オール・イン/損得勘定。
【用語】
『オールイン』
:有り金すべてを賭けること。相手は勝負を降りるか、それ以上の価値を賭けないとならない。絶対に勝てる刻、利益を最大化するためにやる。賭け金を吊り上げて総獲りするため。絶対に負ける刻、一発逆転を狙ってやる。賭け金を吊り上げて全員を退かせるため。
博打ってのは捨て金でやるもんだ。
捨て金ってのは無くても構わん金。
そうだな。
サラリーマンなら月収の2~3ヶ月くらいじゃね?
2~3回くらい勝負が出来るだろ。
そのくらいなら当てても外しても楽しめる。
相手はもちろん即金現金だけ持った個人。
店や公営なんて、金を捨てに行くだけだ。
合法非合法、どちらでもかわりゃしない。
儲けようとは思わない。
だが結果が判っていて何が楽しい?
友人知人相手だから、毎月やっても続くんだよ。
結果が出なきゃ面白くない。
時間を掛けるもんじゃない。
仕切るのも仕切られるのも御免。
カードかコインが一番だね。
・・・・・・・・・・ん?
お前んちは馬だろうが、賭けられる方だろ。
あいつの場合はロシアンルーレットだから。
三佐って、あの女の場合は、選挙じゃんか。
【異世界大陸北東部/帝国辺境領/回復予定領/割譲可能領/作戦周辺領/低要度・高危険度区域/斥候周回範囲/???】
スタート合図。
「取り扱い証書は額面で引き受けます」
が商談の開始。
そこから七秒。
証券が突き出された。
早さ以外は速くない。
よくあるよくある、日常茶飯事。
日々誰もが自然に決断している。
お得な話。
貴方だけに。
みんなやってる。
誰にとってなのかは考えちゃいけない。
得をしないのは損らしい。
自分の懐には影響しないが。
得は他人を出し抜くこと。
出し抜く手間に見合うのか。
得を独りだけしない恐怖。
自分の懐には影響しないが。
みんなが大好き、お得な話の具体例。
貴女に旨い話が持ち込まれた。
儲からないが、経費を省ける。
その分、使える資金が増える。
プラスではないことがポイント。
マイナスは自分の懐にあるコスト。
プラスは他人の懐にあるリスク。
コストには回収不能リスクが無い。
リスクヘッジは掛け捨て。
コストパフォーマンスは儲け。
取引する相手は見知らぬ誰か。
今すぐ目の前で行われること。
その取引の結果はすぐに判る。
旨い話には裏があるかもしれない。
それが損とは限らない。
他人の得ではあろうが。
それは損かもしれない。
本来の手数料が、今ならかからない。
かからない分を負担してくれる相手。
慈善事業でないとは言いきれないが。
貴女に言わない何処かの何かが理由。
尚多くの利益を上げることが出来るのだろう。
それが何かは判らない。
犯してはならないリスク?
かけて当たり前のコスト?
貴女の利益は減らない。
旨い話は信用できないから断る?
信用できないから必要分を両替?
旨い話を知る為に最低限の両替?
巧く立ち回り見知らぬ相手の手口を知れば?
尚多くの利益を上げることが出来るだろう。
――――――――――さてこの場合、正解はなんだろうか?
信じるか。
信じないか。
半分信じるか。
選択肢はこのくらい?
――――――――――怪しい彼女のお勧めは、この場で斬り捨て奪うこと。
だから殺らない。
らしくないを追求中。
物は試しと言うじゃない。
青龍が視ている。
青龍のゴーレム。
ずっと角を向けくる。
青龍の使い魔。
エンドレスエイト。
青龍の空海月。
直上直下に常に在る。
隠す気はない。
威力偵察。
圧迫尾行。
干渉観察。
邪魔をされるをされるとは思わない、怪しい彼女。
脅威と視なされてあえない。
怪しい彼女たちも領民たちも。
その殺り獲りに関わらない。
そんな屈辱を確認するものか。
どうあれ、すぐに必要な両替にまつわる取引。
今、街に出る途中の道すがらなのだ。
街に出た後、街中ならば金が掛かる。
今日、幾らか替えなくてはならない。
怪しい彼女たちが今、居るところ。
港街の北岸、非富裕層の元居住地。
青龍出現後のパニックで半壊した。
青龍のパニック鎮圧命令で全壊済。
全住民が掃討された無居住者地帯。
今居るのは復興に動員された人々。
復興資金は、青龍接収の帝国資産。
潤沢な金が人足職人たちへ日々支払われる
だから購買力が高く商いも盛んだ。
だが個々の人足職人向け消耗品の小売りがせいぜい。
賃金も日払いか月払い、年払い分割の現金となれば。
個々両替の必要は、まったく無い。
北岸に両替商人が居るとは思えない。
怪しい彼女の目の前に居るのは例外。
河を渡った南岸ならば幾らでもいるのに。
そこまで行けば手数料次第で両替は可能。
賃金を支払う工房やギルドは南岸に在る。
資材購入や復興資金の決済も南岸で行う。
証券を使った信用取引も南岸の内で済む。
この場で、この商人を使わなければ?
・・・・・・・・・・また一日を失う。
北岸の街を縦断して舟で河を越えて南岸へ。
一から両替商人を探して見積もらせ比べる。
両替前に小金をチビチビ替えるのが常。
それは両替の瀬踏み。
いきなり大金ではなく小金からの取引。
相手の反応を視て自分の対応を観せて。
むしろ、その方が商いの常道ではある。
・・・・・・・・・・時間がかかるが。
怪しい彼女たちの最初からの予定。
初日は宿探しで終えるつもりだった。
――――――――――夜になれば、なにも出来ない。
だから最初の拠点は慎重に吟味する。
・・・・・・・・・・迎賓館に連行されて終了。
次の日に活動費の両替を予定してた。
――――――――――ここで両替してしまえば二日分。
今日いっぱいを費やすのか。
今この場で今日という日を金に替えるか。
金で日を買う、なんて贅沢。
普通の商人ならば手数料も大きい。
だが、ほぼ二日間となれば値がつかない。
特に怪しい彼女にとっては大きい。
両替商人。
付き人。
馭者。
(三人斬っても一刻になるわけもない)
などと怪しいボク目線。
(贄にせずば命は使えないわね)
などと魔法使い目線。
そんなことを考えられている両替商人。
他、二人。
こちらはこちらで見立てる。
彼らの前に突き出された証券が、五枚。
枚数は、受け取った両替商人が予測の範囲。
両替商人も自分の提案が怪しいとは知っている。
慎重にいくなら一枚から数枚。
大胆にいくなら手持ちの半分。
普通の旅商人なら証券を十枚は持ち歩くだろう。
枚数と額面はイコールではないが。
合計額面が大きくても小さくても枚数は自由だ。
だからこのくらいというのがある。
街商人や商会は、移動が出来ない。
だから旅という技能がある者の複数へ依頼する。
旅商人は代理人であることが多い。
技能が必要だけに信頼で選べない。
割符や符丁を分けた複数人で別々に証券を持つ。
事故や持ち逃げのリスクヘッジが必要だからだ。
取り分け水路海路の事故では普通に起こること。
事故が多い訳ではないが死体の回収不能が多い。
持ち逃げの場合は信用出来る者を組み合わせる。
それだけでほとんど防げるから当然に行われる。
だから複数枚数の証券を用意せざるを得ない。
だからといって小口証券ばかりではいけない。
移動コストが高い分、一度に高額を動かす方が良い。
両替する刻に額面が低いと信用にも関わる。
動かせる額は商いの信用と連動するからだ。
日常的に接しない遠隔地での商いでは重要。
コストだけ考えるなら、高額証券一枚にまとめたい。
安全性を高めるために分ける。
使い易くする為にまとめる。
リスクとコストのシーソーゲーム。
その結果。
十枚前後を複数人で分けて持つ。
今はこれ。
三人なら、証券は一人三枚。
リーダーが余分に一枚。
そんなところが多い。
怪しい彼女の執事は、一人で五枚取り出した。
怪しい彼女の執事風老爺、もう執事でいい。
彼が上着の隠しから証券を取り出す時間七秒。
怪しい彼女の仕草も要らぬ意識に反応した。
当事者以外に判らない。
魔法使いは気に留めない。
他の者には意味がない。
両替商人が気付き予想外なのは即断即決した様子。
合議。
質問。
許可。
何も無し。
怪しい彼女の主従は執事が主導権を握る、と解釈。
富裕層の子弟にはありがちなこと。
使用人が実権を握るパターンかと。
両替商人が取引を持ちかけた、怪しい一行の三人。
怪しい彼女は、主として振る舞っている。
その執事は、怪しい彼女への尊崇を示す。
魔法使いに至っては隷属の気配すらある。
観せている風はない。
改両替商人は証券を恭しく受けながら。
署名裏書日付を器械的に読み取って。
怪しい彼女へと注意を向け続けていた。
観ているのが露骨だ。
蒼い瞳は健康的に潤み焦点の合わせ方が速い。
両替商人の視線を追って隠さない。
白い肌は艶々と滑らかだが野外慣れしている。
深窓より園遊会や遠乗りが似合う。
結い上げたばかりの金髪に解れの気配もない。
自らの美しさを常に誇示している。
間違いなく特権階級の、あるいは総領娘か、その近く。
―――――――上流階級なら遠目に観ることが出来る。
配慮はあっても遠慮はない。
他者は居らず自分だけが居る。
与えるだけで得る気はない。
最初から何もかも持っているから失う物が無いヤカラ。
・・・・・・・・・・この両替商人なら話す機会がある。
だから、だろう。
無遠慮に観られて構わない。
同じ舞台に立つことはない。
両替商人の目的。
いっそ観せて邪魔をされないように。
証券の振り出し元は商人か商会。
裏書するのも同じ何処かの誰か。
日付の刻まで、それは存在した。
額面が同じならば、損はしていない。
手数料より大きな利益。
見知った、見知らぬ商売相手。
その消息を証明する公的書類。
平時の素人には無価値。
青龍の侵攻から始まる世界の変天。
世界帝国の半壊。
海上交易の停止。
交易都市の半壊。
沿岸部の大混乱。
海上交易の再開。
交易都市の再建。
沿岸部の再編成。
世界帝国の逆襲。
何もかも判らない世界で判ることの価値。
或る商人や商会が在るなら?
付随する商人や商会も残っている。
その商圏が機能してるなら?
海陸交易路が残ってる範囲が判る。
裏書の日付や場所が判れば?
より相応しかった商人商会が判る。
或る商人や商会が無いなら?
付随する商人商会商圏が喪われたと存在しているとアタリが付けば、今現在此処の港街の両替商人に預けられている保有している証券や裏書の価値が上下どころか有無が変わる、かもしれないだけで大商いになるだろう。
それは特権階級には遊び。
これが上流階級なら生活。
――――――――――生きること。
だから。
両替商人は五枚の証券、その額面を最後に観た。
そして視た。
怪しい彼女たちの手持ち、その全額。
統計は因果を含む何ものも証明しない。
だから詐欺師が多用する。
……大学の統計学では最初に習うこと。
京大では習わない様子(笑)。
繰り返し。
「治療薬は病人にしか売れないが、ワクチンは病気が存在していれば売れる」
とある小説の詐欺師のセリフ。
ちなみに。
ワクチンは予防薬であって治療薬ではなく。
新型(笑)コロナわくちんは予防薬ではなく。
全部自己責任でって厚生労働省が言ってる(嗤)。
んで。
「わくちんにより感染者と死者を90%減らせた(かもしれない)」
そうな。
嘘は言ってないな!
「ある前提で数字を解釈出来る(あとは自己責任)」
と言っただけ(笑)。
ちなみにワクチンの効果を検証する方法は、ありません。
治療薬じゃなくて予防薬ですからね。
健康な人間に接種してみて感染させるなら、別ですけど。
だからコロナ前は衰退しかけていた。
インフルエンザワクチン集団接種が壮大な徒労だったから。
……息を吹き返しやがって、ゾンビかよ。
だからボロいビジネスなんですけどね(笑)。
接種したあと発病さえしなければ成果。
それが「発病しないコロナ」なら、もう(嗤)。
コロナ対策の後始末。
「僕たちは悪くないと偉い先生が言っている」
「僕たちは悪くないと有名人が言っている」
「僕たちは悪くないと言っているのは僕たちじゃないから文句はそちらへ」
典型的ですね(笑)。
何処まで逝くんだこの馬鹿ども。
馬鹿が「私は虫ケラです」って看板下げてやがります。
潜在化していた精神異常と頭が悪い奴らを表面化させたのは、一つの成果ではありますね。
後はそれを如何に保護隔離して追及駆除するかと言う話なんですが。
街で観かける精神異常。
存在し得ないナニかを消毒してるアレ。
ネットに居るらしい馬鹿。
観ないので又聞きですが鵜呑みにするアレ。
とりあえず街を行く病人を観察したら、ナニかわかるかな?
という訳で週末の街を行き来してみます。
更新か遅れたらそういうことで。




