の努力によりパンデミックは防げたのであり最初から起こって無かった訳じゃないと製薬メーカーお抱えの学者か言っていますから責任は議員どもへ」
と書かれます。
……冗談じゃない。
という訳で、パンデミックごっこを続ける頭が悪い奴らを嗤う姿を歴史に刻む為に、既に外出中。
更新が遅れたら致し方無し。




