私を見て/to me.
【用語】
『エルフ』
:異世界の種族。基本形態は人と同じく四肢がある。手足指の数は同じ。全体に背が高く細身。女性は概ねメリハリがあり、男性は細身でありながら筋肉質。人間の美的感覚で言えば総じて美しい。異世界の他の種族と比べて圧倒的に長命、絶対的な不老。10代から20代を少し超えた程度で老化しなくなる。俊敏で器用、五感が鋭く、感染症になりにくい。特徴的な長い耳は極めて敏感で空気の揺らぎを即座に捉えるほど。人間の耳と違って耳介でも感じとれるということは、耳自体の感じ易さが半端ない。もちろんただぶつかっただけなら我慢できる範囲。だが好意を持っている相手から敢えて触るとなれば反則ってレベルじゃない。エルフ同士ならば普通にやらないし、非エルフにそれを許したりはしない。人に例えると力いっぱい鷲掴みにされて揉みくちゃにされるようなことを赦せるか……敏感に耳で感じとり接近する掌を知りつつ掴まれ待ちするのはどうかと思うの。
なお、エルフの耳が持つ意味は異世界種族に広く知られており公然と触れるようなことはありません。
ちなみに非常識な青龍が何故かエルフという種族のことを知っていると異世界に広く知られています。
あの刻のことは毎晩、夢に浮かびます。
歓喜。
恍惚。
昂り。
血の赤さではありません。
赤色。
黄色。
白色。
輩の中身は、とても綺麗。
牽き摺られた肉。
挽き裂かれた脂。
穿ち砕かれた骨。
その最中におられました。
構えも無く。
気負いも無く。
関心も無く。
私たちが出逢い。
殺し始める前。
殺している最中。
殺し終わってから。
その後のことは、邦中が知るママ。
気に触ったから殺した。
弱かったから殺された。
気にされず殺されない。
私たちには、関係がありませんでした。
恩に着ることが出来れば。
憧れることを許せれば。
強いていただければ。
これほど焦がれることはなかったのでしょうか。
私どもは救われました。
されど救われることなく。
救われなかったかの様に。
眼に映していただくことも
――――――――――ありませんでした。
《第二回太守領軍政司令官襲撃事件調査報告書/目撃者Aの証言より抜粋》
【異世【異世界大陸北東部/占領地中央/太守府/王城/ご領主様専任メイド部屋/エルフっ娘】
あたしの中に安堵がある。
・・・・・・・・・・あとは良く解らない。
哀れみ?
焦り?
願い?
とにかく、他人事ではない、ということ。
彼は為すべきを為さず、成すべきを成した。
メイドたちは当面、死にはしないでしょう。
毎日毎夕日々刻々、彼の傍に居られるなら。
それは予測できたけれど
・・・・・・・・・・改めて魅せつけられたわね。
そもそも、あたし、たちがまだなんだし。
第一、あたし、たちが負けてる訳ないし。
毎回々、先を越される心配なんかないし。
未だに越され得るのが変
――――――――――あたしが不甲斐ないだけだけど。
彼女たちは頑張ったわ。
努めただけじゃない。
魅了してたと思う。
マメシバ卿は、何故、彼の好みに詳しいのかしら?
だから気が気じゃなかったけど。
すやすやと眠らされた彼女たち。
まるで幼い娘をあやしたみたい。
眠姿までが貴男の物だと主張してるのに。
それは伝わっている。
だから、かしらね。
じっくり愛でる。
一間で女たち一纏め。
――――――――――他の女を意識させない。
独り独り。
視ながら。
観せながら。
何一つ言わずに傍へ。
・・・・・・・・・・二人っきり、みたいに。
眼で。
匂いで。
聴かせて。
己を知らしめ昂らせた。
――――――――――他の誰かも無いかの様に。
触れさせる。
触れてみせる。
抱き上げる。
独り閨に納め頂へ導く。
・・・・・・・・・・果てさせられ力尽きる。
肢体を委ねさせ。
瞼をとじさせ。
肢体を横たえる。
着崩れた裸身を抱き崩す彼。
うん、腹がたつ。
あたしに魅せてる処が特に。
閨に寝かせただけでも無理。
優しく乱暴なのが羨ましい。
手伝うのはヤダ。
あたしが意地を張っている間に済んだ。
五人に刻を費やしたのに。
一人一人の息が荒かった。
精魂尽きて長く持たない。
成り行きなり何かに委せないのが、彼。
抱き潰した五人。
独りの閨が五つ。
同衾する彼一人。
足音高く、傍らに居ることを聴かせて。
女の吐息。
一つ減る。
また一つ。
この刻だけ響かせた靴音高く自ら誇示。
見守られている。
傍らにいる。
そう知らせてる。
最期の力を振り絞っていた女が、我が身を手放させた。
あたしは安堵してしまう。
暫くは出し抜かれないで済む。
我がことなのに他力。
他人の不幸に喜ぶなんて。
ダメね。
とてもとても卑しいことと知りながら。
うん。
愛されると、卑しくなれるのかしらね。
だって。
あたしがどうあろうと嫌われないから。
でも。
我が身に堪えないほどの綺麗を魅せる。
ううん。
そう欲して止まないのがダメなのかな。
珍しく我が身を振り返えさせられているのは、あたし自身自省自制ではなし仕方なく。
あたしは身に詰まされた。
――――――――――あれはあたしたちじゃない。
鏡の中に自分はいない。
鏡に映るのは自分の姿。
欲しくて欲しくて、それだけ。
目覚めてから身悶えするのも。
想いが強まり、どうにかなる。
救われるに違いない。
誰もが疑わなかった。
メイドたちも。
メイド長も。
あたしも。
先を越されると思っても、邪魔を出来なかった。
それで全て解決するもの。
彼の形にされればいい。
なにもこわくなくされる。
あたし、たちみたいにヤキモキする必要は無い。
愛して。
妬んで。
甘えて。
実った恋が何を恐れようがある、ってことね。
全てを出しきった。
間違ってない。
青龍から許された。
欲しくていい。
彼を求めて善いと。
あたしたちが。
彼の邪魔じゃない。
青龍の保証だ。
待たなくて良いと。
求めていける。
あたしたちの流儀。
――――――――――考えれば解る。
彼が、それを許す訳がない。
奪うのは彼。
奪われたのは、あたしたち。
わざわざ、あたし、たちの前で女を、敢えて一人選びんで奪って魅せつけたじゃない。
メイド長の唇だけじゃなく。
彼女たちも魅せつけられていた。
――――――――――だから、か。
獲りにいけないなら奪われよう。
・・・・・・・・・・ありがちね。
弱い側なら誰でもしでかすこと。
――――――――――憶えがある。
眠れないまま。
彼を知らず。
協力して。
必死に縋りついたのに。
・・・・・・・・・・やり直し。
瞬殺。
即断。
後回し。
不眠で衰弱した肢体では、彼を受け留められない。
――――――――――例え五人、一纏めでさえ。
元気いっぱいの八人でさえ一人に抗し得ないのに。
――――――――――情けなくて悪かったわね。
弱い女は、女じゃない。
彼は男だから。
欲しいのは女。
女が欲しがる男の様に。
考えても判らないわよ。
・・・・・・・・・・わからされてる、あたしたち。
毎日。
朝晩。
それ以外。
・・・・・・・・・・気が付くと何も無く目覚める。
彼の上でね!
彼の下もあるけど!
彼にされる前って判らされて!
また犠牲者が、今度は五人。
悪くなかったと思う。
自然に命を賭けられた。
弱さが強さに出来る。
気の病。
彼を感じられないと眠れない。
仮病じゃない。
彼が居ないと生きられない。
自殺せずとも。
狙って造れる舞台じゃない。
死んでしまう。
あたしたちなら死ぬだもの。
この世界なら。
あいにくと彼は青龍だった。
舞台を造る側。
救われてないなら救えばいい。
・・・・・・・・・・・つまり回復したら鍛えあげて五人まとめて解決しちゃうわけよね!
――――――――――赦せない!――――――――――
【異世界大陸北東部/国際連合軍占領地中央/国際連合統治軍拠点/占領軍司令部/軍政司令部付メイド私室/青龍の貴族】
俺の得意は子守だけに非ず。
抜き足。
差し足。
忍び足。
いやこれ子守にも使うけど。
他に何に使うんだ?
女を驚かしたり
女と戯れ合ったり。
友達とふざける時もあるよ?
仕事では使わないな。
仕事しない時に使う。
仕事で指名されぬ様。
こっそり抜け出したら反対ゼロで任命されてました。
――――――――――さておき。
エルフっ娘。
メイド長。
言わずと知れてる沈黙を守ってくれた。
メイド五人衆私室。
その扉回廊側。
脱出成功。
俺は振り返って視た。
もちろん無言ではなく、無音で。
一人一人隆起する胸が良く視える。
寝てる眠てる。
剥き出しに寝かせただけだから。
心拍吐息呼気ともに正常だな。
さっきまでと大違い。
敢えて昂めて一気に堕とす。
――――――――――理想的キマった。
むちゃくちゃ張り切りって、お出迎え。
出迎えられた俺の人徳の高さと来たら。
後は一人一人注視アピールし限界超え。
大好きな俺に讃えられたらキレるのは当然。
緊張。
脱力。
弛緩。
起きられやすまい。
春の最中。
微やかな風。
部屋を満たす陽光。
お腹を冷やすこともあるまいな。
起きるまで寝かせる。
肢体は正直だ。
欲するママに与える。
健康な人間とは、そういう者。
食べたい物を食べる。
食べたいだけ食べる。
要らなきゃ残す。
眠たい刻に眠る。
飽きたら起きる。
敢えて起きない眠らない。
それで健康を害したりはしない。
健康は身体の機能。
そこに意図なぞ必要ない。
敢えてするのは病気だからだ。
ちょうどメイド五人衆のように。
病気を治すのが今回。
そこには無理強いが必要。
既に不健康だから容易いこと。
俺に逆らえ無ければ?
寝かせるのは簡単だ。
無理強いすればいい。
久しぶりの再会なら?
緊張は長く保たない。
意図を切るのは簡単。
保護者が必要ならば?
俺の存在をアピール。
緊張後の弛緩は保つ。
これで起きて居られたらたいしたもん。
・・・・・・・・・・普通でした。
普段なら夜明けと共に起きてる皆。
でないと夜闇で死ぬことになる。
此処、軍政司令部は照明設備有。
太陽に合わせて暮らす必要はない。
良い機会だ。
朝寝坊を教えよう。
寝過ぎても若いから大丈夫。
彼女たちの安眠は邪魔出来ない。
闖入者は自動機銃の餌食。
軍政司令部で眠た娘を起こす奴は居ない。
――――――――――三佐だって子どもには優しいし、健康で元気な相手でしか弄ばないから大丈夫。
さて。
メイド長にアイコンタクト。
五人のことは任せて置ける。
眠かせるのは俺。
眠かせた後は彼女。
夕方になれば窓を閉じてくれるだろう。
眼を覚ましたらメイド長に問うだろう。
言い含めるのも諭すのも、委せて善し。
眠かし付けられたと知れば?
色々と想うところもあるだろうな。
責任感が強い娘たちばかり。
俺に遠慮もあるだろう。
しかも大人ブリたい、お年頃。
――――――――――実に好い。
子どもらしく、寝かし付けられたと知れば?
・・・・・・・・・・どんな表情をするだろうか。
一人一人、個別に呼び出そう。
――――――――――庇い合えぬ様。
これぞ愉しい想い出造り。
一生思い出してはジタバタ確定。
子どもは黙って根に持ってなさい。
じゃあ眠ようか?
【異世【異世界大陸北東部/占領地中央/太守府/王城/ご領主様専任メイド部屋/エルフっ娘】
♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎
あたしは歓喜
――――――――――してる場合なのかも解らない♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎
ダメダメ。
彼に掴まれながら、あの娘と妹分の所へ、ゆっくり急ぐ。
いつも抱かれている二人だけど、やっぱり奪い合いよね。
もちろん肢体を委ねながらも考えることは、留めただけ。
あの五人は、もう、後戻りしない。
厄介なことに。
今日この日が始まり
一生、想い出しつづける。
でも一生、積み重ねられること。
・・・・・・・・・・思い出してはやるせなくなる。
今日の今日、眺めた記事。
「マスクの着脱は個人の判断に為りました」
……それ、最初から。
頭が悪い輩の特徴は言葉が解らないことです。
オウムやレコーダーと同じ様に繰り返してるだけ。
マスコミ受けする学者なんかに多いタイプ。
言葉が解らない者同士だから問題が起きない。
判らないなら判ろうとするのが人間。
解らないことすら解らないのが虫けら。
博士号、修士号、資格ってのは皆、同じ。
資格を与えた側が責任を取る訳じゃない。
試験というのはPCの入力出力と同じこと。
ウィルスの定義すら言えないウィルス学者。
HDDの中身をPCが理解してる?
AI(笑)って繰り返す輩なら思いそう(嗤)。
そんな輩が個人の判断を撒き散らす。
名分を得た馬鹿が正義面でみんなに強要。
個々の面倒を避ける為に馬鹿に従う輩がみんな。
いやまったく。
国を滅ぼすのは外国人じゃありませんね。
日本の敵は日本人でしかない。
一度、滅ぼされました。
さて後一回、保つのやら保たぬのやら?
賭ける気にならないので最善を尽くしましょう。
みんなを馬鹿と嘲ること。
そのための見本となるのがノーマスク。
暑い週末、早よ死ねマスクと示すため。
執筆を控えてなお、おでかけ致します。
更新スケジュール遅延のお知らせでした。




