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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十九章「帰郷作戦」

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無知の知/Redde Caesari quae sunt Caesaris.

【用語】


『自力救済』

:自分が正当とみなす権利を侵害された/される/されそうな場合に自ら回復阻止予防を行うこと。その手段は定義に含まれないので合法的な場合も非合法な場合もある。自ら裁判に訴えることも自力なら自ら武力で強制するのも自力で警察やヤクザを頼るのも自力。神は自らを助ける者を助けるし社会は自らを助けようとしない者を排除する。人間の条件、その一つ。




解らないことは気にしない。

解る者に委ねる。


判ることはどうにかさせる。

判る者に任せる。


ボクは視てる。

だから安心してていいよ♪︎




【異世界大陸北東部/帝国辺境領/回復予定領/割譲可能領/作戦周辺領/低要度・高危険度領/斥候周回処/???】


怪しい彼女が馴染みの無い海に燥ぎ(はしゃぎ)っぱなしだった刻。


いつも通り甲板の上。

揺れや振動には強い体質。

濃い空気の風は何程でもない。


エルフ並みの視力で自分の船を囲んでゆく舟団を眺めた。


異世界の海戦。

衝角突撃に接舷戦闘。

帝国軍なら飛竜で火炎放射。


当然、帰属がどうあれ竜が登場することは有り得ない。


帝国軍は商港の警備などしないからだ。

少ない軍港か作戦利用中の港なら別だ。

全ての海を放棄した現状なら竜はない。


怪しい彼女が乗るスクーナーを囲んでゆくガレー船。


姿を観せた刻には沈めていない。

それはつまり青龍でもない、ということ。


青龍も海の警備は領民へと一任。

その辺りは赤龍(帝国)と変わらないということ。


怪しい彼女の連れは視て獲った。

今日を視て昨日と比べて明日を観て盗る。


異世界の空陸を制していた帝国。

まだ人智の及ぶ範囲の半分は制している。


構成は諸族連合に成りつつある。

昨今の戦死者急増で更に度合いが増えた。


その中核は内陸深奥部の民族だ。

他民族から騎竜民族と呼ばれる。


あるいは種族と言うべきか。


特異な居住地に特異な習俗。

それなら一風変わった異世界人。

それこそ民族部族扱いで構わない。


逆に、もし特異な能力に会わせた居住地なら?

――――――――――竜を使役する天分がある、とか。


或いは異世界人ではなくエルフやドワーフの様な種族、強いていえば竜使いなのかもしれない。


まだ調査中だ。


彼らと共にある魔法使いたちが。

彼らを侵略する地球人類たちが。


そんな騎竜民族の特徴が一つ。

何も浮かんでいない海上に興味がない。


大陸で一番豊かな沿岸部。

それを生み出す大物流線。

海上交易の肝は、それだ。


大抵は黄金色の輝きを眺める。

金の流れなど、些末な枝葉でしかない。


経済とは金ではない。

貨幣は商いですらない。


貧乏人が安心して生きる為に生まれた妄想。

解らないことを判った様に思い込むツール。


帝国には欺瞞が要らない。


需要と供給の最適化。

同じ人々。

同じ土地。

同じ技芸。

最大化され続ける力。


ありふれた者と物が組み合わせで輝く。

人がただ在るだけではゴミでしかない。

物がただ在るだけでは邪魔でしかない。

どんなゴミでも配合一つで世界が輝く。


それが帝国には解らない。


生得の魔法。

異なる竜。

常なる生死。


優れることが生きること。

解らないとは判るから解る者に丸投げ。


帝国に吸収された沿岸部有力者。

王族貴族騎士は根絶やし。

商人や職人に学者たちは生かす。


実務を取り仕切っていた階層の大半だ。

優れることが生きる許可。


武力を司れる者たちはいない。

それは騎竜民族の得意分野。

世界帝国は分業で運営された。


だから海の権益は非騎竜民族が担った。


取り込まれた諸族。

同じ世界帝国の支配階級。

民族の概念が生まれるなら千年後。


地球でいう19世紀に、さて生じるかどうか。

・・・・・・・・・・賽の目の籤運次第


千年後に思い付かれた概念。

民族。

国家。

戦争。

千年前の文章にこじつける。


あぁ戦争は人類発祥以来の伝統らしいですよ。

・・・・・・・・・・当事者もびっくり。


それ自体は怪しい彼女に、関係はない。


彼女が怪しい原因となる海上の治安。

――――――――――海賊の跳梁である。


異世界大陸の沿岸部は海上交易で成り立つ。

海上交易ではなく交易路で生きる者が出る。

それが全盛期を迎えたのが帝国時代だった。


いや初めて生まれたのだろう。

交易者を兼ねない専業の海賊。


元々は水先案内人の集団。

沿岸部や内海の交易路は富の流れ。


水上生活者が流れに住まう。

流れが水上生活者を生み出す。

どちらもどちらになるやら。


地縁に寄らない彼らは、血統に寄り氏族化した。


操船技術。

水域知識。

伝手知縁。


動産に寄る階層が氏族化するのは商人と同じだ。


水先案内には護衛も含まれる。

それが不要となれば襲撃する。


把握している水域が彼らの縄張り。


通るならばサービスを受取れ。

ヤクザが売り付けるおしぼり。


見ヶ〆料(みかじめりょう)だと言えば判りやすいだろう。


海路沿いの領主に仕える(杯を受ける)こともある。

狭い土地に縛られず広い海上をゆく。

帰属も離反も上納も保護も自由自在。


諸王国時代の曖昧な支配の形。

それが海賊の起源となった。


地域と一体化して愛されないまでも嫌われていなかった水上氏族(ヤクザ)


それはあまりにも無力だった。

だから固定されなかったのだが。

自由とは無価値の別名でしかない。


強大な帝国(マフィア)が海岸に到達。


広い内海。

広大な外海。

空から哨戒する飛竜には無意味、どころか、遮蔽物が無い洋上は演習場ですらない。


大陸沿岸部を横断する内海は、すぐに帝国の兵站線になる。

大陸沿岸部を縦断する外洋は、ほどなく帝国の金蔓になる。


帝国は水先案内人を全く必要としなかった。


そもそも水路は船乗りたちが把握している。

船や舟など運行に何の支障も起きやしない。


水域の隅々を知る必要があるのは戦時だけ。

海が戦場にすらならない帝国は興味がない。


空から見下ろす飛竜から観える水上に海上。


騎竜民族は眼が良い。

船や舟は遮蔽物の無い平面上の標的にしかならない。


水上生活者たちは瞬く間に駆逐されたことにすら気が付かれなかった。


帝国にすれば行軍中に難民を追い払った程度のこと。

騎竜民族は効率優先。


だから彼らは生き残れた。

滅ぼす価値が無い故に。


だから彼らはマフィア化した。

取り引きの余地が無い。


内海から一掃された後、外海に潜伏した水上生活氏族。


数を減らした彼らは数を増やした。

帝国の世界征服の進展。

寄る辺無き民が陸を逐われたから。


王族。

貴族。

騎士。


非帝国反帝国のそれは消えた。

――――――――――最初からいなかったかのように。


戦い殺され。

逃げて殺され。

逐われて殺され。


記録は没収し関係者も殺した。

・・・・・・・・・・関係者の関係者は追放。


帝国の領域に居られなくなった者は、ほどなく土に還る。

地縁血縁から切り離された者は無力で、すぐに殺される。

生き残れた者は間違いなく、ほんの僅かでしかなかった。


何もかも計画通り。


効率性の塊である騎竜民族。

合理性の塊である魔法使い。

それぞれが突き詰めた帝国。


当然に斯く或かし。


帝国が興盛を極めていけば

――――――――――世界全体から。

広大な海の限られた航路へ。


その結果に頭を抱えたのは、帝国ではなかった。


大陸を席捲した帝国。

最短期間最小コスト。

その支配は、磐石だ。


海上へ逃げ込んだ敗残者に、何程ができようか。


なにも出来ない。

帝国軍に近付けすらしない。

反抗など当人たちすら夢想出来やしない。


大陸沿岸部の陸上には帝国軍がいるから安心。

内海の帝国にとって重要な海路は飛竜が哨戒。


大陸沿岸部外洋の海上交易は大規模に過ぎた。

それを止めて観せたのは青龍が史上初めてだ。


海賊風情が幾ら増えても海上交易は続く。

帝国支配で進んだ市場統合は物流を増やした。


より豊かになった交易路は海賊を正業に戻してゆく。

――――――――――長期的には。


だから帝国は、海賊の増加を気にも留めない。

現代地球の先進国以外は自力救済が当たり前。

略奪や殺人や盗難や放火等々だからどうした。


あくまで合理的に。

あくまで効率的に。


海賊による被害がもたらす物流への悪影響。

領地の生産性を減らすのは間違いない。


海賊を掃討ないし抑止するのに掛る手間暇。

減った生産に比べて、どちらが多いか。


現在地球人類社会に、こんな命題がある。


欠陥製品をリコールする費用。

犠牲者に支払う賠償金。

欠陥を防ぐ費用。

続く賠償金。


前者が後者を下回るなら、欠陥を直すべき。

その逆ならば、欠陥は放置すべき。


実際に通用している原理なので、懲罰的賠償制度などがあるのだが異世界にはない。


当たり前の話ではあるが、国家と共同体は違う。

利害が一致するのが共同体。

利害関係があるのが国家。


帝国以前の諸王国は共同体に近い。

海商たちが海賊取り締まりを請願すれば、王侯貴族は聴くだろう。

実際に出来るかやるかは別として、やらねばならない、とは思う。


帝国は異世界に初めて誕生した国家。

海賊の跳梁を調べ確かめ把握する。

海商たちが取り締まりを請願すれば?

――――――――――「ボランティアじゃね~んだよ」と返す。


実際には無視した。

放って置けばどうにかなる、と判断したからだ。


一般に領民の武装は禁じらている。

これは諸王国時代から変わらない。

だが船乗りには武装が黙認される。

これも帝国以前から、変わらない。


古くから専任の海軍維持には金がかかる。


商船より丈夫な軍船。

防御の部分で材料費が嵩み積載量が減る。

船乗りより強い水兵。

戦闘訓練と経験を上回り航海訓練が必要。


創る費用。

維持する費用。

全く利益にならない。


海軍力に拘って破産した王国は、要塞に拘って破産した王国くらいにはある。


誰がやるものか。

普通は企画段階で止められる。

・・・・・・・・・・だから古来、海軍とは商船転用。


普段は海上交易で大金を稼ぐ。

もちろん領土も潤す。

創設費も維持費も十分足りる。

戦時下には戦に使う。


専任ほどに強くはないがコストパフォーマンスが段違い。

唯一の欠陥は、自活しているから従わないことくらいか。


従わせようと思わなければ、まったく問題ない。

――――――――――帝国は海商ごとき従えられる。

だが、無駄なことはしない。


増えた海賊の短期的対策。

海商たちの自力救済任せ。

成否問わずに関わらない。


それで()()()()問題は生じなかった。


海賊は居る。

船は襲われる。


奪われて保険金で補填。

返討にして賞金を稼ぐ。


腕の良い海賊を雇う。

海賊の盗品人質を買う。


癒着して海商仲間に吊るされる。

引退して海商の傘下に加わる。


それが異世界の常識。

太守領では十年前からだが。

他国の常識として知ってはいたろう。


旧王国が太守領にされ、そして今、青龍の所有。

青龍は法律や慣習、社会制度に関与したがらない。


だから、だ。


怪しい彼女が乗っている船も。

太守領港街から出ている舟も。


――――――――――自力救済――――――――――


三題噺。


マイナンバー(笑)。

インボイス(笑)。

コロナ対策(笑)。


この三つを使えば哲学的問題が解決。


失敗しないと考える人間が存在し得ないので非人間が区別できますね。

まあ例によって誰が思い付いたのか表沙汰にはならないでしょうが。

霞ヶ関の阿保どもが未だに停めまいとしてるのは明らかですけど。


尚、実行自体が失敗するかは、微妙。

……打首要員の大臣(最下等議員)をいくつ費やしても愚考と認められない精神異常者に支配されてる我が身かな。



詐欺師にとって一番のカモを御存知でしょうか?


先ず思考力が無いこと。

あれば辻褄が合わないことに気が付いてしまいます。

この資質はペーパーテストで鍛えることが出来る、と。


はい、メモ。


次に理解力が無いこと。

無ければどれだけの知識もインデックス(粗大ごみ)で終わります。

この資質はペーパーテストで以下略。


メモメモ。


そして記憶力が良いこと。

思考や理解のステップをスキップできますから、速い。

霊長類には出来ないんですけどね。

この資質は以下略。


テストに出ますよ?


……これ、ソロゲーム向きの資質ですね。

答えがあるファンタジーへの適合。

リアルな世界に出てきちゃダメな。

1日一時間以上やると廃人になる奴。


つまり学校(収容所)で真面目に勉強と称した学習(拷問)を1日数時間繰り返せばゲーム脳(精神異常)にならない方が可笑しい。


……まあ、拷問(学習)で発狂しない人も居ますが。

ソビエト連邦の記録に依るのは後日。


ここから生じる最高のカモ。


ペーパーテストで高いステータス(ファンタジー)を手に入れている。

ステータス(ファンタジー)と自己認識を分けることが出来ない。

リアルとファンタジーの解離を繕う為に成果が必要。


カモ葱なんてレベルじゃありません。


何かせずにはいられないなら煽るまでもなく。

知ってるつもりなら進んで騙されてくれます。

しかも使い減りしないステータス(他人の金)を握ってる。


だから

「官庁なら幾ら騙しても騙されたとは認めないから合法的に幾らでも騙しとれる」

と言われる所以。

……あ、答え言っちゃいました。


そう言う意味で言えば富士通のごとき会社は嗤えます。

国際的な官庁向け詐欺の為に設立運営されてるあたり。

どれだけ遺族から罵倒されても合法的って素敵ですね。


もっとも関わりたくはありませんが。


馬鹿から小金を毟り侮蔑する人間の義務。

その為に霞ヶ関と関係を持つのは嫌です。

虫ケラと同席してまで金なんか要りません。


わたしに出来るのは、せいぜいマスクを嘲弄するくらい。

出来ることだけで我慢すべきでしょう……ファンタジーに近付かぬように。


結果、更新スケジュールが乱れそうです、という御知らせでした

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